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まだ暑い日が続いていますが、立秋を迎え暦の上では秋に移り変わっています。この頃は、朝晩は冷える日もあるので、体調に気をつけていきましょう。
今回は、秋の養生法をテーマに、秋に摂ると良い食材や、過ごし方などについてご紹介いたします。
中医学における秋とは
秋は、涼しくなり過ごしやすくなってきますが、空気が乾燥するので、体内の水分が蒸発しやすく、粘膜、肌、髪、爪などに乾燥症状が起きやすくなります。
秋に起こりやすい症状
秋は、肺や気管支のトラブルや、乾燥トラブルが起こりやすくなります。
- 口や鼻の乾燥
- 咳
- 空咳(痰のない咳)
- 口の渇き
- 唇の乾燥
- 肌や髪の乾燥
- 目の乾燥
- 鼻づまり
- 息切れ
- 乾燥による便秘
- 尿の量が少なく、色が濃くなる
これらの症状は、「肺」が弱くなることで現れます。
秋におすすめの食材
秋は肺を潤すものを中心に食べ、乾燥の邪気から体を守り、冬に備えると良いでしょう。
激辛料理、大量のお酒、焼いたり煎ったりした料理などの乾燥させる性質の食材を食べるときは、甘みのものを一緒に摂ると良いとされています。
旬のものを食べるのは良いことですが、魚を刺身で食べる場合は、体を冷やしすぎないよう、体を温める薬味を一緒に食べると良いです。
そのほか、秋におすすめの食材を効能ごとにご紹介いたします。
津液(体液)をつくる甘酸っぱいもの
ザクロ、アンズ、ブドウ、みかん、レモンなどを摂ると良いです。
肺を潤すもの
落花生、杏仁、大根、山芋、白きくらげ、黒きくらげ、ゆり根、ナシ、ギンナン、イチジク、はちみつ、ドジョウ、白魚、豚肉、うずらの卵などを摂るとよいです。
体の熱を少し冷ます甘みを含むもの
柿、ナシ、ビワ、ユズ、菊花、ラカンカ、ピータン、大根、海苔などを摂るとよいです。
体に潤いを与えるもの
豆乳、豆腐、黒豆、アンズ、クコの実、白きくらげ、牛乳、湯葉、れんこん、黒ゴマ、牡蠣、鴨肉、豚肉などを摂るとよいです。
辛みの食材で邪気を取り除くもの
辛みの食材は肺に働きます。
ショウガ、ネギ、激辛料理、酒、コーヒーなどは摂り過ぎには注意が必要です。
秋の養生のポイント
肺を潤し、津液を増やす、湿熱・寒涼の偏りが少ないものを中心に摂ると良いでしょう。
体の乾燥の原因になるものの摂り過ぎを避け、潤いを与える甘酸っぱいものを食べるのがおすすめです。
夏のように冷たい飲み物、食べ物、アイスなどを食べたり飲んだりすると体を冷やして秋バテや風邪の原因になるので注意が必要です。
朝晩は冷えることも多いので、上着を持ち歩いたり、寝るときは寝具を1枚多めに掛けたり、窓を開けたまま寝たりしないようにすると良いと思います。
次回は、冬の養生について特集します!