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近年、日常生活やビジネスの場で、「エシカル」「サステナブル」などの言葉をよく聞くようになりましたね。
しかし、エコ関連のあらゆる言葉について、全て「なんとなく環境にいい」という曖昧な理解で済ませている方もいるかもしれません。言葉の理解があやふやだと、見せかけだけのビジネスに騙されてしまったり、自分自身が誤情報を流してしまったりすることがあるので、注意が必要です。
そこで今回は、エコ関連の基本的な言葉について、意味や例文を解説していきます。それぞれの言葉の違いを理解すると、ヨガ・買い物・生活・仕事などのあらゆる面で自信のある選択をできるようになります。ぜひ今一度、確認してみてください。
エコとは
「エコ」は、生態学や自然環境を意味する「エコロジー(ecology)」の略語であり、和製英語です。
エコは主に「環境や人間に優しい・配慮する」という意味で使われます。サステナブルやエシカルなどの似たような言葉と比べて、圧倒的にキーワード検索数・トレンド数が高く、認知度が高い言葉といえます。(Googleトレンドの調査, 2022年5月)
〔エコの例文〕
- エコ活動に取り組んでいるボランティア団体を探す
- エコ意識を高め、小さなことから始めよう
エシカルとは
「エシカル(ethical)」は、英語の形容詞で「倫理的な」「道徳的な」という意味。日本語の「エシカル」が使用される際は、「エコ」よりも思いやり・気遣いなどのマインド面が重視されやすい傾向にあります。
また、人・社会・環境に配慮した消費行動を「エシカル消費」、人・社会・環境に配慮して作られたものを「エシカル商品」といいます。
〔エシカルの例文〕
- 地元の食材を地元のお店で買うことは、エシカル消費につながる
- ファッション業界はエシカルなモノ作りをするべきだ
フェアトレードとは
「フェアトレード(fair trade)」の直訳は、「公正な貿易」「公平な取引・売買」。主に、立場が弱くなりがちな原料・製品生産者から適正な価格で継続的に購入することを指します。
輸入製造過程や商品自体がフェアトレードかどうかを判断するには、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準や認証ラベルが活用されています。
〔フェアトレードの例文〕
- 貧困のない社会を作るために、フェアトレード商品を購入する
- 我が社もフェアトレード市場を拡大しよう
サステナブルとは
「サステナブル(sustainable)」は、「持続できる」「耐えられる」「維持できる」という意味。ビジネスや生活において、短期的な手段をとって目的達成するのではなく、長期的に継続できる仕組みを目指すときに多く使われます。
また、「サステナビリティ(sustainability)」は、「持続可能性」「継続できる能力」を指します。
〔サステナブルの例文〕
- 温暖化を抑止するため、サステナブルなビジネスで起業したい
- エコバッグを持ち歩くことは、サステナブルな暮らし方のひとつといえる
SDGsとは
「SDGs(エスディージーズ / Sustainable Development Goals)」は、「持続可能な開発目標」のこと。最後の文字が小文字なのは、目標が複数あることで、複数形のsが用いられたためです。
国連全加盟国が持続可能でより良い世界を目指して、2016年から2030年までに達成すべき目標を設定しました。SDGsに目を向けたビジネスや生活は日本でも広がっています。
〔SDGsの例文〕
- SDGsに参加している国は193か国ある
- SDGsを意識した取り組みは、ビジネスチャンスにもなる
それぞれの言葉の相違点と共通点
ここまで、「エコ」「エシカル」「サステナブル」「フェアトレード」「SDGs」について紹介してきました。
それぞれの言葉は目的や視点が異なるため、全く同じではありません。さらに言葉を使いやすくするために、各言葉の意味が連想させる要素を一覧にしました。
- エコ:地球環境・生態系への配慮、全般的
- エシカル:思いやり、倫理
- サステナブル:未来思考、長期的価値
- フェアトレード:正しい、公平さ
- SDGs:2030年、国際目標
全ての言葉には人間・環境への配慮が含まれています。また、アクションを起こすのは人間です。
例えば「”フェアトレード商品を購入する”というエシカル消費が、SDGsにつながる」というように、1つの行為が複数の意味を含んでいることもあります。
言葉の意味や違いを理解するとできること
一見同じように使われがちな言葉に関して、意味の違いを知ることはとても重要です。言葉をしっかり理解すると、以下の行動ができるようになります。
- 消費者として自分なりの選択基準をも持って買い物をする
- グリーンウォッシュではないか、注意深く判断する
- SNSやブログなどで説得力のある発信につなげる
(※グリーンウォッシュ:実体がないエコ活動や商品で消費者に誤解を与えること)
現在は「エシカル」「フェアトレード」などの言葉が世の中に広まったからこそ、実態を伴わない見せかけだけの手法(誇大広告・根拠のない調査結果など)に惑わされないように注意する必要があります。
言葉の定義は使う人や時代によって変化していきますが、常に理解しようと努めることが大切です。言葉を使いこなすと、確固たる判断基準を持ち、自信を持って発信できるようになります。
言葉を大切にすると、自分らしいヨガライフを送れる
言葉が生まれるところに、思考があります。現在エコに関する数々の言葉が普及してきたことは、私たちのエコ意識を高めるきっかけにもなるでしょう。
「なんとなくエコ」や言葉の受け売りから脱却し、「なぜ・何に配慮しているのか」「本当にエコなのか」を考えると、深い思考・理解・行動につながります。それは結果的に、地球や自分の心地よさに寄りそった選択になり、ヨガの練習にも影響してくるはずです。
参考資料
- 消費者庁「エシカル消費とは」