緑豊かな公園にたたずむ福田真理先生

他人軸から自分軸へ。食事ひとつとっても、自分の感覚が大切 Vol.4

2018年、ジャイプールの瞑想センターでヴィパッサナ瞑想を体験した後、恩師であるDr.ラッド博士のクリニックでアーユルヴェーダのセラピーを受け、軽く栄養が欠乏していることがわかったわたしは、食の重要性を、改めて見直す機会をいただきました。

人間の肉体は、ほぼ水でできています。この体内の水分バランスが崩れると、むくみがでたり、水分が極端に足りなくなると脱水症状になることから、血液やリンパ液といった体液は健康にとって重要な役割を担っていることが理解できます。

この体液の循環を司っているのが細胞組織。そして弱った細胞組織を活性化するのが“食べ物から摂取できる栄養”だと、アーユルヴェーダでは考えます。

オーラに影響しない食事が、いま心地いい

インドの薬局にて
インドの薬局にて

栄養不足から月経不順気味になったわたしの場合、特に動物性タンパク質を意識して摂取することが体質改善の必須条件ということがわかりました。……ですが、いかんせんお肉は苦手。そこで、摂り入れたのが魚介系です。なかでも、人間のように赤い血液が出ない、エビ、イカ、カニ、白身魚……などをチョイスしました。

ちなみにアーユルヴェーダでは、お肉もお魚も、お野菜も、すべてが薬にもなるし毒にもなるという考えかたをします。なので、赤い血液が出ない食べ物に限定をしたのはわたしの個人的志向で、アーユルヴェーダに基づいたものではありません。

では、なぜ赤い血液の出ない食べ物をチョイスしたのかというと、オーラがよどまないと感じているからです。

オーラとは、肉体を取り囲むエネルギー体。生命場ともいわれ、オーラがクリアかつ整っているほど、生命エネルギーも活性化されていると考えられています。

このオーラは、あらゆる情報をキャッチし、また発してもいます。たとえば感情もオーラに影響を与える情報のひとつ。ネガティブ感情は、オーラの状態を低下させる要因です。

人のエネルギーを動かす仕事をするうえでも、食事からのケアは大切

インドではこんなにたくさんの薬草を目にるすことができる
インドではこんなにたくさんの薬草を目にるすことができる

わたしの仕事は、ただアーユルヴェーダの理論をお伝えするだけではなく、人の精神性やエネルギーを動かしながら、受講者がコアなところから真の癒しを得られるようサポートすることでもあります。

エネルギーを動かすというのは、自分のエネルギーと、生徒さんのエネルギーを相互に交換しているということでもあります。このとき、もしわたし自身のオーラに何らかかの問題があれば、それが生徒さんにも影響を与えかねません。一方、わたし自身のオーラが整っていなければ、人のエネルギーに影響されてしまう可能性も考えられます。

赤い血が流れる動物というのは、人間と同じようにとても強い感情をもっています。たとえば殺されたときの恐れ、そのエネルギーは食品に加工された後も残っていると、わたしは感じていて。それを日常的に摂取していると、少なからずオーラに影響が出てしまうのではないか。そんな風に思うのです。

いまのわたしは、自分自身のエネルギーをクリアに保つうえでは、身体に摂取する食事であっても、できるだけ波動が軽くて、高いと感じるものを、摂り入れたい。だから、いまは赤い血の出ないものをいただいていますが、今後、自分が変化していくなかで、また違う食べ物に心地よさを感じるかもしれません。

大切なのは外側の情報ではなく、自分の感覚

インドの薬局で出てきたチャイ
薬局でも宝石屋さんでも必ずチャイを出してくれる

どんな食事をいただくにしても、本当に自分が心地よい、あるいは楽しいと感じているのか。そこをとても大切にしたいですね。

これが絶対!こうしなければならない!ってがんじがらめになっているときって、なんだか、心に余裕がなくなってしまい、せっかくの食事も楽しめなくなってしまいますよね。

ヨガや、心身のクリアリングに興味を持ち始めていくと、食事の好みもずいぶん変わってくると思いますが、常に“自分が本当にハッピーかどうか”ということを意識したいですね。

たとえばベジタリアンに切り替えて、自分が心底幸せを感じているのなら、それだけでいいはずです。けれど、もし人の食生活まで気になり、ジャッジしはじめたら、心はハッピーではないですよ!というサイン。ヨガ的ではないかなって、思います。

五感を休ませ、ピュアな感覚を呼び起こせば、必要なものが見えてくる

五感を癒す5つのアーユルヴェーダ瞑想を取り入れた真理先生のクラスの様子
五感を癒す5つのアーユルヴェーダ瞑想を取り入れた真理先生のクラスの様子

ヨガの本来の目的は、いかに外向きの意識を内側へと向けていくのか。

食事をよりナチュラルに、ライトに、そしてクリアにしていくのは、意識を内側へ向けやすくするためでもありますが、大切にしたいのは、何を食べればいいのか、何を選択すればいいのか、と外に答えを求めようとする行動を、徐々に無くしていくことです。

外側の情報に振りまわされることなく、自分のフィーリングを大切にすることが、いまの自分にとって、本当に必要なものを知っていく機会になっていきます。食事ひとつとってもそうです。

客観的に自身の体調を把握し、必要な栄養素を知るというのは、あくまでもひとつの目安に過ぎません。誰かに教えてもらったり、自分よりも知識が長けている相手だからと、選択を委ねていると、いつまで経っても意識は外に向いたまま。

本当に自分とつながり、いまの自分が必要としているものを理解したければ、特別な何かをするのではなく、まずは何もしない時間をつくるのも、ひとつの方法かもしれません。瞑想など、心静かになれる時間をできるだけ多くとり、普段酷使している五感を休ませ、制限する習慣をつけるだけで、身体や心の本当の声に耳を傾けやすくなります。

そうすると、自分が何に本当は心地よさや、楽しさを感じるのか。そこがどんどん明確になってきます。意識が外に向いているときには、なかなかとらえることができない、ピュアな感覚です。

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