足りないのは柔軟性?筋力?ヴィラバドラーサナIIで膝が内側に入る原因

足りないのは柔軟性?筋力?ヴィラバドラーサナIIで膝が内側に入る原因

みなさまこんにちは!よがくらげ雅子です。

寒日が続き、ますますコロナ対策に力を入れていらっしゃることと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

今回は、レッスンで行う頻度がとても高いヴィラバドラーサナII、そして目にする頻度がとても高いミスアライメント、前膝が内側に倒れてしまう場合の、原因とアプローチを探っていきます!

まずは基本のヴィラバドラーサナIIのポイントを押さえる

ヴィラバドラーサナIIは、立ちポーズの中で最も頻繁に登場するアーサナのひとつですよね。

ヴィラバドラーサナII
ヴィラバドラーサナII

両脚を大きく開き、後ろ足先をやや内側に、前足先を90度横に向けます。

アライメントを重んじるアイアンガーヨガではこのとき、右と左のかかとは一直線上に。太腿を引き締めて前脚腿を外側に開き、前脚の膝頭が足首の真上にくるまで踏み込みます。

骨盤から上体を横に開き両腕を広げ、目線は前足先の方向に向けて両脚でマットを前後に引き伸ばすように踏みしめます。

そして上半身はゆったりと構え、前にも後ろにも、各方向に伸びるベクトルを感じながら気持ちのいい呼吸を繰り返します。

前膝が内側に入る理由

このとき、前膝が内側に入ってしまうミスアライメントはとてもよく目にしますよね。実は私も苦手です、汗。

ヴィラバドラーサナIIの正しいアライメントとミスアライメント
ヴィラバドラーサナIIの正しいアライメントとミスアライメント

さて、ではこの原因は何なのでしょうか?

股関節の柔軟性

最もよく言われるのは、「股関節の柔軟性が足りないため」という原因ですが、確かにそれもあるでしょう。股関節はもともと骨盤に対して少し内側についているので(15度から20度くらい)、それを足先と同じ方向まで開くにはそれなりの柔軟性が必要になります。

これを解消するには股関節周りのストレッチや、バッタコーナーサナなど股関節を外旋、外転させるアーサナを練習するのが良いですよね。

ですが、実際レッスンの場において、柔軟性は足りているのにヴィラバドラーサナIIで前膝を開くのが苦手、という例はとてもよく見受けます!

特に、股関節の柔軟性がもともとあることが多い女性にとって、しっかり横に開いた状態を「キープ」するのが難しいという場合、実は柔軟性が一番の原因ではないかもしれません。

外旋筋、外転筋の筋力不足

柔軟性は足りているのに、それを自力でキープできない原因は筋力不足が最も主な原因かと思われます。

ヴィラバトラーサナIIの場合は、股関節の外旋(外回転)で働く中臀筋や、外転(横に開く)で働く梨状筋や内転筋などの筋力が十分でない可能性があるということ。

そういった原因にアプローチするためには、柔軟性に焦点を当てた練習だけでは不十分ですよね。

股関節の外旋・外転のための筋力を養おう

では、そういった場合に効果的な練習を見てみましょう。

股関節の外旋・外転のための筋力を養うプラクティス
股関節の外旋・外転のための筋力を養うプラクティス

図のPractice1は、合蹠(がっせき)のポーズの仰向けから、足の小指側で床を押しながらお尻を上げていきます。

この時、膝をなるべく外に開こうと意識しながら行うことで、中臀筋や梨状筋を鍛えることができます。また、結果として鼠蹊部が広がり、腸腰筋などのストレッチ効果も◎。

3呼吸キープしてゆっくり下ろす、これを3セットから5セット繰り返しましょう。

次に、Practice2を見てみましょう。

基本のマーラーサナのバリエーションポーズです。膝をしっかり開いた状態をキープしつつ、片腕ずつ引き上げ、上げた腕の方向へと上体を開きます。

この時、膝が内側に入らないようにしっかりと開いてキープしましょう。お尻を真ん中に集めるような意識で股関節を開くことで、お尻の筋肉だけでなく内腿の筋肉にもアプローチできます。

それぞれ、できれば3呼吸から5呼吸キープしましょう。

できない原因を見極めて効果的な練習を

いかがでしたか?

今回はヴィラバトラーサナIIのミスアライメントの原因について、主に筋力不足の場合の練習方法を探ってみました。

ヨガのアーサナはできない場合に柔軟性の不足ばかりが目につきがちですが、拮抗筋の筋力不足という場合がとても多くあります。これは他のアーサナにも言えることです。

できない原因を探るのは自分の苦手に気がつき、自己を観察する練習にも繋がります。そしてどんなアーサナも、色んな角度からの練習を重ねることで、少しずつ相乗効果で上達していくともっと楽しくなりますよね!