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疲れ、ストレス…夜には脳も体もぐったりと疲れていませんか?
- 仕事、人間関係…ストレスが蓄積し、夜にはぐったり
- 一日の出来事で頭にも心にも疲れがたまっている
夜、一日を終える頃、こんな感覚をもつ方も多いのではないでしょうか。
もしできることなら、蓄積した疲れやストレスを、すっきりと洗い流して、翌日には持ち越さずに一日を終えたいものですよね。
そこで注目したいのが、癒しホルモン・愛情ホルモンともよばれる脳内物質・オキシトシン。
昨今の研究でオキシトシンは、性別や年齢問わず関係するホルモンであることがわかってきています。そして、ストレスを洗い流すという、現代社会で生きる私たちにとって見逃すことのできない重要な効果ももっているそうです。
そこで、東邦大学医学部名誉教授でセロトニンDojo代表、セロトニン研究第一人者・医学博士で脳生理学者の有田秀穂先生に、癒しホルモン・オキシトシンがどんな物質であるか、また活性化されることでもたらされる効果を交えながら、オキシトシンの活性化につながる「夜のおすすめの過ごし方」について伺いました!
ストレス社会に生きる私たち。ストレスが蓄積することによる影響とは?
癒しホルモン・愛情ホルモン…オキシトシンってどんな物質?
癒しホルモン、または愛情ホルモンとよばれることもあるオキシトシン。
・母子の間で分泌が促進される
・スキンシップで増える
といったイメージをもつ方も多いかもしれません。
どのような物質なのか、早速、有田秀穂先生に伺ってみましょう。
オキシトシンを増やす!夜のおすすめの過ごし方
ストレスを鎮めてくれるという重要な役割をもつオキシトシン。次に、オキシトシンの増やし方について教えていただきました。
マッサージによる心地よい触れ合い
オキシトシンを脳の中で分泌させる第1の方法は、心地よく触れ合うことです。一番分かりやすいのはマッサージ。ポイントは皮膚を心地よく触ることです。街なかには、マッサージ、エステ、足のマッサージ、ヘッドマッサージ・ヘッドスパなどが多くあります。それらはオキシトシンを増やすという点で、とても理にかなった方法だということが、脳科学では裏付けられてきております。心地よい皮膚の触れ合いを、一定時間(30分程度)すると、癒しの物質であるオキシトシンが脳にでて、ストレス中枢を鎮めて、脳からストレスを消してくれることにつながります。
ペットとの心地よい触れあい
第2のオキシトシンを増やす方法は、ペットとの触れあいです。現代のペットブームで、ペットを飼っている人も多いはずです。ペットと触れ合う時間を一定時間もつと、そのあとリラックスして、癒される状況を多くの人が感じているはずです。これも一種の心地よい触れ合いと言えます。ペットと人間との触れあいにおいて、ペットが癒されると考えている方も多くいますが、何よりも人間がそれによって癒されているということが、研究で明らかになっております。
グルーミング行動
第3のオキシトシンを増やす方法はグルーミング行動です。仕事の後でちょっと一杯飲むという行動も、一種のグルーミング行動と言えます。
グルーミングでイメージしやすいのが猿の毛づくろいです。彼らは群れというストレスのかかる環境の中で、かなりの時間、のみ取り・グルーミング行動で皮膚を触り合っています。人間の場合のグルーミング行動は、おしゃべりだということが脳の研究でわかってきています。
気ごころが知れ、心を許し合った友人、恋人、家族と、直接触れ合わずおしゃべりをするだけでも、同じグルーミング行動として脳の中のオキシトシンを増やしてくれるということが、研究で明らかになっています。さらに家族の場合は、子どもとレスリングや相撲をしたり、子どもや赤ちゃんをマッサージしてあげることもオキシトシン分泌につながります。
一日の疲れをその日のうちに洗い流す。脳内物質を知り、生活に活かす
これまでだったら、ストレスを抱えて家まで持ち帰ってきてしまっていましたが、自分のストレスに対して「できること」を積極的にプラスすることで、少し先の自分の状態はつくれるのだと実感した瞬間でした。
今回の記事の元となった、ヨガジェネレーションYouTube動画はこちら
有田先生による「脳内ホルモン基礎講座」開催中!
脳内物質セロトニン、そしてオキシトシンを35年以上研究されてきた、世界的権威の有田秀穂先生に、今回貴重なお話を伺うことができました。
ストレスと無縁で過ごすことが難しい毎日のなかでも、脳内に備わった自分自身をケアする方法を知っているかどうかが重要だとわかる、とても興味深い内容でした。
今回の記事で、幸せホルモンや脳内物質について、興味がでてきた方には、有田秀穂先生による「脳内ホルモン基礎講座」がおすすめです。
セロトニン・メラトニン・オキシトシンといった脳内物質の特徴や相互関係、活性化の方法について研究結果にもとづきさらに深く学ぶことができます。
例えば、オキシトシンに関して、心地よい触れ合いをした後、ストレス緩和に至るまで、『脳内の神経回路や物質伝達でどのような働きが起こっているのか』といった、深い内容にも迫ります。しっかりと学ぶことで、より自信をもって、自身のケアやヨガクラスに盛り込んで伝えることができるようにもなるはずです。ぜひチェックしてみてくださいね。
今回、有田先生にご紹介いただいた、ストレスを解消してくれるオキシトシンの分泌を促す生活習慣は、どれも身近な方法ばかりなので、早速今日から活かしてみてくださいね。