今よりももっと心地のいいヨガのために。ほぐすべきは指と耳!?

ポーズの中には気持ちよく呼吸ができるポーズもあれば、気持ちよさがわからない、呼吸が苦しいようなポーズもありますよね。今回は、東洋医学の知恵を生かした「指ヨガ」、「耳ヨガ」で体の詰まりを取る方法を紹介します。詰まりが取れ、内側から柔らかい呼吸が沸き起こりポーズが深まるのを体感してみて下さい。

指や耳への刺激で柔軟性アップ?

「指ヨガ」と「耳ヨガ」は指や耳を刺激することで全身に働きかけていく方法。「手・足・耳というひとまとまりの場所(部分)に、全身(全体)の情報がある(=部分即全体)」という東洋医学の考えに基づいています。体の詰まりを取ることで痛みがなくなったり、内臓の働きがよくなったり、関節や筋肉が軟らかくなってポーズが取りやすくなる効果が得られます。

今回は、ヨガのポーズの中でも、呼吸が苦しくなりやすい後屈、ねじり、側屈のポーズの関連部位を紹介。ぜひ、関連部位を刺激する前と後でポーズの心地よさ、呼吸の違いを感じてみて下さい。

後屈のポーズ

特に息がしづらい人が多い後屈のポーズ。中指を反らすシンプルな動きと、ヒジ下の、呼吸のツボへの刺激で苦しさから開放されましょう!

Point1 中指を反らすと背骨も反れる!

背骨を表すのは中指のライン。その中指を反らせると、背骨がしなやかに動くようになり、反らせやすくなります。

How to
中指の先端を持ち、手の甲側に3回ほど反らします。息をゆっくりと吐きながら、無理のない範囲で大きく反らしてみましょう。

Point2 呼吸のツボを押すとラクに!

ヒジの内側から指4本分のところに、押すと呼吸がラクになる呼吸のツボがあります。一番痛くて硬い部分を親指でしっかり揉むと、ウエストまわりが広がって呼吸しやすくなります。

How to
ヒジの内側から指4本分のラインと、親指の延長線が交わるあたり。真横よりも少し内側。硬さが緩むまで揉んでみましょう。

ねじりのポーズ

ねじりのポーズを深めるポイントは、背骨のしなやかさ。耳の裏側を軟らかくし、中指をねじることで一気に体のねじりが深まります!

Point1 耳裏ほぐしで背骨をしなやかに

耳ヨガでは、耳裏は背骨を表しているととらえます。耳裏全体が軟らかくなっていくと、背骨とその周辺もほぐれて動きやすくなり、さらに耳の内側は内臓と関連しています。

How to

  1. 背骨を表す耳裏の中心部に親指を当て、息を吐きながら揉みほぐします。周りの部分よりも硬くて、痛いところを見つけたら多めに揉みましょう。
  2. 耳の内側は内臓を表します。真ん中から下部にかけてが胸部を表しているので、痛いところを中心に揉みましょう。胸部がほぐれて呼吸しやすくなります。
  3. 耳の表裏がほぐれたら、耳を少し引っ張り、息を吐きながら耳を前後に大きくねじります。耳の上・中・下と持ち替え、数回ずつねじりましょう。

Point2 中指ねじりでツイストが深まる

背骨を表す中指を引っ張りながら左右にねじると、ねじり系のポーズがラクになります。引っ張ることで椎骨の間隔が広がり、ねじることで滞りがほどけていきます。

How to
中指をつかんだら、つけ根から引き抜くように引っ張りながらねじります。ねじる方向は、背骨をねじる方向と同じに。

側屈のポーズ

側屈の中でも苦手な人が多い三角のポーズ。妨げになりやすい腰の硬さと股関節の詰まりを取るために、中指と腕のつけ根にアプローチ!

Point1 脚のつけ根=腕のつけ根

腕のつけ根は、脚のつけ根の関連部位。腕のつけ根を触ると、コリコリした筋肉があるのがわかるはず。その硬い部分を揉みほぐしながら、腕を前後に回転させると、股関節もほぐれていきます。

How to
腕のつけ根のコリコリの痛い部分を、息を吐きながら揉みます。少しほぐれたら、腕を伸ばして、つけ根から前後にねじるように回しましょう。

Point2 側屈したい方向に中指を倒す

側屈は、背骨を倒すこと。側屈したい方向に背骨を表す中指を倒すだけで、側屈の深さが大きく変わってきます。息を吐きながら根元からしっかり倒しましょう。

How to
中指だけじゃなく、その隣の指も一緒に倒すと行いやすいです。吐きながらギューッと倒したら、吸って緩めて、吐いて倒す、を繰り返して。

いかがでしたか? 関連部位をほぐす前と後で、変化はありましたか? おうちでヨガをする機会が前より増えた人も多いはず。気軽にできる「指ヨガ」、「耳ヨガ」を取り入れて、じっくりとポーズを深めてみて下さい。

 

文:Yogini編集部

出典:『Yogini』vol.69/「きちんとヨガの呼吸」

教えてくれた人:龍村修
龍村ヨガ研究所所長、NPO法人沖ヨガ協会理事長。1973年に求道ヨガの世界的権威、沖正弘導師の内弟子に。導師没後、沖ヨガ修道場長を経て、’94年に独立。国内外でヨガの指導に従事。