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バランスアーサナの好き嫌い
バランス系や逆転のポーズには、サーカスの曲芸師かオリンピックの体操選手さながらのとても難易度の高いものがあります。「私には出来ない」。そんなマイナスイメージが働いてしまいがち。一方で、ヨガ講師の方々に伺うと必ずこのような答えが返ってきます。
必ず出来るようになるから。
どうやら私たちは方法を知らないだけだったようなのです。
反復練習に加えてほしいヨガ解剖学のススメ
バランスアーサナを見よう見まねでやってみたことはありませんか?力技で同じようなポーズにもっていくことは可能かもしれませんが、それでは怪我のもと。それに闇雲な体育会系の反復練習ではからだを壊してしまいます。近道どころか、むしろ遠回りになってしまう可能性が高まります。
では何が近道となるのでしょうか?それはずばりヨガ解剖学を取り入れた練習です。内田かつのり先生があらゆる角度で伝え続けているヨガ解剖学。膨大な解剖学の知識をヨガで必要な部分だけを抽出し、有効活用できるようにカスタマイズしてお伝えしています。解剖学的視点から見るバランスのメカニズムの理解。怪我の予防と対策をはかりながら、日々の練習を効率にする解剖学という確固たる根拠に基づき、意識すべき点が明確になります。皆さんのバランスアーサナへの道において強い味方なること間違いなしです!
バランスが崩れるとき -呼吸の鉄則-
ヨガに欠かせない呼吸。呼吸は自律神経に大きな関わりがあります。吸うときには交感神経が、吐くときには副交感神経が優位になります。それは小さな緊張と緩和の繰り返し。呼吸を吐くタイミングで緊張が解けたとき、バランスを崩すことが多いそうです。
吸うときの緊張状態を、吐く時にも意識を集中させておくのがバランスの鉄則だよ。
(内田かつのり)
ヨガ解剖学は「今どこに効かせているのか」を明確に意識することがとても重要なポイントのひとつ。吐く呼吸のときに働いている筋肉へ意識を向けておくことは、バランスアーサナの難易度の関わらず、バランスを保つ為の鉄則だと内田先生はおっしゃっています。
バランスが崩れるとき -からだの鉄-
バランスが崩れてしまうフィジカル(肉体的)のポイントは筋力不足です。ポイントはどこの筋肉が筋力不足かということ。
たとえば「ジャンプインバカーサナが出来るようなりたい!」という生徒さんがいた場合、どのように寄り添ってあげられるでしょうか?
- 必要な筋肉を明確に提示する
- その筋力アップに有効なアーサナを選択する
- カウンターポーズ(逆の効果をもたらすポーズの組み合わせ)を取り入れる必要もある場合も
ターゲットとなる筋肉はひとつとは限りません。同じ体の部位でも複数の筋肉が混在しています。怪我のリスクを最小限に抑えながら、適切な順序で確実にゴールへと導いていくことが重要です。この時抑えておくべきことはジャンプインバカーサナに必要な筋肉を理解することです。
これをヨガ解剖学ではポジション分析と呼んでいます。解剖学の知識が大いに発揮される基本の「き」のにあたる重要なスキルです。解剖学をヨガに活かす術(すべ)こそがヨガ解剖学です。
○○アーサナのタネあかし
本記事のタイトル「バランスアーサナ上達への近道となる、誰もが知っているアーサナ」は、なんだと思いますか?それはチャトランガです。そしてチャトランガをヨガ解剖学的に理解し、実践し、さらに正しいアライメントの理解が重要となります。たとえば写真の男性、このアライメントは正しいでしょか?正しくないでしょうか?この理解がチャトランガがもたらす恩恵を享受しきれているかいないかを左右することになります。
「使いこなせる解剖学」こそがヨガ解剖学。それがアームバランスを上達させる安全で有効な練習を可能にし、近道となること間違いなしです。
ヨガ解剖学は生徒の要望に応えられるシークエンス作りに役立つ
手・肘・肩の位置関係はどうか、つま先・かかとはどうなっているのか、顔の向きはどうか、おしりに力を入れるのか入れないのか、体重は均等なのか手にかけるのか・・・正しいアライメントを知っていることが重要ではありますが、ヨガ解剖学はその先をいきます。
そのポーズをとっている間にからだに何が起きているのか、もしくは何を起こすのか、その動きや意識がどのように作用するのか、そのような理解をヨガに活かし伝えるのがヨガ解剖学の醍醐味です。目的の筋肉からアーサナを導く。それは生徒の要望に応えられるシークエンスを組むことに繋がります。
ひとつの目標を定めて努力している姿はそれだけで美しいですよね。うまくいかないことにチャレンジする気持ちや、逆境を楽しめる精神力は、マットをおりた日常でも大いに役にたつと思います。ゴールに近づくにつれて、からだへの負荷は強度を増していきますので、チャレンジする際にはぜひヨガ解剖学を取り入てください!