記事の項目
バンダを知ると呼吸もポーズも深まる!
ヨガを深めていくと、必ずと言っていいほど耳にする“バンダ”。バンダとは、「締める」、「制御する」という意味だが、これを使うと、呼吸やポーズはどのように変化するだろうか。
今回は、バンダの基礎知識、バンダを深めるポーズ、呼吸との関係について解説。バンダを知って、呼吸もポーズもさらに深めていこう。
バンダってどこにあるの?
五つのバンダを紹介しよう。よく聞く、ノド、お腹、骨盤底の他にも、手のひら、足の裏にもバンダがある。ポーズを取る時に意識すると、安定性や快適さが変わるはずだ。
ノド:ジャーランダラバンダ
ノドのバンダは、声帯や両側の胸鎖乳突筋に関係する。甲状腺や自律神経系に働き、リラックス効果や、ホルモンの調整を行う。一時的に呼吸を止めるクンバカでも使われる。このバンダを締める時は、軽くアゴを引く。
お腹:ウディヤナバンダ
腹部のバンダは、横隔膜や外肋間筋と関連する。ムーラバンダを締めると、腹部または胸部に圧がかかり、体内でエネルギーを循環させることができる。腹部を凹ませ、横隔膜を引き上げると、このバンダは感じやすい。
骨盤底:ムーラバンダ
肛門、または会陰部のバンダは、深層下腹部筋や骨盤底筋群に関係する。「ムーラ」の意味は根、基礎、足元。このバンダを締めると、自信やヤル気といった活力が生まれる。骨盤底筋群を鍛えれば頻尿、腰痛の予防もできる。
手のひら:ハスタバンダ
手のひらにあるバンダは、ハンドスタンドなど手のひらで体を支える時に重要。体の安定性やポーズの伸びを感じることができる。
足の裏:パータバンダ
足の裏のバンダは、ムーラバンダと関連すると言われ、大地に根を生やしたような安定感が得られる。
バンダと呼吸の関係
呼吸は、生命エネルギーであるプラーナを運ぶもの。プラーナの通り道をナーディーと呼び、その数は7万2000本あると言われる。このナーディーの中でも重要なのが、尾骨下のムーラダーラから頭頂のサハスラーラをつなぐスシュムナー管だ。このスシュムナー管が詰まったり細くなると、エネルギーが滞り、健康を崩したり、感情が不安定になると考えられている。
スシュムナー管を軸にして、左から始まるナーディーを「イダー」、右から始まるナーディーを「ピンガラー」と呼ぶ。「イダー」は女性性、陰のエネルギー、精神性(メンタル)を表す。
一方、「ピンガラー」は男性性、陽のエネルギー、身体性(フィジカル)の象徴だ。二つのナーディーは、螺旋のように七つのチャクラポイントを交差していく。
そして、ジャーランダラバンダ(ノド)、ウディヤナバンダ(腹部)、ムーラバンダ(会陰部)は、このイダーとピンダラーの交点に存在する。そのためプラーナ(≒呼吸)とバンダには、深い関係があると考えられる。
バンダを使うことで、呼吸を深め、プラーナを循環するヨガを実践してみてはどうだろうか?
バンダを感じるポーズ
『ムーラバンダ』:スカーサナ(安楽座)
タオルを丸めて、骨盤底筋群に当てスカーサナで座るとムーラバンダを意識しやすい。
『ウディヤナバンダ』:アルダマッツェンダーラーサナ(ねじりのポーズ)
ねじりのポーズは腹部のウディヤナバンダの締めつけを強化し、エネルギーをさらに高める。息を吐く時にお腹を凹ませて、横隔膜を引き上げることを意識する。ウディヤナバンダを締めると、ジャーランダラバンダにも刺激が加わる。
『ジャーランダラバンダ』:サーランバサルワーンガーサナ(肩立ちのポーズ)
ハラーサナから、脚を高く上げる。肩でマットを押し、お腹と太モモを引き締めて、つま先は天井に向ける。首の後ろは長く保ち、リラックス。アゴを胸に近づけると気道が確保され、楽に呼吸ができる。
3つのバンダを同時に感じる:アドームカシュワナーサナ(ダウンドッグ)
上記の3つのバンダを同時に感じることができるのが、ダウンドッグ。バンダの位置が逆転した状態で呼吸をすると、重力により、バンダが楽に引き上げられる。気持ちよく呼吸が巡るのを感じられるだろう。
たかむらまさ。ヨガの解剖学.com代表。鍼灸マッサージ師。柔道整復師、インド政府公認ヨガ療法士、IYCアシュタンガヨガTT修了。骨盤ヨガ、経絡ヨガ、筋膜リリースヨガ考案者。ヨガの解剖学のプロとしての講座が人気。東京、大阪、福岡を中心に全国で講座を開催。
モデル=waka
イラスト=マー関口
文=Yogini編集部