歳を重ねてもヨガ講師として活躍し続ける方法

歳を重ねてもヨガ講師として活躍し続ける方法

皆さん、こんにちは!私はこれまで主に地方で活動するヨガインストラクター向けに、様々な課題とどう向き合っていくかについて記事を書いてきましたが、今回は長期的にヨガ講師として活躍するために、歳を重ねていくこととの向き合い方について考えてみたいと思います。

私はヨガ指導を始めて8年目になりますが、恥ずかしながら8年前と比べて今は体力の衰えを感じます。毎日のようにクラスで指導していても、以前より体力の回復に時間がかかってしまったり、調子が悪いとクラス後半で息切れしてしまうことも……。

もちろんセルフプラクティスで、ある程度の体力は維持できますが、人間誰しも、年齢とともに体力の低下を実感するのが普通です。アスリートの多くが20代後半から30代にかけて現役を退くように、やはり体のピークは20代前半と言えるのではないでしょうか?

ただ私たちヨガ実践者はアスリートではありません。ヨガをライフスタイルとして取り入れているのであれば、一生続けることだってできます!年齢とともに体力の変化があって当然ですし、ヨガの取り組み方が年齢とともに変わっていったっていいとも思いませんか?

特にヨガ講師となると、生徒の見本となる立場でいる以上、いつも元気で若々しく、清く正しくいるべき!というイメージに苦しんでしまう方も多いかもしれません。一般の方に比べると、ヨガ講師は立場上、年齢を重ねていくことを受け入れるのに抵抗を感じている方も多いのはないでしょうか?

特に私のように地方でヨガを指導している人のなかには、何年も通ってくれている生徒さんをたくさん抱えているかもしれません。通っていただいている期間が長い程、お互い年齢を重ねていますし、出会った頃より、体力的な変化があることも理解しなければなりません。

年齢のことを考えると気持ちが沈んでしまいがちですが、今回の記事では年齢を重ねるからこそできるヨガの指導法について一緒に考えてみましょう。

5年後、10年後も同じ内容のクラスを続けられる?

ヨガ講師として長く活動していきたいなら、少し長期的な視点でご自身のクラスを見直してみる
ヨガ講師として長く活動していきたいなら、少し長期的な視点でご自身のクラスを見直してみる

ヨガ講師として長く活動していきたいと私はいつも考えています。もしみなさんも同じように考えているのであれば、少し長期的な視点でご自身のクラスを見直してみましょう。

皆さんが日々行なっているクラスで取り入れているポーズや呼吸法を改めて考えてみてください。同様の難易度、体力、クラス時間で、この先5年・10年と指導できそうでしょうか?

もちろん、今後ずっと同じスタイルのクラスを指導し続けられるというのは素晴らしいことです。それを目標とする方も多いと思います。もし、先のことを考えたときに、不安がなければ、是非、そのままのスタイルを続けてください。

でももしちょっとでも不安を感じたなら、今後のクラス内容を見直す良いきっかけになるかもしれません。

ご自身の年齢を考え、この先クラス内容をどう調整していくか考えた時、回数を減らす、というネガティブな方法はできるだけ避けたいところ。では、どのようにすれば歳を重ねても、ヨガ講師として、ポジティブにクラスを展開できるのか。そのアイデアを以下にまとめてみました。

年齢を重ねたヨガ講師のクラス調整法3つ

どのようにすれば歳を重ねても、ヨガ講師として、ポジティブにクラスを展開できるのか?
どのようにすれば歳を重ねても、ヨガ講師として、ポジティブにクラスを展開できるのか?

「元気さ」ではなく「経験」を伝えるクラスに

「歳を重ねる」ことを、「衰え」と捉えると悲しい気持ちになりますが、「経験を重ねている」と考えられれば、今の年齢をポジティブに受け入れることができます。

歳を重ねたヨガ講師は、指導の経験はもちろん、人生経験も豊富なはず。年齢と共に人生の酸いも甘いも経験してきたからこそ、より生徒さんの心に寄り添えることもあると思うのです。

生徒さんたちの多くは、心や体、そして生き方に何らかの課題を感じ、それを改善するためにヨガを練習しています。

ヨガ講師である皆さんも、生徒さん達とお同じような課題や悩みがあったからこそ、ヨガを練習し、そして1つずつ解決してきたのではないでしょうか?

そんなご自身の経験を、下記のようにクラスで話してみてください。

  • ヨガに興味を持ったきっかけ
  • ご自身の悩みや課題をヨガでどのように解決したか
  • 今こんなことに悩んでいて、模索しながらもヨガを続けている理由
  • ヨガを練習してきた中での失敗談や教訓

個人的な話をすることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、生徒の立場からしたら、「先生の気持ちわかる!」「自分と同じように先生も悩みがあるのだな」と親近感を感じてもらえる良いきっかけになると思います。

生徒さん達は、ヨガ講師に対して「完璧な人だ」と、良いイメージだけ持っている場合もあります。でも実際には、ヨガ講師も生徒さん達と同じように悩んだり苦しんだりしている同じ人間です。そのことが生徒さんたちに伝わると、きっとヨガ講師に対する親近感や信頼感、安心感を感じてもらえますよ。

指導経験を活かし「ヨガの基本」をワークショップで指導する

ヨガ講師として、難易度の高いフォトジェニックなポーズができる自分でありたいと考えてしまいがちです。でも、ポーズの難易度を追求し続けたまま歳を重ねていくと、確かにスーパーマンのようで、かっこいいもしれませんが、その裏で体は悲鳴をあげているかもしれません。

難易度の高いポーズはキャッチーだし、生徒さん達からも喜ばれるでしょう。しかし、ベーシックなポーズこそ、何年も練習し続けた先に得られる、何にも代えがたいものがたくさんあります。

ちなみに私はヨガ歴13年程ですが、セルフプラクティスでは今でも基本の太陽礼拝や呼吸法、ベーシックなポーズを中心に練習しています。ヨガ歴が長くなったからといっても、難しいポーズの練習だけになるわけではなく、むしろベーシックなポーズこそ、年単位でその深みや味わいが増していくことにいつも気付かされます。何年経ってもベーシックなポーズは、本当にたくさんの学びがあるのです。

そしてそれはきっと生徒さん達も同じです。いつもクラスに出てくるお馴染みのポーズも、何となく練習していてイマイチよくわからない、安定と快適を感じられない、ということは多々あります。

難しいことは指導できなくても良いので、ご自身の実践経験を活かして、ヨガの基本を伝えるようなワークショップを是非開催してみてください。普段のクラスでは時間の都合上伝えきれないことを、ワークショップとしてしっかりと伝える機会を作りましょう。きっと生徒さん達も「こんなワークショップ参加したかった!待ってました!」と喜んでくれますよ!

ポーズだけではなく、呼吸法や瞑想なども指導できるように

ポーズだけではなく、呼吸法や瞑想などの練習も少しずつ取り入れていくといった変化の付け方は良いステップになる
ポーズだけではなく、呼吸法や瞑想などの練習も少しずつ取り入れていくといった変化の付け方は良いステップになる

繰り返しになりますが、年齢とともにヨガの練習内容は変化していくものだと私は考えています。もちろん練習内容を頻繁に変えすぎるのは考えもの。何年も練習し続けることでしか得られない、尊い体験や学びもあるからです。

ただ、ヨガ・スートラの八支則が示しているように、ヨガの練習経験とともに、ポーズだけではなく、呼吸法や瞑想などの練習も少しずつ取り入れていくといった変化の付け方は良いステップになるかもしれません。

呼吸法や瞑想はヨガの本質により近づいていく実践なので、年齢を重ねたヨガ指導者こそ、適しているとも言えます。元気でエネルギーがみなぎっていた体も年齢とともに落ち着き、呼吸法や瞑想の準備が整っていくでしょう。

呼吸法や瞑想はより本質的な練習だからこそ、ポーズの指導に比べてより繊細で難易度の高い指導力が求められますが、その分チャレンジしてみる価値も高いと思います。

もちろんポーズと同じくらい、瞑想や呼吸法も指導する以前にご自身の実践が大切です。もし実践したことがないなら、今から良い指導者に付き、継続的な練習を初めてみましょう。数年後には指導することができる可能性も見えてくると思います。

年齢を重ねることで、より深くヨガを指導できる!

皆さんは60代や70代のヨガ指導者に学んだことがありますか?このようなヨガ指導者たちは、達観したような落ち着きと冷静さ、そして本質を突いた言葉の重みがあります。もし会ったことなければ是非探してみてほしいです。

年齢を重ねたヨガ指導者は本当に貴重で、長きに渡るヨガの実践と指導経験により、一般論のような知識ではなく、自身の経験から本当に大切なことを教えてくれます。

そして何より、ヨガの経験が少ない者にとって、ヨガに対する向き合い方をより一層深いものへと導いてくれるでしょう。それは、若くてフレッシュで、デビューしたてのヨガ講師にはできないことです。

私はそんな重厚感のあるヨガ指導者になることが目標ですが、読者のみなさんはどうですか?40代、50代、60代……ヨガ講師としてどんな風に歳を重ねていきたいですか?

まだ先!と考えている方もいるかもしれませんが、「今年も早かった!」と毎年年末に口にしてしまうように、一年なんて本当にあっという間です。長くヨガ講師として活躍することを目標にしているのであれば、今から少しずつできることに取り組んでみるのも、良い年齢の重ね方の1つになるかもしれません。