記事の項目
みなさんは五月病について、どんなイメージを持っていますか?
「そんなものは気の持ちようだ!」と楽観視する人もいれば、「自分はメンタルが弱いからから心配……」と極度に恐れている人もいるかもしれません。
五月病は、誰でもなりうる症状です。だからこそ、適切に理解して対策する必要があります。今回は、五月病の概要と五月病にならないための方法を紹介します。
五月病とは?
「五月病」という言葉は広く認知されていますが、俗称であり、医学的な病名ではありません。
「五月病」の定義・意味
五月病とは、主にゴールデンウィーク明けに現れる倦怠感や無気力感を示します。しかし、五月病の定義はあいまいで、人によってイメージする内容が異なります。
五月病として一般的に挙げられる症状は、以下の通りです。
- やる気が出ない
- 外出したくない
- 根拠のない焦り・苛立ち
- 食欲の乱れ(食べすぎ・食べなさすぎ)
- 睡眠の乱れ(寝すぎ・寝なさすぎ)
- 強い頭痛・肩こり
医学的な分類でいうと、以下に該当する場合もあります。
- 適応障害
- 軽度のうつ
- 無気力症候群
五月病になる原因
五月病の原因はストレスによるものと考えられています。
4月は特に、多くのストレスを抱えやすい時期です。学校や職場などで新しい環境に移ったり、人との交流が増えたり、気温が変化したりすることで、私たちは無意識に心身の疲れをため込んでいます。
大型連休のゴールデンウィークで、「頑張ろう」という緊張の糸がふと緩むことによって、ストレスの蓄積が不調として現れてくるのです。
五月病になる可能性は誰にでもある
なんとなく「五月病は、社会慣れしていない若い人だけの症状」と捉えている人も多いのではないでしょうか。しかし実際は、世代・年齢を問わず、誰でも五月病にかかる可能性があります。
2017~2021年におこなわれた各アンケート調査では、以下のような結果が報告されています。
- 若手社会人(入社1~3年目)の4人に1人は「五月病になった」と感じていた(※1)
- ビジネスパーソンのうち、男性21.6%、女性25.0%が五月病になったことがある(※2)
- 働く女性のうち、仕事をしていて5月病かもと感じたことがある人は56.3%(※3)
心身の不調を他人事だと思わずに、自分を労わる気持ちを持つことが大切です。
五月病にならないための基本的な対策
五月病にならないための対策として、難しいことはひとつもありません。簡単なことから無理せずおこない、ストレス解消に役立ててみてください。
対策1:「完璧」への執着を手放す
仕事や私生活で完璧主義になりがちな人は、「100%」へのこだわりを少し緩めてみましょう。「70%でも十分OK♪」という言葉を口癖にすると、頑張りすぎを防ぐことができます。
対策2:身近な人と会話する
親しい友人や家族と会話をしてみてください。自分ひとりで考えごとをしていると、現実と想像したことの区別がつかなくなったり、マイナス思考にのみ込まれたりすることがあります。他の人に自分の悩みを素直に話すことで、気持ちや考えが整理されていきます。
対策3:丁寧に食事をする
丁寧に選んだ食べ物を、ゆっくり噛んでいただきましょう。脂っこいもの・甘いもの・お酒などのつい摂りすぎてしまうものを避け、バランスのとれた食材をじっくり味わいます。いつもTVやスマホを見て「ながら食い」をしてしまう人は、落ち着いて食事をすると、心をリラックスさせられます。
対策4:良質な睡眠をとる
睡眠の質は、日中のパフォーマンスに直結します。陽が沈んだら部屋の明かりを間接照明に切り替えるなどして、体内リズムを整えましょう。快適な眠りのために、寝具の見直しをするのもおすすめです。
対策5:適度に運動する
運動不足は万病のもと。身体を動かすことは、筋肉強化や血流促進だけでなく、気分をすっきりさせる効果もあります。ウォーキング、エクササイズ、ヨガなど、自分が「やりたい」「楽しそう」と思うものを選択してみてください。
ゴールデンウィーク中のおすすめの過ごし方
五月病対策にはいろいろな方法がありますが、たくさんタスクを増やしてしまうと、逆にストレスを感じてしまうこともあります。
「ToDoリストを増やしたくない」「ゴールデンウィークは無理せず休息をとりたい」という方におすすめの五月病対策は、ヨガを取り入れることです。
ヨガは以下のすべての要素を兼ね備えており、多方面から五月病予防にアプローチできます。
- 心地いい運動をする
- ストレスを解消する
- 自分の気持ちを整理する
- 夜にぐっすりと眠れる状態へ導く
ヨガをすると、身体と心の両方に働きかけ、規則正しい生活へのサポートにつなげられます。たっぷりと休息をとって、ゴールデンウィーク明けにすっきりとした気分にさせてくれるでしょう。
【ヨガジェネレーション関連記事】
五月病にならないために自分をよく観察しよう
五月病にならないためには、心身の疲れをため込まずにケアしていくことが大切です。
そのためには、まずは自分をよく観察すること。仕事や勉強に夢中になっているときには気付かなかった心や身体の反応に目を向け、労わってあげてください。
やる気や根性論だけで乗り切らずに、ぜひ自分が取り入れやすい方法で五月病対策をしていきましょう。
参考資料
- 一般財団法人日本予防医学協会「環境の変化が引き起こす『五月病』とは?」
- eo健康「その症状、うつになる前に!五月病対策」
- e-ヘルスネット「無気力症候群」
- fabcross for エンジニア「新社会人・若手社会人の意識調査」
- チューリッヒ生命「2018年 ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査」
- 女の転職type「5月病についてアンケート」