自分を客観的に把握するセルフモニタリングのすすめ・下半身編

自分を客観的に把握するセルフモニタリングのすすめ・下半身編

前回、上半身のモニタリング方法を紹介しましたので、今回は下半身のモニタリング方法を紹介したいと思います。

まずは、セルフモニタリング時のポイントをおさえる

その前にモニタリングをする時のポイントについて触れさせてください。モニタリングはヨガの前後で行うのですが、モニタリング時の立ち位置は、ヨガの前後で変えないようにしてください。

立ち位置が変わってしまうと、例えば、前回紹介した脊柱のツイストテストなどでは、その可動域の目安となる、視覚対象物がズレ、再現性が低くなるからです。

自分を客観的に把握するセルフモニタリングのすすめ・上半身編

もし、長期的に身体の変化をモニタリングしたければ、写真に残すのもおすすめです。変化をとらえやすくなります。ただ、この場合も撮影時の立ち位置は変えないようにしましょう。より正確にモニタリングしたいのであれば、撮影時の服装、またカメラの位置も同じにすると良いですね。

早速、下半身の状態をセルフモニタリング!

では、ここからはいよいよ下半身のモニタリング法になります。ぜひ参考にして、取り入れてみてください。

1:ASLR(active straight leg raise)

<わかること>

  • ハムストリングスの柔軟性
下半身のセルフチェック:ASLR
下半身のセルフチェック:ASLR

<方法>

  1. 仰向けに寝ます
  2. 片方の脚を、膝を伸ばしたまま上げます

上げている側の膝が曲がらないように注意します。もう一方の脚は、床から離れないようにしましょう。90度以上、上がればハムストリングスの柔軟性は十分にあると言えます。反対脚も同様に。

2:膝曲げテスト(エリーテスト)

<わかること>

  • 大腿四頭筋(大腿直筋)の柔軟性
下半身のセルフチェック:膝曲げテスト(エリーテスト)
下半身のセルフチェック:膝曲げテスト

<方法>

  1. うつ伏せに寝ます
  2. 片方の膝を曲げてかかとがお尻に当たるまで曲げます

かかとがお尻に当たるまで膝が曲がると大腿四頭筋の柔軟性は十分と言えます。かかとがお尻に当たらない人や膝を曲げた時に腰が痛くなる人は大腿四頭筋の柔軟性が不十分と言えます。

3:ももの引き寄せ(トーマステスト)

<わかること>

  • 腸腰筋の柔軟性
  • 股関節屈曲可動域
下半身のセルフチェック:ももの引き寄せ
下半身のセルフチェック:ももの引き寄せ

<方法>

  1. 仰向けに寝ます
  2. 片方の膝を両手で抱え込み、胸に引き寄せます。この時、抱えていない側の膝は伸ばすようにします

股関節屈曲の可動域が不十分だと、膝が胸に当たるまで引き寄せることはできません。また、膝が胸に当たることが可能でも抱えていない側の膝が曲がり、浮いてしまう場合は抱えていない側の腸腰筋の短縮が考えられます。

4:股関節内転筋柔軟性テスト

<わかること>

  • 股関節内転筋群の柔軟性
下半身のセルフチェック:股関節内転筋柔軟性テスト
下半身のセルフチェック:股関節内転筋柔軟性テスト

<方法>

  1. あぐらで座り、足の裏同士を合わせます
  2. 両膝を床に当てるように開きます

理想は膝と床の隙間が、拳ほどになることです。そこまで股関節を開くことができない、そもそもあぐらで座れない人は股関節内転筋群の柔軟性低下が考えられます。

5:しゃがみ込みテスト

<わかること>

  • 足関節の可動域
下半身のセルフチェック:しゃがみ込みテスト
下半身のセルフチェック:しゃがみ込みテスト

<方法>

  1. 両足を腰幅くらいに広げて立ちます
  2. 両膝を手で抱え込みお尻がかかとに当たるまでしゃがみ込みます

お尻がかかとに当たるまでしゃがみ込めたら十分な可動域があると言えます。お尻とかかとが当たらない、しゃがみ込みの途中で膝が痛くなる場合は足関節の可動域が不十分だと言えます。

より詳しく見ていきたい場合は、マットを折り畳んでその上にかかとを乗せてしゃがみ込みます。これでもしゃがみ込みできないのであれば足関節以外の部位に問題があると言えるでしょう。もし、これならしゃがめたという場合も、足関節の可動域はかなり低下していると言えます。

今回は、下半身のモニタリング方法を紹介しました。これらのテストを全部やってしまうととても時間がかかりますので、クラスの目的によってどのテストをすれば良いのか選択してください。