関節は無限に柔らかくなるの?
アサナをする哲学的な意味は、人の数だけ答えがあると思います。ですが、アサナをとる上で、誰もが決まっている身体の構造というものは、ある意味一つです。
生理的構造とでも呼んだらよいのでしょうか。骨の形、数、関節などの基本構造はみな同じなのです。
今回は、足首にフォーカスをしながら、ヨガ解剖学について触れていきます。
心を開くと足首がやわらかくなるのか?
ヨガスタジオで、何度か見かけた光景があります。
「もっと心が開いていけば、足首は柔らかくなるよ~」
というようなニュアンスで、生徒さんにインストラクターがアジャストしながら話しかけている様子です。
この場合の心が開くというようなニュアンスは、いったい何を指しているのか、僕にはわかりませんが、間違えではない気もするし、間違えているような気もします。
足首の構造
そもそも、足首という関節は、脛骨と腓骨が距骨と繋がれている場所を指すのですが(上記画像参照)、その動きは、つま先を持ち上げるような“背屈”というものと、車のアクセルを踏むような“底屈“というものが、大きな動きになります。(下記画像参照)
その骨に対して、複数の筋肉が付いて、精密機械のように身体をコントロールしているのが、「足首」、「距腿関節」と呼ばれるものです。
身体の無限の可能性について問うてみる
東洋医学は勿論、最近では西洋医学でも、心と身体の緻密な結びつきが大切であると言われています。それは疑いようのない事ではあるのですが、ここで考えたいのは「心が開けば、本当に生徒さんの足首は柔らかくなっていくのでしょうか?」ということです。
ヨガには、無限の可能性があるのですが、身体そのものの柔軟性も果たして無限にあるのでしょうか?
執筆:内田かつのり
鍼灸師。”薬だけでは治らない病気も沢山ある”という現実を身を持って体験した事をきっかけに、アメリカの栄養学である分子矯正医学という栄養療法を深めながら、ファスティング、酵素栄養学、ゲルソン療法(コーヒーエネマ)、漢方や整体術などを実践。更に、本当の健康とは何かを探している中で、ヨガに出会い、運動療法、精神療法というような代替医療としてヨガの可能性に魅せられて以来、ヨガそのものが暮らしの中に在るようになる。アヌサラヨガのマスターイマージョン、アヌサラ・インテンシヴコースⅠ・Ⅱ修了、UTLでのAMC/AMIC修了。現在、都内ヨガスタジオにて、解剖学短期集中講座やティーチャートレーニングに携わり、インストラクター養成にも力を注いでいる。