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PMS(月経前症候群)期間中はヨガをする気になれないときもありますよね…。
以前 PMS の改善におすすめのヨガをご紹介いたしました。
しかし、「そもそも動く気力も起きないほどに体調が悪い。」そんな日もあるかと思います。
そこで、以前ビタミン B6について研究していたときに、PMSにも効くと聞いたことがあるのを思い出し、詳しく調べてみました。
月経前症候群に対するビタミンB6と微量栄養素(様々なビタミンとミネラル)を比較した研究
研究の目的
月経前症候群(PMS)は女性の20%-30%に影響を及ぼしますが、現在の治療法はその有効性が限られています。
この研究の目的は、PMS の治療のため、微量栄養素(様々なビタミンとミネラル)処方の有効性を、ビタミンB6のみの処方と比較することでした。
方法
この二重盲検ランダム化比較試験※1では、月経前症候群の女性78人(72人が完了)に、2サイクルのベースライン期間の後、3回の月経周期で毎日、微量栄養素(様々なビタミンとミネラル)またはビタミンB6のみ(80mg / 日)を摂取するよう割り当てました。
主要な指標である PMS 症状の重症度の記録(DRSP)で5つの PMS 症状(心理的、身体的、総症状、影響評価、最悪の日の評価)の変化を追跡しました。
- ※1 二重盲検ランダム化比較試験 :研究の対象が、どちらのグループに入ったかを知らない状態で2つ以上のグループにランダムに分け、効果を検証すること 。
結果
微量栄養素(様々なビタミンとミネラル)またはビタミンB6のみ、両方の治療が、DRSPで測定した PMS 症状の同等の減少をもたらしたことを示しました。
微量栄養素グループの72%と、ビタミンB6グループの60%が、月経周期3サイクル後の PMS 症状が完全寛解しました。
微量栄養素で治療された参加者は、健康関連の生活の質において、B6グループよりも大きな改善を示しました。
月経前不快気分障害(PMDD)の基準を満たした女性(28人)の場合、DRSP は、B6グループの女性より微量栄養素グループの女性の方が大きく改善しました。
ただし、グループの違いは統計的に信頼できませんでした。
副作用にグループ差はなく、深刻な副作用も報告されていません。
結論
微量栄養素、ビタミンB6、両方の治療法は、PMS の症状を軽減するための同様の利点を提供し、生活の質に対する微量栄養素のより大きな効果と、PMDD に対する微量栄養素の潜在的な臨床的利点をもたらしました。
この研究は、ビタミンB6に関する有効性データを提供し、また、症状がより重症である人々に利点がある可能性があることを示唆しています。
これは PMDD の治療法を調査する最初の研究であるため、さらなる研究が必要です。
月経前症候群に対するマグネシウムおよびマグネシウムとビタミンB6サプリメントの効果の評価
研究の背景
月経前症候群(PMS)は、自殺、家族関係の分離、日常業務の異常、対人関係の悪化を引き起こし、社会に直接的および間接的な経済的損失をもたらす可能性があるため、問題を解決することが重要です。
この研究の目的は、イスファハン医科大学のヘルスセンターに紹介された、PMS患者のPMSの重症度に対するマグネシウム(Mg)、ビタミンB6とMgの組み合わせ、およびプラセボの効果を決定することです。
この研究は2009年から2010年の間に行われました。
方法
参加者は、2つの介入群(マグネシウム(Mg)、ビタミンB6とMgの組み合わせ)と1つの対照群(プラセボ)にランダムに割り当てられました。
この研究は10の保健センターで4か月間実施されました。
患者のPMS診断を確認するために、参加者は2か月間毎日 PMS の症状記録フォームに記入するように求められ、診断が確認されると、参加者は研究の3つのグループ(Mg、Mg+ビタミンB6、プラセボ)のいずれかにランダムに割り当てられました。
医学的介入は2回の月経周期で行われ、テスト前後の結果が比較されました。
結果
介入後、PMS の平均スコアは3つのグループすべてで有意に減少しました。
PMS症状の減少は、Mg とビタミンB6のグループで最大であり、プラセボグループで最小でした。
結論
この研究の調査結果は、MgとビタミンB6がPMS治療に効果があることを示しました。
やはり、ビタミンB6をはじめとする多くのビタミンやミネラルは PMS に効くそうです。
ビタミンB6単体で摂取するよりも、マルチビタミン&ミネラルの方が良いみたいですね。(ちなみに、私も毎日マルチビタミン&ミネラルのサプリメントを飲んでいます。)
生理前、ヨガをする気力も起きないというときには、まずはビタミンを摂取して体調を整えてみてもよいかもしれません。
※病気治療中の方は、サプリメントを摂取することについて医師に相談してください。サプリメントは薬ではないので、必ず効果があるわけではありません。
参考資料
- Hāna Retallick-Brown, Neville Blampied et al. A Pilot Randomized Treatment-Controlled Trial Comparing Vitamin B6 with Broad-Spectrum Micronutrients for Premenstrual Syndrome 2020
- Nahid Fathizadeh, Elham Ebrahimi et al. Evaluating the effect of magnesium and magnesium plus vitamin B6 supplement on the severity of premenstrual syndrome 2010