医師・有田秀穂×アーユルヴェーダ専門家・福田真理:コロナが教えてくれること Vol,3

医師・有田秀穂×アーユルヴェーダ専門家・福田真理:コロナが教えてくれること Vol,3

不安や恐怖に負けない、安心力の高めかた

有田先生×真理先生インタビュー
今回は「不安や恐怖に負けない、安心力の高めかた」について

じぶんの意思ではコントロールできないような問題に直面したとき、わたしたちは、強い不安や恐怖を抱きやすくなります。有田先生と真理先生の対談企画・ラストは、それぞれの見地から、この恐怖や不安に心が支配されないようにするための具体的な方法について、伺いました。

医師・有田秀穂×アーユルヴェーダ専門家・福田真理:コロナが教えてくれること Vol,1

医師・有田秀穂×アーユルヴェーダ専門家・福田真理:コロナが教えてくれること Vol,2

内に秘めた可能性“セロトニンとオキシトシン”を活性化

セロトニンとオキシトシンについて語ってくださる有田先生
セロトニンとオキシトシンについて語ってくださる有田先生
不安をゆるめるために不可欠なのが、セロトニンとオキシトシンという脳内ホルモンです。これは、誰もが本来備えている“元気”と“幸せ”をつかさどる物質でもあります。これらをきちんと分泌する日常生活を送ることが、心の安定につながることは医学的にも明らかです。

具体的に何をしたらいかというと……

癒しのホルモン“セロトニン”の活性法

  • バイオリズムに沿った暮らしをする
  • 23時前には就寝。6時頃に起き、起床後は太陽の光を浴びる

  • 太陽を浴びながらリズム運動
  • 呼吸法、ウォーキング、朝食での咀嚼運動……など

幸せホルモン“オキシトシン”の分泌法

  • 人とのふれあい
  • テレビ電話でもいいので、“人と顔を合わせて”のおしゃべり
    (家族など一緒に住んでいる人とのハグやマッサージなどのスキンシップもとても有効)

たったこれだけのことで、ストレス中枢をしずめることができるんですね。

なお、オキシトシンを産生する神経はストレス中枢の隣にあります。ストレス中枢は、精神的、肉体的にかかる過度な負担に反応してコルチゾールというストレスホルモンを全身に放出。

免疫を抑制したり、血圧や血糖値を上げ、病気のリスクを高めてしまうんですが、このストレス中枢をしずめる機能が、そのすぐそばに、ちゃんと備わっているんですから、これほどありがたいことはありません。人間の身体はうまくできているんですね。

先にもお伝えしたとおり、人と人との“顔を合わせた”触れ合いがオキシトシンの分泌に有効ですが、その時間は短くても構いません。1日たったの30分でもいい。大切なのは、日常的に、そういう時間をつくることです。

自粛生活中、ひとり暮らしのかたは、テレビ電話を活用して、家族や仲間など身近な人たちと、会話をする時間を作ってみましょう。それだけで不安がやわらぎ、心が和んでいくはずです。

有田秀穂吹き出し画像
有田秀穂吹き出し画像

五感を癒して、分離からワンネスへ

有田先生×真理先生インタビュー
ワンネスとは、すべてはひとつにつながっているということ。
福田真理吹き出し画像
福田真理吹き出し画像
アーユルヴェーダでも、相手の声を聞いて、表情をきちんと目で見ることが重要だと考えています。ようは五感を心地よく、適度に活性化する時間が大事だということですよね。

また、じぶんに適した食事をとること、プラーナに溢れた食材をチョイスすることも、アーユルヴェーダでは大切にしています。それらも五感にふれるものだからです。

いっぽう現代社会では五感をものすごく酷使していますよね。街の雑踏、大気の汚染、ケミカルな食事、電磁波……など、そうするとどんどん、本質から分離していきます。

よくスピリチュアルな世界では“ワンネス”なんて表現をしますが、本当にそのとおりで、本来は身体も心も精神も、エネルギーも、他者も、自然もすべてはひとつにつながっているんですよね。

それが五感を酷使して、意識がどんどん外側に向いていくにつれ、多くの人々がエゴの声ばかりに耳を傾けるようになり、いつの間にかワンネスを感じることができなくなってしまったんだと思うのです。

そうしてつながりが途絶えていくと、不安や恐怖が増幅。あらゆる状態が不調へと傾き始めます。そういう意味でも、質のいい食事や運動、睡眠にくわえて人とのかかわり、つながりを感じられる時間はとても大事ですよね。

いまは、こうしたことを見直せる“静かな時間”を誰もが手にしましたが、それはまさに分離からワンネスに戻ることの重要性を、コロナが教えてくれているんじゃないかと感じています。

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