新緑の中で両手を伸ばして上を向いている女性

春もすっきり!五月病予防に片鼻呼吸はいかが?

春は新しい気持ちでスタートできる季節

季節は春です。新しい環境や人間関係に慣れるために、なにかと気の張る日々を送っている方も多いのでは。

「気の張る日々」それはすなわち心身が緊張状態にあるということを意味します。適度な緊張は精神を研ぎすませ、危険を回避しなければならないような状況ではプラスに働きますが、一方で、どんな人にとっても、そういった緊張状態を長く保って生活していくことは、あまり心地良いとは言えず、難しいのではないでしょうか。

ふとした時、例えば休日などにどっと疲れが出てやる気を失ってしまうと、冬の寒さから解放された安心感もあいまって、家の中でゴロゴロと寝過ごすしてしまうことも。せっかく伸びやかに過ごせる暖かな日差しがあるのに、なんだかもったいない休日の過ごし方な気もしてしまいます。

日本は新年度のスタートが4月始まりということもあり、新しい学校や仕事、新しい環境に馴染むことに一生懸命取り組んだこの春には、想いっきり太陽の光を浴びて、新しいエネルギーをチャージしたいものです。

「気を張る」とは?

オフィスのデスクで頭の後ろに手を当ててリラックスしている女性
気を張ってばかりでは疲れてしまいますね。リラックス、リラックス!

ところで「気を張る」ということは、一体どういうことなのでしょうか。中医学的には

「気」=「エネルギー」「気持ち」「心」

という意味合いを持ちます。

「気が張っている」というのは言葉どおり、その「気」が皮膚、鼻、口といった体の表面をバリアするように覆い、ウイルスや細菌から守る働きをすると言われています。免疫機能とも言い換えることができます。

その逆に「気が緩む」、つまり緊張から解放されて「気が抜けた」状態になると風邪などのウイルスに感染しやすくなるのです。また食欲不振や不眠など、いわゆる五月病の症状に悩まされることもあるかもしれません。

「病は気から」という古くからの言葉でもわかる通り、「気」は体調にも大きく影響するのです。「気」によって緊張状態や体調不良を引き起こすのであれば、そのアップダウンをなるべくニュートラルにしておきたいものです。

ヨガの呼吸法は自律神経に働きかける

そこで注目なのが、ヨガの呼吸法(プラナヤーマ)の実践です。つまり呼吸によって「ニュートラルな状態を作る」のです。

「ニュートラルな状態」というのは、自律神経を構成する交感神経と副交感神経のどちらにも偏っていないバランスのとれた状態のこと。「気が張る」状態はイコール興奮状態であり、交感神経が活発に動いていることになります。呼吸は浅く、息切れや発汗も感じるような、エネルギッシュな様子です。そんな時に、反対の要素である副交感神経をコントロールしてリラックスできたら、「ニュートラルな状態」へ導くことができます。

片鼻呼吸法を練習してみよう!

右の鼻腔を親指でおさえて左鼻だけで呼吸をしているポニーテールの女性
副交感神経に切り替えるために左の鼻腔だけでゆっくり呼吸を繰り返します

副交感神経を司るのは、左の鼻腔です。左の鼻腔のみを使った呼吸に意識を向けて何回か繰り返すことで、副交感神経におだやかにスイッチが切り替わるでしょう。

左の鼻腔での片鼻呼吸のやり方

  1. 安定した姿勢で背筋を伸ばして座る(椅子でも座位でもかまいません)
  2. 目を閉じて口元も閉じる
  3. 右手の親指で右の鼻を抑える
  4. 左の鼻腔だけでゆっくり吐いたり吸ったりを数回繰り替えす

気張った状態を落ち着かせる時だけでなく、イライラしたり頭に血が上ったりしたような時にも効果を発揮します。

そろそろ環境や仕事にも慣れて、ふっと気が抜ける時期。心身の疲れを溜め込む前に、そして気が抜けて風邪などで体調を崩す前に、日々出来ることで解消していく。そうすることで、自分自身が無理をせずにありのままで過ごせるのではないでしょうか。ぜひ活用してみてください。