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先日、ヨガ動作学基礎講座が、初めてヨガアカデミー大阪から配信されました。コロナの影響によって、私の担当している先生は全員、物理的に会うことが出来なくなってしまったので、「担当の先生がスタジオに来る!」というだけで、数日前からワクワクしていた私(笑)
こんにちは、ヨガジェネレーションのべーです。
「会える」って良いですよね。画面だけじゃない、エネルギーが伝わってくる。この日、無駄に先生の周りをウロついていました(笑)
今回は、動作学を開催するヨガジェネレーションの想いを書かせて頂きたいと思います。
ヨガが多様化し、たくさんの業界で利用される時代へ
これまでにこのメディアで5本に渡り紹介してきた邦子先生の半生。
これらを読んで頂けるとわかるのですが、元々、邦子先生はヨガ業界の方ではありません。アスレティックトレーナーとして、多くのプロスポーツ選手や劇団四季の俳優さんたちなどのトレーニングのツールとしてヨガを利用されてきた方です。
ヨガはコロナ禍の自粛期間にも一気に広まりましたが、ヨガとして、というよりもヨガが「エクササイズ」や「トレーニング」として広まったと言った方が良いように思います。
また、それ以前から、皆さんもご存知の通り、ヨガは、ヨガとしてだけでなく、医療業界やスポーツ業界のリハビリやトレーニングとしても注目される時代へと変化をしてきました。
活躍のチャンスと共にスキルアップが求められるように
これは、喜ばしいことですが、同時にヨガ指導者が更なるスキルアップをしていかなければならない、という状況でもあります。
なぜなら、理学療法士や作業療法士のようなリハビリを専門としている方や鍼灸師、スポーツ業界で様々なプロスポーツ選手をケアしているトレーナーの方々は、我々とは比べ物にならないほど勉強をされています。
ヨガ動作学を担当されている、邦子先生に大学、大学院生時代のお話を伺ったときも、
アスレティックトレーナーの資格試験を受けるには1,800時間の実習を積まなければなりませんでした
と話してくれました。耳が痛いお話ですが、200時間のトレーニングを受ければ指導資格が手に入ってしまうヨガ業界とは比べ物になりません。そんなヨガ業界に必要な先生として、邦子先生をお招きすることになったのです。
結果を生み出せているのか?その疑問から生まれた学問
また、邦子先生がこれまでに、サポートしてきた選手は、皆、名だたるトップアスリート。これが何を意味するのか。
スポーツの世界は結果を出すことを求められる世界です。常にベストコンディションを保つ必要がある選手をケアし、サポートするという過酷ともいえる環境下に身を置き、そしてその中で選手たちをサポートしてきた邦子先生。だからこそ、生まれた疑問。
我々は望んだ結果を生み出せているのだろうか
この疑問から生まれたのが、ヨガ動作学のベースとなっている「動作学」です。ヨガ業界でも、解剖学や生理学、神経学など、様々な学問を勉強できる講座は増えました。しかし、これらを勉強しても、「思った通りに体が動かない」「痛みがある」「変化がない」などの悩みが消えない人も多いのではないでしょうか?
そんな皆さんに触れてほしいのが、動作学をよりヨガ業界の人に向けて作っていただいた、ヨガ動作学なのです。
動作学では部分ではなく全体を見る
以前、邦子先生が動画でもお話してくれた、ヨガ動作学とは?のこの動画では16分という短時間で動作学とは?がわかるので、初めて動作学という単語を知った方はぜひ見てください!
普段、講座の冒頭でも、邦子先生がお話してくださっていますが、私たちは病気になったとき、怪我をしたとき、症状が出ている部位によってそれぞれの科を受診します。大きな病院になればなるほど、専門の科が増え、整形外科1つとっても脊椎、肩、肘、膝各部位ごとに専門医がいらっしゃるほど!
このおかげで西洋医学は発展し、医療は目覚ましい発展を遂げてきました。しかし、これだけでなく、今一度私たちが取り戻さなければならないのは人を部分的に見る(ミクロの視点)のではなく、全体を見る(マクロの視点)ことです。
前述した通り、嬉しいことにヨガ業界でも、解剖学や生理学、神経学などの講座が増えてきました。これらは、ミクロの視点での人の見方です。この視点にプラスして、マクロの視点を取り入れることでもっと視野を広げ、人を見ることができるようになる、というのが動作学の目指すところです。
マクロの視点とは?ポーズが出来ない原因は骨格的なことだけじゃない!
例えば、私は巻き肩で、マリーチアーサナA~Dどれも後ろで手首を掴むことができませんでした。いつも先生から「胸が開いてくるとできるようになる」と言われていましたが、いつ出来るようになるんだろう…と思っていました。
しかし、これが出来るようになったときに気づいたことがあったのです。邦子先生のプライベートを受けていた時に
正しい位置で立つと、なんだか偉そうな感じがする
常に前かがみの姿勢でいるせいか、邦子先生に調整してもらい、真っ直ぐ立つだけで、自分が偉そうになる気がして、普段からどんどんと前に前にと肩が入っていました。
「こんなことが原因?」と思われがちですが、邦子先生に「それも原因」と言われて、「あぁ、そっか」と妙に納得。「今真っ直ぐだよ、全然偉そうじゃないから。(笑)」と言われて、この後すぐにマリーチアーサナのAとBで手首がとれるようになったので、ちょっと驚きました(笑)
もちろん、日々の練習は必要かと思いますが、意外なところに落とし穴があったな~と思っています。
本来ヨガは何千年も昔から、人を部分的にではなくもっと大きな視点から見てきました。そのため、「新しい視点」というよりも、「取り戻す」と言った方がしっくりくるなと私は思います。
どちらが良い、悪いではなく、ミクロの視点とマクロの視点、両方の視点を持つことで、更に一歩踏み込んだ視点から指導ができるようになるのではないでしょうか。
ヨガ業界用に進化していく講座
勿論、ヨガはポーズができるようになるためにやっているわけではありません。(私は修業が足りないので、まだまだ出来るようになる喜びを感じるわけですが。笑)しかし、その中で、自分の新たな一面に気づいていくことで、更に自分のことを知ることができると思います。
今回、講座をしていただく上で、邦子先生にはかなり、無理なお願いをしています。邦子先生がこれまで携わってきたトレーナーの方や医療業界では当たり前に使用してきた言葉を、単語の説明からしてもらっています。なので、先生からしたら、やりにくいはず。それなのに、どんどんとわかりやすく進化しているのが、この講座です。現在5回を終了しましたが、最初と全然違う!(笑)
毎回、わかりやすく、理解しやすいように作り変えてくださっているのがわかるので、私は、講座が始まるのが楽しみで仕方ありません。(教えてくれることは同じですので、誤解のなきように。)
しかし、私たちは、それに甘んじず、もっと体のことや脳のこと、人間の仕組みを勉強していく必要があります。
そして、その入り口としても、ヨガ動作学は、ヨガ業界とスポーツ業界、医療業界との橋渡しをしてくれる講座になり、そして、いつか動作学がヨガ業界の基礎学問になれば…と私は真剣に思っています。