記事の項目
素材を感じる。バランスをとる。
このスープのポイントは、お豆腐を手で割り入れること。私はお味噌汁の時も手で割り入れるのが好きです。その割ったザラザラな断面に味がしみ込みやすく、手でしっかりお豆腐の感触を楽しめるのも好きなのです。舌からだけではなく、手からも味わいを満喫します。さらに身体をクールダウンさせる要素のあるアボカドに火を入れることによって冬にぴったりのバランスになります。
お豆腐とアボカド入り味噌チリスープ
材料1
- お豆腐
- ひよこ豆水煮
- お好みの出汁(またはお水とハーブソルト)
- ローリエ
- アボカド(2〜3cm角くらいに切る)
- パクチー(ざく切り)
- 粒黒胡椒(お好みで)
材料2:最初に混ぜ合わせておく材料
- パラペーニョペッパーパウダー
- チリパウダー
- 塩
- 味噌(少々)
作ってみよう
-
鍋にひよこ豆の水煮、出汁を入れる。お豆腐を手で割り入れ、ローリエを加えて弱火にかける。
-
熱が加わってフツフツとしてきたら材料2の調味料を加えて好みの辛さと塩加減に整える。
-
アボカドを加えてさっとひと混ぜし火を通す。アボカドの色合いが鮮やかに美しくなったらすぐに火を止める。
-
器に盛り付けパクチーを散らす。お好みで粒黒胡椒を包丁の柄などで砕いて散らす。
ちょっと一工夫
- お豆腐は絹ごしでも木綿でも。お好みで選んでください。
- チリパウダーは香り付け(辛味が強い『チリペッパー』とは種類が違うスパイスですので注意してください)、辛味はパラペーニョペッパーで調節してください。
パクチーとアボカドの緑色を生かす器を
全てを緑に揃えるのも大好きな組み合わせです。
シルバーだとクールなイメージに。どこか懐かしい昔ながらのカレー皿は、フラッと入った古道具屋さんで出会いました。熱いスープ類を入れると、油断して触って「あちちっ!!!」となるので刺激が欲しい方にはオススメ?です。
ターコイズの器は、私にとってとても落ち着く配色です。
黒はシックに。全体が引き締まる上に緑と白のコントラストが美しいですね。味わいはエキゾチックですが、『和』の空気感をまとっています。
全てはバランス
この世の中は全てが『陰』『陽』で成り立っているという説があります。たとえば月(=陰)と太陽(=陽)。女性(=陰)と男性(=陽)。これら『陰』『陽』はつねに隣り合わせで共存していて、『陰』だけでも『陽』だけでも存在し得ません。
たとえば私。女性性として命を授かり存在していますが、父と母と両方からの命で存在しているので、男性性も持ち合わせています。比較的『女性性』のエネルギーが大きいので女性として存在しています。絶妙な『陰陽』のバランスのもと、存在しているのです。
そして食物素材たちにも『陰陽』があり、様々な定義があります。それらの中の一つに、体を冷やす性質を持つものは『陰』であり温めるものは『陽』である、という定義があります。『陰』の中でも、比較的『陰』のエネルギーが強いものと弱いものなど、『陰』『陽』それぞれの中でもバランス具合が違ってきます。
レシピの中の『陰』と『陽』
上記の定義に沿ってこのお豆腐とアボカド、ひよこ豆、スパイスを分類すると、実はこれらの食材は体を冷やす『陰』寄りの食材。そのまま頂くには、冬には向かない食材たちです。そこで『味噌』『火を入れる』という『陽』のエネルギーを注入することで全体のバランスをとっていきます。一年中楽しめるこちらのスープですが、冬場は体を温める『陽』のエネルギーを持つ味噌を多めにし、夏場は逆に体を冷やす『陰』のエネルギーを持つスパイスを多めにしましょう。
そんなバランスを楽しめる、奥が深い一品です。『この食材は陰陽どっち??バランスをとっていくにはどんな風に調理する??』ということをちょっと意識しながらごはんを作っていると、お料理することはとても自然の理にかなっている、バランスをとる行為なのだと感じることができます。