毎日2分の「戦士のポーズ」でストレスホルモン減少!自信が湧いて、人生まで変わる!?

毎日2分の「戦士のポーズ」でストレスホルモン減少!自信が湧いて、人生まで変わる!?

戦士のポーズの効果とされる「自信が湧いてくる」「前向きになる」というココロの変化は、本当に起こりうるのでしょうか?

今回は、2分間の力強いポーズを行った後に起こるホルモンの変化、行動の変化を検討した社会学の研究より、戦士のポーズの精神面の効果について考えていきたいと思います。

2分間の戦士のポーズで人生が変わるかも…?

自分が力強いと感じる時、自然と戦士のポーズになる

ウサイン・ボルト選手のゴール直後をイメージしたイラスト
ウサイン・ボルト選手のゴール直後をイメージしたイラスト

陸上競技でゴールテープを切った直後、1位の選手がこのようなポーズをするのを皆さん1度は見たことがあると思います。あの有名なウサイン・ボルト選手も2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得した際にゴールした場面で行っていました。

顔は斜め上を向き、両手を上げているこのポーズ、戦士のポーズIにすごく似ていると思うのは無理があるでしょうか?

競技で勝った時など自分に力があると感じる時には、人は皆こうしたポーズをすることが研究によって示されています。1)生まれつき盲目で、他人がこのポーズをするところを見たことがない人でさえ行うのですから、人の本能のようなものです。

逆に、自分に自信が持てない時、人は背中を丸め、腕や足を組み、身体を小さくします。この2つはココロの状態が姿勢に現れている例です。一方、その逆もあり得るのです。

戦士のポーズの効果に、「自信が湧いてくる」「前向きになる」といった精神面の側面を聞いたことはありませんか?“力強いポーズをとるとココロが変わる”このメカニズムを社会学の研究から学び、なぜ戦士のポーズがココロにも作用するのか考えてみましょう。

力強いポーズと弱いポーズでホルモンバランスが変化

“自信”や“力強さ”を測る時、注目すべきホルモンが2つあります。支配性を司るテストステロンと、ストレスを司るコルチゾールです。

力強く有能なリーダーは、総じてテストステロン値が高く、コルチゾール値が低いという特徴があります。リーダーをやるような人は、自信があり、断定的であり、更にストレスにも動じないというのが、ホルモンからも伺えます。

女性のアイコン3
女性のアイコン3
そういう人は、生まれつきリーダー気質であって、自分なんてとても無理…

なんて声が聞こえそうですが、そんなことはありません!2分間、姿勢を変えるだけでこうしたホルモン分泌を自分の身体の中で引き起こすことができることを裏付ける研究2)があるのです。

行った実験は次の通りです。「力強いポーズ」を行うグループと「自信がないポーズ」を行うグループにわけます。

力強いポーズと弱いポーズでホルモンバランスが変化
異なるポーズをとる

それぞれ、2分間指定されたポーズをしてもらい下記の項目を評価しました。

  1. ポーズ前後でのホルモン分泌の変化を検討
  2. ポーズ後にギャンブルをやってもらい、行動の変化を検討

結果は下記の通りです。

2分間ポーズをとった後のホルモン変化
ホルモン変化の結果

力強いポーズをした人

  1. テストステロン値が高まり、ストレスホルモンが減少
  2. 86%が賭けに挑戦した

自信のないポーズをした人

  1. テストステロン値が下がり、ストレスホルモンが上昇
  2. 60%が賭けに挑戦した

2分間ポーズをとるだけで、ホルモン分泌が変わり、脳の状態を変え、自信を持ち落ち着いた状態を作るか、ストレスに弱く自信のない状態を作るか左右することが分かったのです。

人は自信に溢れる時、自然と力強いポーズをするだけでなく、力強いポーズをとることでココロ、更には行動にまで影響を及ぼすことの証明といえます!

身体がココロに影響し、ココロは結果を変える

身体がココロに影響し、ココロは結果を変える
戦士のポーズ

“力強いポーズをとると、ココロが変わる”というメソッドは、特にナーバスになりがちな状況でも役に立ちます。

力強いポーズと自信のないポーズをするグループにわけ、それぞれポーズをとってもらった後に模擬就職面接を行った実験では、「採用したい」と選ばれた人は全て力強いポーズを行った後に面接を受けた人でした。2)

グループ間に現れた違いは、面接官に与えた “印象”です。

面接官は、どの人が力強いポーズを行った人なのか知らない状態で採用したい人を選んでいます。つまり大切なのは、力強いポーズをするところを他人に見せつけることではなく、自分自身に向けて“自分には力がある”ということを行動・ポーズで示すことなのです。

2分間の戦士のポーズで人生が変わる

戦士のポーズに「自信が湧いてくる」「前向きになる」といった精神面の効果がある理由がこれでわかりましたね?

戦士のように胸を張り、斜め上を向いて両手をあげる力強いこのポーズは、自分自身に向けて“自分には力がある”“自分にもできる”というメッセージを送ってくれます。

このメッセージは、体内のホルモン分泌を変え、脳内に作用し、自分自身の捉え方を変えます。自分への評価が変われば、それは行動に現れ、他人からの自分の評価や人生をも変える可能性があるのです。

今回紹介した実験内でポーズをとった時間は2分間です。戦士のポーズも、左右それぞれ5呼吸ほど行うとちょうど2分程度。毎日の戦士のポーズで人生を変えるきっかけを作ってみませんか?

参考資料

  1. Jessica L., et al, PNAS, 2008; 105(33)11655-11660
  2. Your Body Language Shapes Who You Are| Amy Cuddy(TED)