ヨギが知っておきたいカラダの知識【基本の筋肉15選】

ヨギが知っておきたいカラダの知識【基本の筋肉15選】

これだけは押さえたい!ヨガに必要な主な筋肉

私たちの体は約200個の骨と約600個の筋肉で成り立っているといわれています。けれども、すべての筋肉の名前を覚えなくてはいけないわけではありません。

ヨガ練習者としてこれだけは押さえたい、ヨガに必要な主な筋肉を知っていれば、クラス中に先生から筋肉の名前を使ってインストラクションを受けた時に、自然と意識できるようになります。ここでは、ヨギとして「これだけは最低限知っておきたい」という代表的な筋肉を15個ご紹介します。(ヨガに必要なすべての骨を網羅しているわけではありません)

上肢の筋

上肢帯に働く筋肉
上肢帯に働く筋肉

上肢帯に働く筋肉

前鋸筋(ぜんきょきん)

肩甲骨のインナーマッスル。肋骨の外側面から肩甲骨の内側縁にまたがる筋肉です。肩甲骨を前に押し出す動きで使う筋肉です。たとえば、腕で身体を支えるチャトランガダンダアサナバカアサナなどのハンドスタンドで前鋸筋を意識すると、アーサナがぐっと安定するようになります。

僧帽筋(そうぼうきん)

逆三角形の筋肉で、頭部~背骨にかけての突起から、鎖骨と肩甲骨の突起にまたがります。肩甲骨を背骨に近づけるなどの動きに使います。上半身を反らすアーサナのときに意識します。緊張を緩和するときにも働き、肩こりの主な原因になる筋肉です。

三角筋(さんかくきん)

腕を前方に持ち上げたり、頭上に上げたり、手を横に広げるときに使います。戦士のポーズⅠ、トリコーナアサナ、ダウンドッグなどほとんどのアーサナで大活躍する筋肉です。

広背筋(こうはいきん)
広背筋(こうはいきん)

広背筋(こうはいきん)

上腕骨、背骨、骨盤にかけて身体の中で、最も面積の広い筋肉。腕を後ろや下に引く動作で働く主力筋肉です。セツバンダアサナなど上体を反らせるアーサナではたらきます。

肘関節に働く筋肉

肘関節に働く筋、つまり肘の曲げ伸ばしに関わってくる筋肉です。

上腕二頭筋

肘を曲げ、力こぶをつくる筋肉。

上腕三頭筋

肘を伸ばすときに強く働く筋肉で、上腕二頭筋の裏側にあります。腕立て伏せで腕を伸ばす動作などで働きます。ヨガではチャトランガダンダアサナで強く働きます。

体幹の筋

体幹の筋
体幹の筋

体幹の筋肉は、腹圧を高めたり、脊柱(背骨)を伸ばしたり、曲げたり、ねじったりする動きをするときに働きます。

腹直筋

肋骨の下部から骨盤にかけて縦に広がる筋肉。仰向けの状態で膝を立てて、そこから上体を起こし胸を膝の方に近づけるような動き(腰を丸める動き)で働きます。ナバアサナ(船のポーズ)などで使います。

内腹斜筋・外腹斜筋

腰を丸めたり、上体をねじったりするときに使います。アルダマッツェエンドラアサナのような身体をねじるアーサナで意識してみるといいですね。

腹横筋

お腹の筋肉の中でもっとも深層にある筋肉で、お腹をひっこませて腹圧を高めるときに使うので、腹式呼吸のときには必ず使います。ほぼすべてのアーサナで使っている筋肉です。

下肢の筋

膝関節に働く筋肉
膝関節に働く筋肉

膝関節に働く筋肉

大腿四頭筋は太ももの前側の筋肉、逆に太ももの裏側の筋肉で代表的なのは大腿二頭筋です。大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つを合わせてハムストリングスといいます。

大腿四頭筋は膝を伸ばしたり、股関節を曲げたりするアーサナで使います。ハムストリングスは、逆に膝を曲げたり、股関節を伸ばしたりするアーサナで使います。

このように、一方の筋肉が収縮したら、もう一方の筋肉は弛緩する(ゆるむ)といったように相互に作用していることがわかりますね。

股関節に働く筋肉

大腰筋

背骨から大腿骨にまたがる筋肉で、姿勢の保持や歩行のためにとても重要な筋肉です。主に股関節を曲げるときに働き、股関節を外側に回すときにも働きます。ダウンドッグや、片脚の指をつかんで上げるウッティタ・ハスタ・パーダングシュタアサナなどのアーサナで働きます。

大臀筋

お尻の大部分を占める筋肉で、股関節を伸展させるときに働きます。ヨガでは、太ももを背中側に伸ばす動作、つまり戦士のポーズⅢなどで使います。

内転勤群

長内転勤、短内転勤など複数の筋肉を総じて内転勤群と呼びます。股関節を曲げる動き(屈曲)、内側に曲げる(内転)動作で働きます。
アーサナだとゴームカアサナ(牛の顔のポーズ)などで使います。

筋肉を学ぶためのおススメ本!

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ヨガ解剖学講師、内田かつのり先生が講座でも使っている参考書籍が、『カラー図解 筋肉のしくみ・はたらき事典』です。筋肉をCGで把握でき、筋肉の形状、付着する骨の部分などがとてもわかりやすく理解できるようになっています。

筋肉の名前と場所を知っているだけでは実際に使える知識とはいえません。その知識を実際にヨガの中で引き出すことができ、使えるようになってこそ本当の学びとなります。ぜひ、ヨガ解剖学の講座やワークショップ、またその他のヨガクラスで知識とスキルを深めてください。