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ストレス社会の「休むツール」として注目をされつつある、リストラティブヨガ。リストラティブヨガの歴史は、そもそものヨガの歴史から比べると実はまだまだ新しいものといえます。
なんとなく、どんなヨガかイメージはついても、「実はリストラティブヨガって何か、ちゃんと説明できない」という方は多いのでは無いでしょうか。
この記事では、リストラティブヨガの歴史を、その考案者である、ジュディス・ハンソン・ラサター先生のストーリーとともにひも解いていきます。
そもそもリストラティブヨガとは?考案者ってどんな人?
「リストラティブヨガ」という名前は、英語の”Restorative”をそのままカタカナにしたものです。”Restore”(=回復する・修復する)という単語の形容詞にあたります。なのでRestorative Yogaは、「回復させるヨガ」「修復させるためのヨガ」という説明をされることが多いかもしれません。
リストラティブヨガは、一言でいえば「動かないヨガ」。ヨガの道具をたくさん使って身体を支え、完全な脱力状態をつくり、1つのポーズを長くキープするヨガというイメージを持たれている方も多いと思います。
指導者が内観を促す誘導をして、瞑想的で深いリラクゼーションが得られるヨガとしても知られています。
リストラティブヨガの歴史は、4500年以上もあるとされるヨガ自体の歴史から比べると実はまだまだ浅く、1990年代に確立ました。
では、リストラティブヨガはどのように生まれたのか?
考案者は、ジュディス・ハンソン・ラサタ―(Judith Hanson Lasater)先生です。ジュディス先生は、カルフォルニア大学で理学療法の理学士号を取得、1971年よりヨガの指導をされています。
リストラティブヨガの考案のみならず、これまでに数千人の指導者を輩出してきた、全米ヨガ界屈指の教育機関「アイアンガー・インスティチュート・オブ・サンフランシスコ」を設立。
さらに1975年には、あの「ヨガ・ジャーナル」誌を共同で出版、その後も編集顧問委員として、長きにわたり携わってきました。
リストラティブヨガの考案者であるジュディス先生は、現代ヨガにとても大きな功績をのこした偉大なヨガ指導者なのです。
なぜアイアンガーヨガがリストラティブヨガに?知られざるその成り立ちとは?
ジュディス先生は、BKSアイアンガー師の初期の弟子でした。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、アイアンガー師が創始者である「アイアンガーヨガ」は、アーサナの形(アライメント)を厳密に整えるヨガです。
アーサナのアライメントを身体の構造に合わせて、ち密に整えるために、ヨガの道具(プロップス)をたくさん使用するのがアイアンガーヨガの特徴の1つです。
アイアンガーヨガでプロップスに出会ったジュディス先生が、なぜ”ほとんど動かない”リストラティブヨガを考案したのか。
それは、ある出来事がきっかけでした。
彼女には双子のご兄弟(不確かですが、弟さんという説があります)がいましたが、そのご兄弟が亡くなり、深い悲しみの中、ヨガの練習をすることもできなくなってしまいました。
動く気力すらないジュディス先生は、その悲しみを癒す術として、横たわり、不快に感じるところには、ヨガのプロップスや、家にある枕やクッション、毛布、イスなどを支えにして、身体の緊張をすべて解いて「何もしない」ということを始めたのです。
理学療法士であった彼女がそもそも持っていた身体の知識に加え、アイアンガーヨガの練習で培った、アーサナのアライメントの知識、プロップス、呼吸法、シャバ―サナは、自然と彼女の「今、できること=休むこと」に寄り添い、リストラティブヨガが生まれました。
はじめは、動きたくない、何もしたくない、心身ともに疲れ果てたご自身のためにおこなっていたのです。
日本に於けるリストラティブヨガの歴史
日本にリストラティブヨガが入ってきたのは、誕生後約10年の時を経た2000年~2005年ごろといわれています。
ヨガの生まれはインドですが、現代ヨガのトレンドは北米~カナダの英語圏で生まれてきたものがほとんどです。同じく英語圏で生まれたリストラティブヨガも、日本語に訳され、伝わるのには時間がかかったようです。
2017年に発刊された、ラサタ―先生の著作で、TOKYOYOGAの創設者Chama先生が監修された「リストラティブヨガ~完全なリラクゼーションそして再生~」は、数少ない日本語で読めるリストラティブヨガのバイブルと言っても過言ではありません。
5年ほど前から、身体の動作に制限のある人や、高齢者の方へ、シニアヨガなどとともに、身体が思うようにうごかなくてもできるヨガとして注目され始めました。
ここ最近では、コロナ禍でストレスを感じる方の増加とともに、
- ストレスを緩和する
- 心身を回復する
- 自律神経を整える
こんな効果が期待されるヨガとして、さらに注目が集まっています。
現代社会にますます求められるリストラティブヨガ
先ほど挙げたように、自分の分身といっても過言ではない、双子のご兄弟を亡くしたジュディス先生は、1年間ほぼ毎日リストラティブヨガのポーズだけを実践したそうです。
そのおかげでジュディス先生は、
自分の悲しみを受け入れ、感情的な消耗と疲労から回復ができました
と著書でいいます。
その深い効果を直接体験したジュディス先生は、リストラティブヨガを体系化し、世の中に広めていきました。
リストラティブヨガの効果は、この、ジュディス先生の体験が全てを物語っています。
そして、ジュディス先生は著作にこうも記されています。
リストラティブヨガ・ポーズの実践に難しいことはありません。必要なプロップスを用意して、気持ちのよい空間い身を置き、そして落ち着いてリラックスするだけです。
リストラティブヨガは、心身回復のツールとして、誰にでも簡単に取り入れられるヨガなのです。
ヨガジェネレーションで受けられるリストラティブヨガの講座
ヨガジェネレーションでは、ジュディス先生から直接学びを受けた、ティアン・アラン先生、そのティアン先生の学びを受継ぐ川原朋子先生などによる、リストラティブヨガの講座がたくさん開催されています。
「寝る前のリストラティブヨガ」
「自律神経を整えるリストラティブヨガ~心と体が楽になる~」
https://shop.yoga-gene.com/program/31699-2/
「リストラティブヨガ体験クラス」
そして、日本にはまだまだ少ないリストラティブヨガの指導者になれる、養成講座が11月に開催される予定です。
「リストラティブヨガ指導者養成講座」
リストラティブヨガの本質と理論を詳しく学べる講座は、ここでしか受けられません!
現代社会に求められる「リストラティブヨガ」を実際に体験して、指導できるようになりませんか?
この記事は、
川原朋子先生による「自律神経を整える リストラティブヨガ集中講座」内で朋子先生がお話されたことと、ジュディス・H・ラサター先生による「リストラティブヨガ~完全なリラクゼーションそして再生~」を基に完成いたしました。