記事の項目
心の窓でもある「眼」を酷使していない?
世界規模で社会を大きく変えるきっかけとなっている新型コロナウィルスの影響で、わたしたちの日々の生活も多かれ少なかれ変化が出ている2020年。
毎日発信される莫大な情報が目に飛び込み、ただでさえスマートフォンの普及やパソコンによる仕事の処理が増えてきていた現代において、さらにこの新型コロナウィルスの影響で、目を酷使して疲れを感じている方も多いのではないでしょうか。
眼は心の窓
そんな古くからの言葉があるくらい、心身の状態や、その人の内面すらを表してくれる眼。眼は身体に多くの影響を与えています。
ヨガにおいても、ドリシティ(視点)を重視し、今の心と身体のバランスを知り、よりよく整えていくためにも眼の役割は大きいものです。
このように大切な役割を果たしている眼を、わたしたちは普段の生活の中で気づかないうちに酷使しています。
エネルギーの強い光・ブルーライト
テレビやパソコンはもちろん、携帯電話やゲーム機の普及、駅の券売機など、町中に溢れているのが、デジタルディスプレイ。電車の吊り広告も、テレビ画面でのコマーシャルの放映が多く見られるようになってきました。
こうして今では、生活の中で、常にこのデジタルディスプレイを見続けている状態といっても過言ではありません。
人生の時間の流れに置き換えても、YouTubeを赤ちゃんや子どもが楽しむなど、小さい頃からかなりの長時間、デジタルディスプレイに接しているとも言えます。
今、このデジタルディスプレイから発されているブルーライトによる眼、そして身体全体への影響が懸念されています。
ブルーライトとは
可視光線の中で最もエネルギーが強く、眼の奥の網膜にまで届いてしまう青色光のこと。ブルーライトは目の奥で錯乱しやすいため、目のチラつきや眩しさなどを感じ、これが眼精疲労の原因となるといわれています。
ただの電灯やブラウン管テレビなどには少なかったブルーライト。デジタルテレビやゲーム機器、携帯端末など、バックライトにLEDを使うデジタルディスプレイの一般への普及により、接触する機会が爆発的に増えてきています。
身体全体の不調に関係している光
2012年に入って、眼科医や医療分野の専門家たちによる研究会が設立され、眼や人体に対して、ブルーライトがどのような影響を与えるのか、本格的に研究が始まりました。[1]
どんな人にとっても、パソコンや携帯電話を長時間見ることで「眼が疲れたな」と感じた経験があると思います。この眼精疲労のもとがブルーライトなのです。眼が疲れるからよく見えるようにと、ディスプレイを明るくしてしまうと、明るければ明るいほどブルーライトが強くなるので、ますます眼精疲労を招いてしまいます。
さらに、眼球の中にあるブルーライトを感知する部分は、生体リズムに関係しています。1日じゅうパソコンに向かっていたり、夜遅くまでディスプレイを見ていたりすることで、体内時計が狂うなど、睡眠障害にもつながってきます。
また、多くの人が経験している、肩こりや腰痛。この大きな原因のひとつとして眼精疲労が挙げられています。眼の疲れが脳を通じ、骨盤を緊張させ、肩こりや腰痛が出てきてしまうのです。
画面を見る時間を調節してヨガも上手に活用
先に述べたように、社会の変化などからも、すでに多くの人がスマートフォンやタブレット、パソコンがなければ仕事ができないような環境にいます。
仕事を離れても、携帯端末やテレビ画面など、子どもからシニアまでたくさんの人がブルーライトにさらされているという現実があります。そこで、眼が疲労しきるのを事前に予防することが大切です。
- 眼を閉じて瞼に蒸しタオルを当てる
- 時間を決めて立ち上がって軽く体操(ヨガやストレッチ)する
- ディスプレイ自体にブルーライトをカットするフィルムを貼る
- ディスプレイ用のレンズを使用したメガネで眼の負担を軽減させる
ブルーライトから眼を守る方法として、ヨガも活用しながら血行を促進して、眼精疲労とそこからくる身体の緊張をやわらげたり、フィルムや眼鏡を活用したりするのも、予防にはとても有効ですね。
眼の疲れを癒す簡単ヨガ:うさぎのポーズ
効果
頭頂部のツボ(百会/ひゃくえ)に刺激を与えて眼の疲れを解消します。百会は、肩こりや頭痛、自律神経を整えることにも効果があります。
ポーズのやり方
- 正座の姿勢から両手を床に置き、吐きながら前屈しておでこを床につける
- 吸いながら両手をおしりの方へ流し、吐きながら背中で両手を組む
- 吸いながらおしりを天井の方へ上がるところまで引き上げ、登頂を床に置く
- 首に体重がかかりすぎないようにお腹を引き上げながらそのままゆっくり5〜10呼吸する
- 吐きながらおしりを踵の上におろしてひと呼吸する
- 吸いながら背中を丸めて上体をゆっくり起こす
- 吐きながら自分自身ににっこり微笑みかける
注意事項
- 首に痛みのある方は無理しないようにする
- 両手は床の上のままでおしりを上げてもかまいません
- 組んだ両手が天井の方に上がる方は注意しながらいけるところまで上げてみる
- 呼吸に合わせてゆっくり動き、呼吸がスムーズに心地よくできるところまででやってみましょう
ここまでで、悪者の印象の強いブルーライトですが、日中にブルーライトにあたると、
- 時差ボケなどで狂った体内時計を上手にコントロールできる
- 集中力や仕事の効率を増す
という利点の報告もあります。
ブルーライトの見過ぎから大切な眼を守るのと同時に、状況に合わせて上手に使うことができるようになると、強い味方になってくれるかもしれませんね!