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昨今、世界が暑くなり過ぎている
厳しい猛暑日が続く日本。先日のオリンピックでは、オランダ人選手たちも「日本の猛暑に疲労困憊」とニュースで流れていました。今年6月のカナダでは、観測史上最高となる47.5度を記録するなど、世界的な異常気象に誰もが危機感を持たずにはいられない状況です。
ちなみにオランダらしい夏は、湿度が低く、カラッとしていて、特に暑い日でも気温が30度くらい。しかし、昨年はオランダ史上最長である8日間連続で40度近くの熱波が続き、猛暑による健康被害、地球温暖化問題の深刻さが懸念されています。
オランダ人は猛暑に身体が慣れていないだけでなく、これまでは少し暑いと感じる程度が「オランダの夏」であったため、エアコンが現在も一般家庭にはほぼ設置されておらず、暑さによる身体のダメージが大きくなっています。
倹約家なオランダ人にヨギーとして学ぶこと
オランダ人の国民性というと、まず「倹約家」という言葉が出てきます。もちろん人により差はありますが、オランダで生活していると、計画的に貯蓄したり、セカンドハンド(中古)の商品を積極的に日常に取り入れていたり、素材そのものを活かした料理の仕方など、質素で合理的な考え方が根付いているように感じます。
「あるものに満足し、それを生かして暮らしていく」という価値観は、ヨギーとして学べることが多くあり、エアコンのないオランダの夏の過ごし方にも、そういったオランダ人らしい考え方が根底にあるように思います。
今後の日本における暑さ対策を考えていく上で、その時の快適さだけでなく、地球の未来を考え、エアコンなどの電化製品に頼らない暑さ対策を知っておくことも大切ではないでしょうか?
オランダ流 エコで地球に優しい夏の過ごし方
終わりの見えない猛暑の日々にいま、「ヨガをする気にもなれない」という人が少なくないはずです。
しかし、ちょっとした工夫で、エアコン等の電化製品に頼ることなくヨガを心地よく行うことができる空間や時間を作ることができるかもしれません。
それでは、オランダ流の夏のエコ×節約術をいくつかご紹介します。
遮光カーテン
遮光カーテンはその名の通り光を遮るものですが、猛暑日に遮光カーテンで窓をしっかりカバーすると、室温が2度くらい変わることがあります。暑くなる日の早朝から閉めておくと、帰宅時も過ごしやすいはずです。
私の自宅もかなり厚みのある遮光カーテンを取り付けています。これにより、日中でも室内がかなり暗くなるくらい太陽光を遮断できており、カーテンの外の窓を触ってみると、手で触れないくらい熱々です。遮熱のためにもカーテンにお金をかけているオランダ人は多いです。
乾燥機の使用をやめる
夏場は乾燥機の使用をやめ、太陽で自然乾燥させることは節電にもなりますし、部屋干しによる湿度の上昇を防ぎます。
バタフライ物干しは特にオランダ人の一般家庭でよく使われており、庭のないアパートのベランダにも置きやすいコンパクトさが魅力です。
涼しい時間に風を通す
夕方、夜、早朝に窓やドアを開けて家全体に風の通り道を作ってあげると、室内にこもった熱を逃してくれます。
風が通るように、夏場だけでも家具の配置を変えるのも良いでしょう。起きてすぐにカーテンを開けて窓を全開にするオランダ人、とても多いです。
窓に遮熱シート
遮光カーテンに加えて、遮熱シートを取り付けている家庭もオランダでは多く見られます。オランダの住宅のように窓が大きい家にお住まいの方には特におすすめです。
在宅ワーク等で家にいる時間が長い方は、窓辺の工夫によって快適さ随分と増すはずです。
雨水を活用する
オランダでは、庭の所有者の6人に1人が、雨桶からの雨水を活用していると言われており、これにより毎年数百リットルの水を節約することができます。
夏場に溜めた雨水は、庭に用意する子供たちのためのプール、芝や植物用に活用しているオランダ人が多いです。
太陽光を活用する
日中、庭やベランダでニクセン※1を楽しむオランダ人が多いですが、夕方や夜には、太陽光発電の照明を活用している家庭をよく見かけます。
真夏の太陽エネルギーを日常生活に活用する方法を見つけることは地球にも優しいエコな活動につながるはずです。
- ※1 ニクセン:Niksen(ニクセン)はオランダ語で「何もしない」という意味の動詞で、「何もしない」ことを味わうオランダ発のリラックス方法。
ニクセンの詳細はこちらの記事からご覧いただけます。
火を使わない料理を考える
オーブンやコンロ、IH を使用すると室温が上昇するため、特に暑い日は、火や熱を使わない料理がよいかもしれません。サラダパスタや生春巻きなど、簡単に作れるメニューはオランダ人も大好きです。
「暑すぎて料理をしたくない」、「暑すぎて食欲が湧かない」ということを減らしていきたいものです。
下の階で寝る
太陽に近い上の階は下の階より室温が高くなりますので、夏場は、一階で在宅ワークをしたり寝るもの良いでしょう。
庭がある家では庭にテントを張っておうちキャンプをすることで、暑さをむしろ楽しみに変えているオランダ人も多いです。
朝と夜に働く
「暑すぎて仕事に集中できない」ということが、エアコンのないオランダではよく起きており、働く時間帯を涼しい時間にシフトしている人もいます。
会社の意向もあると思いますが、シフトを柔軟に変えられる場合は、あえて日中はゆっくり過ごすという選択もよいのではないでしょうか。
地球温暖化を加速させない暑さ対策
オランダ人が実践するエコ×節約術はいかがだったでしょうか?1つでも日常生活に取り入れられそうなものを見つけていただけたら嬉しいです。
エアコンをつけないと何もできないくらい暑い日が続いていますが、それでも朝方や夜は少しは暑さも和らぎます。時間帯によって暑さ対策を変えてみることは省エネにもつながり、未来の地球への投資にもなるはずです。
それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の記事もお楽しみに!