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前回に引き続き、日本車いすテニスナショナルチームトレーナーの増田拓(ますだ ひろし)さんのメディカルトレーナーのお仕事に、ヨガがどのように活かされているのか聞いていきます!
前編のインタビューはこちらの記事をご参照ください。
メディカルトレーナーがヨガと出合って気づいたこと
本を読んでみたら、ヨガは身体を動かすだけでなく「心」も大事にしていることがわかり、ヨガの精神世界ってとても良いものだと思いました。
インストラクターの方々はヨガの世界観を伝えるのが非常に上手で、「スポーツで身体を動かした後の達成感」とは違う達成感がありました。
ヨガマインドで「いかに自分と向き合うのか」を考える
「理学療法士と患者」「トレーナーと選手」という関係なので、以前は自分が前に出て引っ張るという立場でしたが、現在は同じ立ち位置で一緒に進むという考えになっています。
ヨガに出合うまでは、僕が患者様や選手へ「教える」という感覚でした。ヨガのマインドを参考にすることで、患者様や選手に自分自身のことを考えてもらうように促して、僕がそれをサポートするという考えに変わりました。
スポーツ選手がヨガをする目的・意味とは
選手によっては一定期間の隔離は相当な精神的なストレスがかかります。そのような状態でヨガをすると身体のコンディションを整えられますし、特に精神面のコントロールができていると実感しました。
有名なサッカー選手もヨガを取り入れているのが認知されつつあり、スポーツ選手がヨガをする時代になっているのだと思います。
これまではパフォーマンス向上のため筋力トレーニングやフィールドトレーニングなどで「身体を鍛えること」に目を向けられていましたが、ヨガで「自分と向き合う、自分を振り返る」ことの重要性が浸透してきているのではないでしょうか。
なのでこの記事を読んでいるヨガ指導者の先生方も、アスリートを指導する機会がこれから増えてくると思います。
スポーツ選手にとっての理想の環境とは
増田さん自身は、ヨガによって選手との向き合い方がどのように変化しましたか?
ただ試合をするだけの精神状態を作るように心がけています。何か不安なことがあるとそちらに意識がいってしまいそれがプレイに影響が出てしまう。
僕は、選手に普段から自分自身と向き合うように話をしています。こうすることで大一番の試合でも平常心を保つことができると考えています。
特に大会になると、観客もメディアも入るので目から耳からいろんな情報が入ってきます。それをシャットアウトして自分に集中できるかがポイントです。
ヨガの資格を取りたい人や現在ヨガを指導している人へ
以前レッスンを受けた先生は、解剖学の言葉を使わずに上手に指導されていました。僕は筋肉や骨の名称を使わずに指導するほうがなんか好きでしたね。
だから、最低限の解剖学を学んだら、いかに参加者にわかりやすく伝えるかキューイングの練習をしたほうが良いと思います。
ヨガ指導者にはもっとクラシックなヨガを参加者のみなさんに提供してほしいと思います。
僕もいまサポートしている選手とともに色々な目標があります。ぜひ一緒に頑張りましょう。チームの応援もよろしくお願いします!
いつもは解剖学をベースに「身体」のことをお伝えしていましたが、今回は車いすテニストレーナー増田さんのインタビューをお届けいたしました。
増田さんのお話が皆さんのヨガライフの新たな気づきとなりましたら幸いです。