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毎年1月に新年の抱負を決める人も多いと思います。
しかし、1か月後には忘れてしまっているなんて人も多いのではないでしょうか?次の年の抱負を決めるときに、「去年の抱負は何だっけ?」と考えてしまう人もいると思います。
ヨガでもサンカルパという、抱負を決めることをご存じでしょうか。
ヨガのサンカルパは一般的な1年の抱負や人生の目標とは少し違うかもしれません。ヨガをする人にとっての抱負について考えてみましょう。
ヨガのサンカルパと一般的な抱負の違い
一般的な人生の目標や1年の初めに決める抱負と、ヨガのサンカルパの違いを見ていきましょう。
よく目にする新年の抱負にはどのようなものがあるのでしょうか?
- 今年は沢山旅をして世界を見たい
- 今年こそはダイエットを頑張る
- 今年中に結婚する
- やりたかった職業に就職する
- 今年は部屋を綺麗にする
上記に挙げたように色々な目標があると思いますが、これらの抱負は期間限定のものです。
例えば、ダイエットを抱負にした場合、痩せたら目標達成です。結婚が抱負であったら、結婚出来たら目標達成です。
しかし、1つの目的を達成したら、必ず次の目的が生まれてきます。
例えば、部屋を片付ける習慣ができたら、次は自分の気に入ったインテリアを揃えたくなります。ダイエットに成功したら、次は体重だけではなくて筋肉を付けながらのボディメイキングが目標になったり、自分のスタイルのファッションにこだわりたくなるかもしれません。
人生の中で、このような通過的な目標を掲げて、1つずつ達成していくことはとてもいいことです。
しかし、これらの短期的な抱負はサンカルパではありません。サンカルパとは、人生を通して実践していくスピリチュアルな自分への誓いです。1度決めたサンカルパは、ころころと変えないで長く実践し続けます。
ほとんどの願望は外からの情報。内側の願いを見つけよう
ヨガのサンカルパを決めるときに大切なのは、自分の本当の願いを見つけることです。
私たちが日ごろ思っている願いの多くは、外からの情報によって思考が作り出しているものです。
例えば、テレビのタレントさんが素敵な家に住んでいるのを見て「私もお洒落な家に住みたい」と思ったり、SNS で友人が海外の写真を公開しているのを見て「今年は海外旅行に行きたい」と考えたりします。
しかし、それは視覚によって得られた情報に惑わされている状態です。内側からの本当の願いでなければ、3日も経つと忘れてしまうでしょう。
これは“ヨガっぽい願い”であっても同じです。
例えば、ヨガの先生から「サステナブル(持続可能な)なライフスタイル」などの言葉を聞いてサンカルパとして決意したとします。しかし、思考で考えて実践すると本当の意味を取り違えてしまうことがあります。
「サステナブルな」と思考で考えていると、何となくトレンドに乗って“サステナブルっぽい”商品を買い集めるなど形から入ってしまうかもしれません。
ヨガマットをエコな素材に買い替えるにしても、今のヨガマットがまだ使えるのに捨ててしまったら廃棄物を増やすことになり本末転倒です。
持続可能な社会を考えるのであれば、すでにあるものをできるだけ使い切る方が地球のために優しいはずです。
外からの情報を自分のサンカルパを決めるときのヒントにするのはとても良いことですが、最終的には自分の言葉でサンカルパを決めて、「これは本当の私の願いか」と自分に継続的に問い続けるようにしましょう。
具体的にどんな願いがサンカルパになるの?
ここまでに、サンカルパの条件を2つ書きました。
- 生涯をかけて抱き続けられる願い
- 外からの情報ではなく、自分の内側からの願い
サンカルパは自分の内側に存在している本当の願いです。
では、どのように探すのでしょうか?
自分の内側の声を聞くために1番いい方法はヨガです。
例えば、アーサナの練習の後には身体も心も純粋性が高まっているので、自分の本当の声が聞こえやすくなっています。その状態で降ってくる願いは、本当の願いであることが多いです。
ヨガをしながら「今、心が愛にあふれて温かいな。この状態をもっと感じ続けたいな。」と思ったら、それがサンカルパになります。とても抽象的で難しいと思うかもしれませんが、「暖かい愛を感じて生きる」というのは、一生涯抱き続けることができるサンカルパです。
言葉にすると抽象的ですが、ヨガの練習の中で実際に体験した人にとっては、とても具体的なイメージになり得ます。
また、普段は仕事でも家庭でも論理的に相手を言い負かせるような会話ばかりをしている人が、1人になった瞬間に「なんか疲れた。もっとシンプルになりたい」と感じたら、それこそ自分の本当の願いなのでしょう。「シンプルに生きる」というのも立派なサンカルパです。
その誓いを守るために、嘘をつかないで正直に事実を話し、勝ち負けにこだわらないで生きられる人間関係を築き直すことができれば、人生を大きく変えることができます。
サンカルパは抽象的な言葉であっても、本人にとっての本当の願いであれば、具体的に叶える方法は後から自然と分かるようになります。
ヨガをしている人にとって「ヨガを誠実に実践する」というのも大きなサンカルパです。
しかし、「毎日1時間ヨガを練習する」など、具体的な言葉は避けた方が良いかもしれません。必ず1時間などと決めてしまうと、家族や仕事の状況が変わった時に同じサンカルパを抱き続けることができなくなってしまいます。
サンカルパを見つけたら繰り返し唱えることが大切
さて、サンカルパを決めても安心してはいけません。1年の抱負と同じで、せっかく決めても毎日思い出さないと簡単に忘れてしまいます。サンカルパは、毎日自分の深層心理に説き続けなくてはいけません。
自分の深いところに言い聞かせるためには、できるだけ思考が邪魔をしない状態で問いかけるべきです。
毎日瞑想をする習慣がある人は、瞑想の最後にサンカルパを唱えることで、自分の内側にサンカルパを刻むことができます。
ポピュラーな方法では、ヨガ・ニドラーの実践の最初と最後に唱える方法です。ヨガ・ニドラーでは、身体は休んで意識だけが働く「まどろみ」の状態を作ります。その状態では深い意識に到達しやすく、サンカルパを唱えるのにとても適しています。
もしも毎日瞑想をする余裕がない人であれば、1日で1番思考なクリアな寝起きに3回唱える習慣を作るのもおススメです。寝起きは忘れやすいので、最初はどこかに書いておかないと覚えていられませんが、1度習慣化すると自然と頭に浮かぶようになってきます。
サンカルパを心で感じて実践する
サンカルパで決めた誓いを実践するときには、心で感じながら実践することが大切です。
例えば「家族と幸せに生きる」というサンカルパを決意したとします。しかし、思考で考え過ぎると間違った実践をしてしまう可能性があります。
「家族に不自由を感じさせないために」と、連日残業して仕事を頑張った結果、経済的には恵まれても家族と過ごす幸せな時間が犠牲になっているかもしれません。
「子供には将来、良い人生を送って欲しいから」と、毎日喧嘩しながら宿題をさせていたら、親子関係が悪くなってしまうかもしれません。
もちろん、「子供と楽しく、愛されて過ごしたい」と思った結果、甘やかしすぎてワガママな子供に育ってしまうことがあるので、具体的な正解は見つけることが本当に難しいでしょう。
バランスを見つけることはとても難しいです。しかし、「本当にこれが幸せなのか?」と、毎日自分に問い続けることで、本来の目的を忘れずに、自分と家族にとっての幸せが何かを見つけることができます。
サンカルパは人生の指針
どうしてサンカルパを決意して唱えることが大切なのでしょうか?
それは、私たちの人生の道筋を間違えないためです。
自分が本当に願っていることは何か。それを見失うと、思考で物事を考えて、道を見失います。思考は常に変化し続けるものだからです。
サンカルパは思考で見つけることができないので、自分の内側との対話の時間が必要です。
いつも外に向いている意識を自分に向けて、自信のサンカルパを見つけてみましょう。