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SDGs、17個言える?
「SDGs(Sustainable Development Goals)=持続可能な社会のための17の開発目標」に関して、最近、特に意識が高まっている。17個の提言を言える人も少なくないだろう。…といってもすぐに出てこない人にために(筆者もです)、ここにまず17個を挙げてみよう。
1:貧困
あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
2:飢餓
飢餓を終わらせ食料安全保障、および栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3:保健
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し福祉を促進する
4:教育
すべての人に包摂的かつ公正で質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
5:ジェンダー
ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う
6:水・衛生
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7:エネルギー
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
8:経済成長と雇用
包摂的かつ持続可能な経済成長、およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用とはらたきがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
9:インフラ、産業化、イノベーション
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る
10:不平等
国内および各国家間の不平等を是正する
11:持続可能な都市
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する
12:持続可能な消費と生産
持続可能な消費と生産
13:気候変動
気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14:海洋資源
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し持続可能な形を利用する
15:陸上資源
陸域生態系の保護、回復、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復および生物多様性の損失を阻止する
16:平和
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で責任説明のある包摂的な制度を構築する
17:実施手段
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
たくさんあるけど、どれからやる?
私達はこれを受けて、まず身の回りのできることから始めようと、さまざまな行動をしている。エコバッグ、マイボトル、ゴミを減らす、ゴミを拾うなどなどだ。しかし、最近読んだ本では、こんなことをやっているだけでは、とても2030年の目標までに達成できないと書いてあった(『人新世の資本論』(斎藤幸平/集英社新書)←これは読み切っていないのでまだ感想はありません)。
いずれにしても、掲げている目標は大きなものばかりだから、国や自治体、企業単位で動かないといけないのは確かだ。では、私達の非力でどこまでのことができるのか。
2030年は確かに「すぐ」すぎてわからないけれど、東日本大震災から10年たった今、当時からすれば、少しずつだったとしても前進している。コロナ禍では力業ではあるが、多くの人の意識の変化はあった。だから、その気になればできないことはないのだ。どれだけ意識を変えることができるのか、なのだろう。
ヨガはどうやって自分を変えたか
私達自身の大きな変化は、ヨガと出会った時にも起こったことだろう。ヨガという深淵な世界と出会って以来、マインドを土台から揺さぶり続けられているのではないだろうか。目に映るもの、聞こえてくるもの、起こる出来事すべてが、今までと違う色合いになったのではないだろうか。ヨガというドアを開いたら、違う世界が広がっていたかのように。
ヨガは一瞬にして、意識を変えることができるものなのかもしれない。それは体感がついてくるからだとも言う。最近では、脳は体を動かすことで効率よく動くことも証明されてきている。まさに、意識革命はヨガの得意技だ。といっても、私達は気づいただけ。もともとあったものを認識できていなかっただけなのだ。ヨガはそれに気づくきっかけをくれただけ。それは、誰にでも、どんな場合にでも起こり得るということだ。
とすると、どうだろう。アーサナをして、深く考えることで、私達は2030年までの目標を達成できるのかもしれない。つまり、ヨガをする人が増えれば、SDGsの実現は近いのだ。
押しつけは間違いのもと
ただし、いいものだからと言って、他人に押しつけるのはやめよう。押しつけられるとやりたくなくなるのは、子どものころに「宿題やりなさい」と言われて、余計にやりたくなくなった…などの経験からも知っているだろう。人は人を変えることはできない。自分からやってみようかと納得しないと、何も起こらないのだ。
だから、私達がヨガを広めるためにできることは、ヨガをしていくことで自分が成長すること。そして、人がそれに興味を持つほど、内側からの輝きを放つことだ。上から目線で、「こんなにいいヨガを、何でやらないんだろう」などとは、間違っても言ってはいけない。
未来を想像してみよう
SDGsを実践していくと何が起こるのだろう? どんな社会になるのだろう? 思い描いてみることができるだろうか? 言葉で漠然と聞いているだけではな進まないが、これらがゴールにたどり着いた時の世界をイメージできたら、その実現は早まるはずだ。
映画や絵本で見たことのある、気持ちのいい、みんなが幸せな世界だ。何かの作業をする時、仕上がり図がないと進まないのと一緒。だから、SDGsもその世界をイメージしておこう。私達はどんな社会を目指しているのだろうか? まあ、そうは言っても難しいんじゃない? 絵空事でしょう? なんて、どこかで思っていたら、それは確かに絵に描いた餅で終わる。でも、イメージできれば、それは違う。
実際に、科学はすべてイメージをすることから始まる。火星移住計画だってイメージ図があるではないか。私達一人ひとりができる大きなことは、自分の日常を超えた壮大なイメージをすることだ。妄想は楽しい! そこに制限はない。さあ、最大限で最高の新しい世界を想像してみよう!
Text:Yogini編集部