みなさんの視点で見てほしい!オランダのヨギー調査結果がおもしろい。

みなさんの視点で見てほしい!オランダのヨギー調査結果がおもしろい

オランダのヨギーの姿が見えてくる

オランダのヨギーの姿が見えてくる

オランダの大人気ヨガ雑誌である「Yoga Magagine」が2年に1度行う、「Het Yoga Magazine Onderzoek 2021」(ヨガマガジンリサーチ2021)の結果が発表されました。この調査で代表標本※1となったのは、656人のオランダ人で、(うち87人がヨギー)様々な切り口からヨギーと非ヨギー※2の違い等が結果として示されています。

日本のヨギーとオランダのヨギーの違い、みなさんご自身とオランダのヨギーの違いなど、多角的な視点で見ていただくと自分事として本記事を楽しんでいだけるはずです!

それでは、注目したい調査結果をいくつかピックアップしてご紹介していきます。

  • ※1 代表標本:ある集団の統計的な性質を調べる時に、その調査対象となる集団から一部の調査対象を選び出し、その情報を基に、元の集団全体の状態を推計する調査方法があるが、その引き出された一部の調査対象のことを代表標本という。
  • ※2 非ヨギー:この記事ではヨガをしていない人を「非ヨギー」と呼ばせていただきます。

オランダのヨギーってどんな人たち?

オランダのヨギーってどんな人たち?

オランダの人口1728万人のうち160万人がヨギーで、そのうち72%が女性、28%が男性という内訳が出ています。(この調査では、18歳以上で過去半年にヨガをした人をヨギーとして振り分けています。)

オランダのヨギーの男女比
オランダのヨギーの男女比

私の印象では、日本よりもオランダのヨガスタジオでは比較的多くの男性を見かけますし、ヨガ雑誌やヨガウェアブランドの SNS 上でも、男性ヨギーが頻繁に取り上げられているので7:3という男女比を見て、「オランダの男性ヨギー、もっと多いかと思っていた!」と感じました。

日本ではどうでしょうか?都市部だと男性ヨギーが多い印象がありますが、いかがでしょうか?

ヨギーは健康だけど、ストレスが多い!?

ヨギーは健康だけど、ストレスが多い!?

非ヨギーの人たちはもしかすると、「ヨギー=ストレスがない」というイメージを持っているかもしれません。

しかし、今回の調査で『ストレスを感じることが頻繁にありますか?』という質問に対して、「はい」と答えたのはヨギー42%、非ヨギー19%と、非ヨギーよりもヨギーの方が倍以上に多かったのです!意外ではないですか?!

【オランダのヨギー調査】ストレスを感じることが頻繁にありますか?
【オランダのヨギー調査】ストレスを感じることが頻繁にありますか?

さらに、『身体に柔軟性がありますか?』「はい」と答えた人 ヨギー37%、非ヨギー19%、健康的なライフスタイルですか?』「はい」と答えた人 ヨギー73%、非ヨギー61%の結果についてはすんなりと納得できたのですが、『あなた自身、バランスはとれていますか?』という質問に対し、「はい」と答えた人 ヨギー49%、非ヨギー59%という意外な結果でした。。

【オランダのヨギー調査】グラフ
オランダのヨギー調査

バランスがとれている状態がどういう状態を示すのかは個人間で差があると思いますし、結果の見方も様々だと思いますが、「ヨギーになれば、ストレスがなくて、バランスがとれることが保障されている」のではなく、ヨギーは、ヨガを通して目の前にあるストレスと向かい合い、常に自分の中にバランスを見つけるための道を歩んでいる状態であることが多いのかもしれません。

また別の視点で考えてみると、ヨガを始めると自分の食生活や心や身体の繊細な部分を俯瞰して見れるようになるからこそ、今回のような質問に対して、非ヨギーよりもヨギーは慎重に回答しているのかも‥とも感じました。

みなさんはどう思いますか?

ヨギーと非ヨギーの圧倒的に差がついたのはここ!

ヨギーと非ヨギーの圧倒的に差がついたのはここ!

「Yoga Magagine」の調査結果を黙々と読んでいて、ふと思ったのは、「なんだか、質問項目にオランダのヨギーの特徴が既に引き出されてしまっている気もする(苦笑)」ということなのですが、調査の仕方がどうこうの云々はあまり気にせず引き続き見ていきたいと思います。

オランダのヨギーの姿が浮き彫りになっていると感じたライフスタイルに関する質問がこちらです。

  • ビーガン※3である(ヨギー74%、非ヨギー2%)
  • ベジタリアン※4である(ヨギー34%、非ヨギー7%)
  • 豆乳またはアーモンドミルクを飲んでいる(ヨギー36%、非ヨギー7%)
  • 家に仏像がある(ヨギー40%、非ヨギー19%)
  • オーガニック製品を買う(ヨギー33%、非ヨギー18%)
  • ウールソックスを持っている(ヨギー22%、非ヨギー8%)

〇〇のポーズができるとか、好きなヨガブランドは〇〇とか、体重やヨガ継続年数は〇〇とか、表面的な部分ではなく、内面的なことで他人からは自分から言わない限り知られないような部分に着目した質問であるのはとてもオランダらしいと感じました。

上記の結果を見てみると、ヨギーは日頃から健康や環境への意識が高い選択をしているように感じますね。ヨギーだからこういう選択をしているというよりも、よりよい生活、よりよい自分をめざしている人たちが、生活の一部としてヨガを取り入れていることが多いのかもしれません。

「家に仏像があるかという質問をなぜするのか?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、オランダは無宗教の人が人口の約40%を占めていると言われています。そのため、無宗教の人がヨガのスピリチュアルな部分や仏教に興味を持っていることも多く、ヨガスタジオにいくと必ずと言っていいほど仏像が置かれています。

信仰の象徴として仏像を置くというよりも、インテリアとして飾るようなラフな感じで、最近は雑貨屋さんや園芸店にも仏像が超お手頃な値段で売られていて大人気…!

  • ※3 ビーガン:ベジタリアンの一種で菜食主義のことをいい、ビーガンの人は、肉や魚に加えて、卵や乳製品、はちみつなどの動物由来の食材を摂取しない。
  • ※4 ベジタリアン:菜食という意味で、植物性食品を中心にした食生活を行ない、卵や乳製品の摂取は本人の選択による。

2016年の調査結果と「いま」は、ここが今違う!

2016年の調査結果と「いま」は、ここが今違う!

2016年と今の異なる部分で着目したいのは、ヨガのスピリチュアルな印象、ヨガがライフスタイルであるという印象が薄らいで、もっとヨガが実用的な存在となってきているということです。

『ヨガはスピリチュアルである』「はい」と答えた割合 2016年56%→2021年50%

2016年調査との違い1
2016年調査との違い1

『ヨガはライフスタイルである』「はい」と答えた割合 2016年47%→2021年41%

2016年調査との違い2
2016年調査との違い2

ヨガをしていて単純に心地いいとか、ヨガを通して目に見えない偉大なものとつながるというような不確かなことに重きを置くことよりも、近年では、解剖学的にヨガポーズの効果が実証されてきたり、瞑想やマインドフルネスの効果も脳科学的に明らかになっているため、以前よりもヨガがもっと実用的で、確実に効果が得られるものとして人々の間に認識されてきているのかもしれません。

以上、今回の記事はいかがだったでしょうか?

国によっても、時代によってもヨガやヨギーのライフスタイルは変わっていくものだと思いますが、自分らしい心地の良いヨギースタイルを見つけて大事にしていきたいものですね。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに!

参考資料

  1. Yoga Magazine No.2.2021