産婦人科医:高尾美穂

医師が解説!「がん」ってどんな病気?[現役医師:高尾美穂インタビュー]

こんにちは、ヨガジェネレーション企画部のかめこです。

前回に引き続き、医師の高尾美穂先生のインタビューをお届けします。今回は「がん」について高尾先生にお話いただきました。

ヨガジェネレーションスタッフのじゅんじゅんと一緒に貴重なお話を伺ってきました。ぜひ、チェックしてみてくださいね!

高尾先生、がん家系ってどういうことですか?

現役医師である高尾美穂先生に「がん」についてのお話を伺ってきました!
一昨年、私の母が乳がんで手術をしたんです。がんで亡くなった親族は多いので、その前から、「私はがん家系なんだろうな」っていうのはずっとありました。

母が「婦人科系のがんの可能性も高くなってしまったね」と申し訳なさそうに言っていて、「そうなの?」って急に不安になったんです。

じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
高尾先生インタビュー
例えば、お母さんもがんになったし、お母さんの妹もだし、おばあちゃんもだしみたいな、全部がんで塗りつぶせるぐらいの勢いが家族性のがんなの。

「お父さんが胃がんで、おじいちゃんが肺がんで・・」みたいな状態っていうのは、「がんの患者さんがいる家系だね」という見方でいいの。

そうなんですね。
じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
高尾先生インタビュー
アンジェリーナ・ジョリー級に心配しなければいけない人もいるのね。予防的に乳房を切除するとか、卵巣を摘出する必要があるという人たち。

家族性のがんって言うのは、そういう人達。どこを見ても卵巣がんか、乳がんなんだよね。女性に多いの。

じゃあ、私は家族性のがんとは違うってことか・・・
じゅんじゅんインタビュー
じゅんじゅんこインタビュー
高尾先生インタビュー
高尾先生インタビュー
普通に「がんが遺伝する割合」と、「家族性のがん」て言うのは、レベルが全然違うの。

そうなんですね。

じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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逆にがんではなくて、血管系の病気の家系もあって。

年齢が高くなるにしたがって自然になっていくような病気で亡くなるような、あまり発癌しない家系も確かにあるの。

そこはそこで、逆に生活習慣病を心配して欲しい。

「がん家系です」って思ってる人たちは、がんに関して心配して検査してくれるので、それはそれでいいことだと思うんだよね。

検査で早期発見しやすいということですね。

かめこインタビュー
かめこインタビュー
高尾先生インタビュー
高尾先生インタビュー
そうだね。

じゅんじゅんは、どっちかっていうと「がんに気を付けてね」っていう家系だと思ったらいい。

少し安心できました。

じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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うん。

自分の家系で、「脳梗塞などの血管系の疾患で亡くなっている人が多いのか?」「がんで亡くなっている人が多いのか?」って言うのは見た方がいいね。

高尾先生のお母様も乳がんの経験者でしたよね?

かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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そうそう。だから、私も乳がんのチェックはしてる。

先生は人間ドックを1年に1回受けているんですよね?
かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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そうだね。欠かさない。定期的に受けているから、もしがんになっても、早く見つかるだろうなと思ってる。

高尾先生にとって、「がん」はどういう病気ですか?

医師である高尾先生と、私たちヨガジェネスタッフでは、「がん」という病気の認識がだいぶ違うようです。
先生とがんの話をするたにに思うんですけど、産婦人科医として先生が見ている「がん」と、私達が見ている「がん」に大きな違いがあるように感じています。
かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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みんなは、見えない敵を心配している感じしない?

します!本当にそんな感じです。
じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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なんか、そこがもったいない感じがするんだよね。確かに100%避けることはできないというのは間違いないの。

だけど、むやみに不安を持ちながら過ごすよりは、具体的にやれることをやった方がいいんじゃない?っていう感じだよね。

そうかー・・・
じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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がん患者になるって、ある日突然やってくることなの。「交通事故に遭いました。」っていうことと同じことなの。

ショックを受けるのは、仕方のないと思うんだけど、ずっとショックを受け続けているだけでは、何も進まなくて。

「次は何をすればいいのか?」という、建設的な考えを持った方がいいよね。

そうですよね。
じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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医師から診断を受けたら、その日から、がん患者になる。でも、先月も体内にがんはあったし、3ヶ月前もそうなの。「いつ見つかるか?」っていう話だね。

早期で見つかれば、がんは治る時代

「女性特有の病気について」をオンラインで講義する高尾先生。一人一人との対話を大切にしています。
調べること自体にも不安を感じる方も多いみたいですよね。
じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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そうなの。

でもね、初期のがんは治る時代だからね。

医療は進化しているんですね。
かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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早く見つかったらラッキーとも言える。

きちんと治るような病気に1回かかると、そこから先ってケアをするようになるんだよ。かかりつけ医を持つし、その先生にまとめて相談できるようになる。

がんに関わらず、ですよね?
かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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でも、がんとなると、他の病気より真剣に向き合う人が多いね。

多分、それは「がんは死んじゃう」って言うイメージがあるからだと思うのね。

そうですね。強くあります。
じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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でもね、私の中ではそのイメージは、大分覆ってきている。でも、みんなには覆るだけの情報が届いていない。だから、「なんとなく不安」っていう状態なんだと思う。

「がん=怖い病気」そのイメージが変わらない理由

講座の休憩中に、ホッと一息つく高尾先生。
講座の休憩中に、ホッと一息つく高尾先生。
約30年前、私が小学生の時、祖父が胃がんで亡くなったんです。大好きなおじいちゃんがげっそり痩せてしまって、亡くなった。そのイメージが強くて。

今、30代より上の人はそういうイメージが強い人が多いのではないかと思います。

かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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そうだね。

「がん=死」

て思ってるよね。多くの人がね。

でも、私は何回も先生と、がんについてお話しさせてもらっているので、少しづつ変わってきています。

かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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「がんを経験して、今、元気にやってます!」っていう芸能人っているでしょ?

でも、普通の人は、そうじゃないのよ。

確かにそうですね。

乳がんになった友達がいるのですが、私には話してくれたけれど、全然他の人には言ってないみたいで。それでも、「言っても分からないでしょ?」という雰囲気は感じますね。

じゅんじゅんインタビュー
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高尾先生インタビュー
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そうなんだよね、わざわざ言わない人が多いよね。

「どうして言わないのか?」を考えてみると、社会の中であえて言う必要がないってなってるんじゃないかな?

そうかもしれないですね。
かめこインタビュー
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高尾先生インタビュー
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自分にとって嬉しい出来事ではないから、わざわざ言う必要もないじゃない?それもイメージが変わらない1つの理由かもしれないね。

5年生存率は6割を超えてるの。だから、多くの人達は社会に戻ってきている時代なんだよ。

ー 編 集 後 期 ー

皆さまにとって、「がん」とは、どのようなイメージの病気でしょうか?

私は、1年前まで「恐ろしい病気」でした。でも、この1年、高尾先生とがんについて話す機会がたくさんあり、そのイメージは大分変わりました。

今、がんに対してできることはある。それは、今、健康な人にとっても同じことです。

次回は、高尾先生が考える社会のあり方についてをお届けします。

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