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「三角のポーズ」は脚を大きく広げて身体を横に倒し、腕を上げて行います。
見た目はシンプルですが、意識するポイントが多いので、意外と難易度が高いアーサナです。身体の側面と股関節内転筋が伸びると非常に心地良く、アーサナが完成した時の身体の隅々まで伸びる感覚は、なんとも爽快。個人的に股関節を広げたり、身体の側面を伸ばすことが好きなので三角のポーズは思い入れがあります。
肩と脊柱がポーズの要
では早速、このポーズの上半身から詳しくみていきましょう。
腕は肩と水平になるよう維持するのがポイント。床に対しては垂直になります。ありがちな間違いとして肩をすくめたり、肩のラインより腕を後ろに引きすぎてしまったり、腕が上がらず床に対して垂直になっていないケースです。
脊柱はニュートラルの状態を保ちながら身体を横に倒すことが重要です。身体を横に倒す意識が強すぎると脊柱が側屈しすぎてしまうので脊柱を伸ばすイメージを持ちながら身体を倒すことがポイントになります。この時、身体が丸まってしまうと手の位置が誤ったポジションに誘導されてしまうので注意が必要です。
そして、脊柱でもう1つ重要な部位は首です。首もまっすぐに保つ必要があり、なおかつ回す動作が加わります。ここのアライメントが崩れると首を痛めてしまう可能性があります。
股関節の適度な可動域も、ポーズの質を左右
下半身は、股関節を広げる「外転」に加え、股関節を外に捻る「外旋」と内に捻る「内旋」の可動域が必要になります。股関節の柔軟性が十分にあるとアーサナを行う時に下半身が安定するポジションでキープしやすくなります。
そして、三角のポーズでは膝をしっかり伸ばしていくこともポイントになります。膝をしっかり伸ばすことで大腿四頭筋に力が入り、下半身が安定します。ハムストリングスや股関節内転筋が硬いと膝が完全に伸びにくくなります。
逆に反張膝(はんちょうひざ)といって膝が伸びすぎて反り返るようなアライメントにもなりやすいです。関節が不安定な人がなりやすく反張膝は膝痛の原因になるので注意が必要です。
三角のポーズを安全に行うための上半身の練習法
意識するポイントが多い、三角のポーズ。安全に、確実にポーズを深めるために、まずは上半身の動きがスムーズにできるよう、練習していきましょう。
練習法1:首を回す練習
1.立位、座位どちらでもいいので背骨をまっすぐにして両手を横に大きく広げます。
2.あごを軽く引いて首を左右にゆっくり回します。この時、顔の正面に指先がくるところまで回すようにしましょう。
3.慣れてきたら身体を傾けて首を回します
普段の生活でも首を回すことが少ない人がいきなり三角のポーズで首を回すと痛める可能性があります。
まずはシンプルに首を回す練習をして首の関節、筋肉を動かします。三角のポーズの特徴は身体を傾けてから天井を見るように首を回すこと。これが意外と首の筋肉を使います。
直立で首をある程度回したら、身体を傾けてから同様に回して首の筋肉を鍛えます。身体を傾けると首も一緒に傾いてしまいがちですが、基本的に首を傾けた状態で回すのは頸椎の関節にストレスが加わります。脊柱から頭をまっすぐにして回すように心がけましょう。
練習法2:腕の正しいポジションをキープ
1.横向きに寝て、「前ならえ」をするようにして両腕を前方にまっすぐ伸ばし両手のひらを合わせます。この時、首が傾かないように枕で調整してください。
2.上の手を離し、息を吸いながら指先を見て上体を捻ります。
3.息を吐きながら元の位置に戻します
ポイントは両肩のラインの延長線上に手を置き身体を捻ることです。三角のポーズのよくある間違いとして手の位置が肩のラインより後ろに引きすぎるパターンがあると先程書きました。このエクササイズで手を後ろに引かずに両肩のライン上に手をキープするイメージを付けます。
練習法3:四つ這いで手を挙げる
1.両手用膝を床につけます。
2.骨盤-脊柱-頭部までまっすぐに保ったまま、息を吸いながら片方の手を天井に向けて挙げながら身体を捻ります。
3.息を吐きながら手を下ろします
練習法1と2を複合させたエクササイズです。脊柱から頭部まではまっすぐにして肩のライン上から手を後ろに引きすぎないように心掛けながら行います。
練習法4:身体の外側を伸ばす
1.立位姿勢で、右脚を左脚にクロスするような形で後ろに引きます。
2.右手を挙げて左手で右手首を掴みます。
3.息を吐きながら身体を左側に倒します。この時、右脚を左脚から離すほど身体が伸びます。反対側も同様に行いましょう。
三角のポーズは身体の側面の柔軟性が必要です。このエクササイズで身体の側面を、しっかり伸ばしておくことで、ゆとりをもってアーサナを行うことができます。