皆、「自分はこういう人」という役を演じている、その役を無くしていけばいいんだよね。ヨガスートラではそんなことが書かれているじゃない?私は人生の時代に合わせていろんな服を着てたなって思うの
笑顔でそう話してくれたのは、あの美しすぎる太陽礼拝の人:ヨーコ・フジワラ先生。新型コロナウィルスの影響で今年の来日は延期となり、現在オンラインでのワークショップやクラスを開催して頂いていますが、どのクラスも大好評。嬉しい感想が続々と寄せられています。
オンラインはもちろん、来日時はたくさんの方が「一目ヨーコ先生に逢いたい!」とスタジオはいっぱい!たくさんの人で溢れかえっています。(昨年のレッドクラス、駒沢大学店の廊下で受けた、べーです。こんにちは。)
そんなヨーコ・フジワラ先生ですが、これまで一体どんな人生を歩んできたのか、皆さん気になりませんか?今回、ヨガジェネレーションでは、ヨーコ・フジワラ先生の人生を赤裸々にお話して頂き、3本の記事にまとめています。お楽しみください!
手がかからない、大人しい子だった幼少期。7歳で母の死を経験
さっそくですが、ヨーコ先生はどんな子供でしたか?
一番子供の頃の話で笑われるのが、「泣き虫だった」っていう話。家族の中や親せきの中でも年齢が下の方なのね。だからいつも誰かを追いかけているの。「待って!待って!」って。だけど追いかけても追いかけても追いつかない。泣きながら追いかけている感じ?それに、大人しくてあまり話さない子だったみたい。
え!?意外!(笑)
たぶん、本質的には大人しいんじゃないかな。どちらかというと手がかからない子だったって言われるね。
へぇ…←あんまり信じていない。
特に幼稚園入るくらいかな?その頃から母は病弱で、入退院を繰り返してて、父は仕事が忙しくて家にたくさんいる人じゃなかったのね。だから、家にあまり家族がいなかったかなぁ。結局、7歳のときに、母が死んじゃったのね。
それは…早いですね。
そうね、だから、その頃の話を親戚がすると、「ヨーコはよく泣いてたよね。お母さんが死んだときも…」って言う。でも、その頃からかな、「かわいそうなヨーコちゃん」っていう役割を自分で負ったんだろうね。子供なりに「自分はかわいそうなんだ」っていうことをすごく感じてたの。皆に「かわいそう、かわいそう」って言われるから「あ、やっぱり自分はかわいそうなんだ」って。
家の中はサバイバル。常に人の顔色を伺っていた
当時のことは覚えていますか?
覚えている部分もあるけれど、人間って辛いことがあると記憶って抹消してしまうんだろうって思う。7歳より以前の母がいたころの記憶ってないの。
思い出せない方がラクだったってことですよね。
そうそう。姉も幼いのに、妹の面倒見なさいって言われても嫌な日もあるじゃない?その態度を見て、また「あ。誰も私のこと好きじゃない」ってどんどんかわいそうな子になっていく。それから、2~3年経って、父が再婚して、12歳下に弟が生まれるんだけど。
12歳…それはそれで、びっくりですね。
うん、だけど、そこでようやく「お姉ちゃん」になったんだよね。だけど再婚同士だったから、家の中も色々あって。当時の家の中はサバイバル。(笑)
サバイバル!?
そう。ゴタゴタしてたから、私は私で色々とその様子を見ていて思ったんだろうね。「いい子にしていないといけない。」「あ、そういうことすると怒られるんだな」とかよく見ていて、いつもビビりながら生きてた。(笑)末っ子で、家庭環境が大きく変わって、弟が生まれることで、真ん中になったから、今度はほったらかしになるし、で。学生時代はずっと泣き虫だったね。悔しくても、何かあってもとにかく泣くの(笑)だけど、だんだん、つっぱり始めたのね。
自分じゃない誰かになろうと一生懸命だった頃。父に言われた一言
つっぱり?それってヤンキーなんですか?(笑)
うーん、そうじゃないの。悪くはなりきれない。結局そこは怖いんだよね。だから…なんていうのかな。かっこつけてるんだよね。見た目とか、言ってることとかが「かっこいい~」ってなることあるじゃない?周りを見てて、ちょっと悪いことする子がかっこいいみたいな。昔から洞察力がすごくあって、よく人を見てるの。こうすると人は喜ぶんだ、とか人気出るんだ、みたいなね。末っ子の特権だと思う。
わかる気がする!
だから、こうすると人気出るんだ、みたいなことをよく知ってるの。当時は、なりたい自分に一生懸命なろうとしてね。初めに言ってた、どんどん服を着ていってる状態だよね。自分らしくないことを言ってみたり、自分らしくないことをしてみたり。そうやって、皆の仲間に入っていきたかったんだと思う。
へぇ…なんかやっぱり意外かも…。
でも、そんなときに父に言われたことがあって。
お父さんですか?
そう、私、父とは仲良くて、尊敬しているんだけど。父は口数が少ない人だったんだけど、当時言われた一言があるの。今思うとすごく納得するんだけど。
どんなことですか?
「誰かみたいになるのは簡単だけど、自分に戻るのは難しいんだからね。」
って。どのタイミングで言われたかも覚えていないんだけど、すごく端的に言われた。父からも「ヨーコは背伸びして、一生懸命誰かみたいになろうとしているんだな」って見えたんだろうね。
めっちゃ本質的ですね。
私はずっと人に好かれる自分を探してたの。お母さんを早くに亡くして、家の中もゴタゴタしてたでしょう?家族も皆、自分のことでいっぱいいっぱいだったから。人に好かれるための自分を作り上げるのに必死だったのね。それが中高生くらいかな。
あなたはどんな子供でしたか?
同じ境遇ではなくとも、皆さんの人生を振り返ってみて、あ。自分にも思い当たるという心の中の葛藤はありませんか?
私も自分自身の学生時代を思い出して、少し懐かしくなりました。私は比較的、優等生でしたが、たまに隠れて悪さをしているような子でした。(成績は学年で2位なのに、家庭科室の水道管を壊して校長室に呼び出されるとか。笑)
皆さんもこれを読みながら、一度自分の子供時代を振り返ってみてはいかがでしょう?その時何を感じ、どんなことを思っていましたか?生まれたときは、ただ純粋な存在だったはずの私たち。1年2年と生きる中で、子供とはいえ、立派な社会があり、そのときを必死に生き抜いてきたはずです。泣き虫だったヨーコちゃんは、サバイバルのような家庭環境を生き抜き、そして学校という名の社会に出ました。ここから一体どんな人生を送るのでしょうか?
次回をお楽しみに。
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ヨーコ・フジワラ2022来日決定!