ヨガ留学ってどうなの?聖地リシケシのヨガ事情

ヨガ留学ってどうなの?聖地リシケシのヨガ事情

今、世界中で行われているヨガは、ご存知のとおりインドが発祥です。ヨガの練習をしているうちに、本場「インド」でのヨガが気になり始めた、という方も多いと思います。

特に、ヨガの聖地として有名な「リシケシ」は、注目度の高い場所。私もかつて滞在していましたが、世界中から多くのヨギーが訪れ、ヨガだけをする贅沢な時間を過ごしています。

今回は、そんなリシケシでのヨガ留学を考えている方に向けて、現地情報をお届けしたいと思います。

リシケシはヨガの聖地

リシケシには、数多くのヨガアシュラムがあり、あらゆる種類のヨガを受けることができる
リシケシには、数多くのヨガアシュラムがあり、あらゆる種類のヨガを受けることができる

ガンジス川上流にある聖地リシケシ。

シヴァナンダヨガの創設者であるスワミ・シヴァナンダ・サラスワティが1930年代にこの地を訪れた時には、まだ山の中の未開の小さな集落でした。シヴァナンダのアシュラムが出来上がり、徐々にヨガの聖者がアシュラムと呼ばれるヨガの修行道場を建てたことで、ヨガの聖地へと発展したのです。

1960年代にはビートルズが訪れ、瞑想をし、沢山の名曲をアシュラム内で作曲しました。今でもその場所はビートルズ・アシュラムと呼ばれて沢山の外国人が毎年訪れます。

現在では数多くのヨガアシュラムがあり、あらゆる種類のヨガを受けることができます。

ヨガ修行道場・アシュラムでのヨガ生活

伝統的なヨガを体験するのに最適な環境
伝統的なヨガを体験するのに最適な環境

伝統的なヨガ道場のことをアシュラムと呼びます。通常アシュラムではインド人の出家僧が住み込みでいますが、一部のアシュラムには、ヨガを練習しに来た短期滞在者を受け入れる宿泊施設があります。アシュラムでの生活は、伝統的なヨガを体験するのに本当に最適です。

営利目的ではないアシュラム

私がリシケシで初めて受けたヨガは、シヴァナンダヨガ・アシュラムの女性クラスでした。その時は、アシュラム内のゲストハウスに泊っていました(最近は厳しくなって外国人の宿泊許可がなかなかおりません)。

当時は有名な日本人女性の先生がおり、英語でヨガのクラスを行っていました。ヨガの先生にとって教えることはカルマヨガです。アシュラムに住む全ての修行僧は、調理、掃除、経理、それぞれに与えられた役割がありますが、ヨガの指導もその中の一つなのです。

アシュラムの経営は完全に募金で成り立っています。ヨガクラスを受けた後に、部屋の中にある募金箱に自分で好きな金額をいれます。もちろん、入れなくても何も言われませんし、誰がいくら入れたのかを確認することもできません。人々の善意で成り立っているアシュラムは私にとってとても心地の良い場所です。

アシュラムの中は、生活がヨガ

アシュラムはお寺(仏教)の宿坊をイメージすると、とても分かりやすいです。

最低限の家具のあるシンプルな個室が与えられます。早朝には瞑想の時間があり、昼間にはアシュラムのクラスや外でのヨガを受けて、夕方にはサットサングと呼ばれる集いの時間があります。バガヴァッド・ギーターの音読を一生懸命頑張ったり、沢山の人とキルタンを歌う時間は格別です。

食事の時間には、床に座って頂きます。ターリーと呼ばれる大きなプレートが配られて配膳を待っていると、修行僧の方が大きなバケツいっぱいに入ったお食事を、一人ずつ、それぞれのプレートに配って下さいます。メニューは全てベジタリアン料理です。玉ねぎやニンニクなど、刺激性の食材も使いません。とてもピュアな野菜のみを使ったお食事ですが、とっても美味しいです。ちなみに日本で食べるインドカレーとは、全く違うお料理が出てきます

北インドでは他人が口を付けた食器は不浄とされます。そのため、スプーンは用意されずに手で頂きます。スープ料理さえ上手に手ですくって食べるのですが、私には到底真似できませんでした。食事は静かに感謝しながら食べて、食べ終わったら自分で食器を洗ってお返しします。自分の身体に良いものを意識して食べる、ちゃんと自分で片付ける、全てがカルマヨガです。

ヨガのコースを受けたい人が集まる学校

全米アライアンスを取得できるヨガスクールが沢山ある
全米アライアンスを取得できるヨガスクールが沢山ある

現在のリシケシには、全米アライアンスを取得できるヨガスクールが沢山あります。短いと約1カ月で200時間、3カ月くらいの滞在で500時間のコースを受けることができます。生徒の多くは外国人で、クラスは英語で行われています。コースを受ける生徒は、スクールごとにある宿泊施設に泊まり込みでヨガを学びます。

1日のスケジュール

例えば、私が受けたコースの1日のスケジュールは以下のようになっていました。

06:30-08:00プラーナヤマ・瞑想・マントラ
08:30-10:15アーサナ
10:30-12:00朝食・自習
12:00-13:30座学
14:00-15:00ヨガニドラ
15:00-16:00ワークショップ
16:00-18:00アーサナ
18:30-19:30夕食
19:30-20:30自由時間
20:30-21:30瞑想

(参照:200 Hour Yoga Teacher Training in Rishikesh)

このように早朝から夜まで、休む時間が全くありません!朝から晩までヨガに没頭する生活です。

スクールごとに違うので、もう少しゆっくりできるスクールもありますが、全米アライアンス200時間を1カ月で目指す場合には、ほとんど観光や遊ぶ時間は無いと思った方が良いでしょう。

プラーナヤマのみなど、一部に特化したコースもあります。期間も数日から長くても2週間くらいで、もう少し気楽に受けられます。

ドロップインで受けられるクラスも充実

リシケシはヨガ教室が充実していて、有名な先生のいる教室も沢山あります。

アイアンガーヨガ、アシュタンガヨガ、シヴァナンダヨガ、クンダリニーヨガ、OSHOヨガなど、様々なヨガが全て徒歩圏内に集まっているのです。1日にドロップインで3~4クラス受けるような人もたくさんいらっしゃいます。おもに外国人向けですが、ほとんどが1000円以下のリーズナブルなクラスなので、最初に色々な先生を試して、気に入った先生のところに通う人が多いです。

尊い出会いにあふれるヨガ生活

リシケシは初めて出会った人であっても、ヨガを練習する仲間
リシケシは初めて出会った人であっても、ヨガを練習する仲間

リシケシでヨガをおススメする一番の理由は、人との出会いです。本当に沢山のヨガ教室があり、ヨガマットを持ち歩いた人であふれています。ドロップインでクラスに行くだけでも、同じクラスを受けた外国人の方と仲良くなることがあります。

リシケシに集まる外国人の多くは、何年も通い続けている人が多く、良いヨガクラスの情報やカフェ情報は、基本口コミで伝わります。始めて会った人であっても、ヨガを練習する仲間。すぐに親しくなれるのはリシケシならでは。

長期でのコースを受けると、一緒に練習した仲間は宝物になります。私も、最初にコースを受けてから6年になりますが、その時に出会った仲間の中には、今でも親しくしている海外の友人が何人もいます。世界各国から生徒が集まってくるので、考え方の違いに驚くことも多いのですが、助け合って学ぶことで個性の違う仲間が本当に恋しくなります。

リシケシでは、肉・アルコールは禁止

ヒンドゥー教で牛は神聖な生き物
ヒンドゥー教で牛は神聖な生き物

リシケシは沢山の外国人の集まる場所であり、ヒッピーのような身なりの人がたくさん歩いていますが、インドの人にとってはガンジス川沿いの聖地です。川沿いのエリアでは、肉・魚・アルコール類が禁止されています。卵は場所によっては手に入りますが、ヨガのコースを受けている人は基本的には食べません。

ヨガのコースを受けている時は、インド料理が中心になると思います。リシケシでのインド料理は、それほど辛くも重たくもなく、わりと食べやすい方です。アーユルヴェーダに合わせた食事を提供しているカフェもあり、とても優しい味の料理を提供しています。

インド料理に飽きてくると、外のカフェでコンチネンタル料理を食べている人も多いです。少ないですが、和食を提供してくれるカフェもあります。

インドに慣れないうちは、急な食生活の変化で胃腸の調子を崩す人もいます。特に、辛いものとオイリーな食事には気を付けましょう。ローカルな食事だと、食中毒になってしまうこともあります。最低限気を付ける必要はありますが、安全で胃に優しい食事を提供するカフェも増えてきているので、食べ物にはあまり困らないと思います。

ぜひ、本場の聖地を味わって!

初めてのインドですと、何をどうしていいのか分からないですよね。一番のおススメは、泊まり込みのヨガスクールのコースに申し込むことです。デリー空港からの移動などの相談にものってもらえます。

短期間で行くときには、空港からタクシーを貸し切ってしまうのが一番安心です。電車移動だと、デリーの市内に一度出ないといけないので、かなり体力を消耗してしまいます。

始めて行くときにはハードルが高く感じますが、現地に着くと、とてものんびりしていて過ごしやすい場所です。カフェなどにいけば、すぐに知り合いができるので積極的に情報交換をしましょう。英語が苦手でも、片言の英語でも一生懸命聞いてくれる人が多いです。

インドでの経験も、自身の“ヨガの道“と考えているなら、ぜひリシケシへ! 違う境遇から集まった沢山のヨギーの集まる場所は、必ず人生のヒントをも与えてくれると思います。

(写真:筆者撮影)

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