これまで、ハーブティーの香りと色についてお話してきましたが、次はハーブを飲むことによって期待できる効果について解説していきます。
心に働きかけるハーブティー
ハーブティーをカップに注いで口元に近づけた時に、カップから立ち上がってくる香りに幸せな気分になることがありますね。香りをかぐことで、ハーブの持つ精油成分が鼻から吸収されます。この香りは嗅覚の神経経路を通過して脳まで届けられ、アロマテラピー効果が期待できます。
アロマテラピーとは
精油の香りを嗅ぐことで、嗅覚を通って香りの信号が大脳辺縁系から視床下部に伝えられ、自律神経を整えて身体の機能を調整する自然療法のこと。
嗅覚の感覚はその他の感覚と違い、刺激が直接的に大脳辺縁系に伝えられて身体を直接的に調節するという特徴があります。香りで心地よさや逆に不快を感じたり、いつかの記憶が蘇ってきたりすることがあるのはこのためです。
体調を整えて症状の緩和にも
さらに、ハーブティーの中にはビタミン、ミネラル、フラボノイド、タンニンなどの水溶性の成分が溶け出しており、それらは消化管から体内へ吸収されます。
これらのように、ハーブティは心と身体の両方に自然の恵みを与えてくれるお茶と言えます。そのため、それぞれのハーブが持つ効果を良く知って活用することで、体調を整えたりつらい症状の緩和も期待できますね。
医師が治療のために使うこともありますが、このように薬効成分を持っている飲み物なので、それぞれの特性をきちんと知って自分にあった利用を心がけるようにしましょう。
※持病をお持ちの方や妊娠中の方には向かないハーブがあります。事前に主治医に確認してから楽しみましょう。
どんなハーブを選べばいい?
ご自身の心と身体を癒すために、また悩みを改善させるためにハーブティを利用する際、どんなハーブを選べばよいか。それを知るためにはまずご自身の心と身体を知ることが大切です。今の心と身体の状態を観察してあげるところからスタートしましょう。
例えば頭痛を感じた時。その原因が何なのか?寝不足によるものか風邪のひき始めか、花粉症の症状のひとつかもしれません。またストレスで緊張状態が続いているために痛みが生じているのかもしれません。
様々な原因によって、選ぶハーブも変わってきます。
瞑想によってハーブを選ぶ
ヨガで行う呼吸調整や瞑想の時間のように、まずは呼吸を整えて、今の自分を観察して、内側の状態を知っていくことからスタートしていきましょう。
症状に合わせて飲みたいハーブが決まったら、まずは単品で楽しめるシンプルズティーから始めてみましょう。紅茶を飲む時のように単品で煎れていただけばいいので簡単ですが、実はこの飲み方がとても大切です。
シンプルズでご自分の好きな香りや味、特徴をしっかり把握していると、次のステップとなるブレンドティーの楽しみ方が変わってきます。
ブレンドの方法
薬効を合わせる方法 | 味や香りが豊かになるのと同時に、同じような効果が期待できるハーブを組み合わせることで薬効を高める |
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同種のハーブを合わせる方法 | ミント系、タイム系など |
親子のブレンド | 例えばローズとローズヒップ |
紅茶にハーブを加える方法 | 例えば紅茶にローズマリー |
皆さんはどんなハーブを選びますか?まずは心地よく座れる姿勢で目を閉じ、短い瞑想をするように、今のご自身が求めているハーブを見つけるように、「今」の心と身体の状態を確認していきましょう。