ヨガのレッスン名にもよく使われる「代謝アップ」、「痩せる」と似たような意味で理解されている方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな「代謝」についてお話ししていきます。
代謝とは?大切なのはバランス
まずそもそも「代謝」とはなんでしょうか?
私たちは、食べた物を消化・吸収し、それぞれの栄養素からエネルギーを生産します。そしてそのエネルギーを利用し、生命活動を行なっています。
このエネルギーの獲得とその変化の過程で起こる化学変化を、エネルギー代謝と呼びます。
食事摂取量とエネルギー消費量をそれぞれ in・out と考えた時、in が多ければ太り、out が多ければ痩せていきます。健康な身体を作っていく上で大切なことは、このエネルギーの in・out のバランスが取れていることです。
自然界で暮らす野生動物のように、次の獲物にありつけるかわからない状況で生活しているのであれば、1回の食事でできるだけ貯蓄し、普段の生活はできるたけ省エネで過ごしていくことが、生命維持に繋がっていきます。
しかし、恐らくこの文章を読まれている方の周りで、多くの方が抱える問題は、in が多く out が少ない、つまり食べ過ぎでエネルギー消費量が少ないことではないでしょうか。
そう考えた時、エネルギーの in・out のバランスを取るために重要なのは、エネルギー消費量をいかに上げて行くかということになります。
基礎代謝とは?
1日のエネルギー消費量は、基礎代謝が約60%を占め、続いて活動代謝となります。
活動代謝とは、
そして基礎代謝とは、覚醒状態で生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギーのことであり、いわゆる何もしなくても消費されるエネルギーということになります。
この基礎代謝量が増えれば、何もしなくても消費エネルギー量が増えるので、お得だと思いませんか?
この基礎代謝量に関わる要因は、年齢、性別、などもあるのですが、個人の努力で変化させられる要因としては、体格と体温があります。
体格は脂肪質よりも筋肉質の方が基礎代謝量は高く、体温も高い方が基礎代謝量は上がります。
体温を上げる方法としては、常温より温かいものを飲食む、靴下を履く、湯船に浸かるといった方法もあります。
ヨガでできる代謝アップとは?
ではこの基礎代謝量を上げるために、ヨガでできることはなんでしょうか?
まずは筋力をつけることです。それも、お尻や太もも、背中といった、体の中でも大きな割合を占める筋肉にアプローチしていくことで、効率的に筋力アップすることができます。
オススメのアーサナとしては、「ウォーリアー2」のような下半身をしっかりと使う立ちポーズや、「セッツバンダアーサナ」のようにお尻の筋肉を収縮させるもの、そして「弓のポーズ」や「バッタのポーズ」のように背面に刺激が入るものです。
これらのアーサナは、しっかりとアライメントを整えて意識すれば、キープしているだけでもしっかりと筋肉にアプローチすることができます。
そして、ヨガをすることで全身の血流が良くなり体温アップにもつながります。またヨガ自体が、活動代謝アップにもつながっていきます。
代謝アップヨガでいい巡りを
いつもおこなっているヨガも「代謝アップ」という観点で考えると、取り入れるアーサナや意識する筋肉がまた違ってくるかもしれません。
体内のエネルギーを溜めすぎず、枯渇させすぎず、常に新しく循環させていくことは、内側から綺麗で健康的な身体につながっていくと思います。
代謝を意識しながら、是非身体にいい巡りを起こしていってください。
参考資料
- 坂井健雄・河原克雅著『カラー図解 人体の正常構造と機能』日本医事新報社、2012年
- 鈴木志保子著『基礎から学ぶ!スポーツ栄養学』株式会社ベースボール・マガジン社、2018年