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オキシトシンを活性化「夜のおすすめの過ごし方」セロトニン研究者/有田秀穂

疲れ、ストレス…夜には脳も体もぐったりと疲れていませんか?

暗い表情でパソコンに向かう女性
疲れ、ストレス…夜にはずっしりと蓄積していませんか?
  • 仕事、人間関係…ストレスが蓄積し、夜にはぐったり
  • 一日の出来事で頭にも心にも疲れがたまっている

夜、一日を終える頃、こんな感覚をもつ方も多いのではないでしょうか。

もしできることなら、蓄積した疲れやストレスを、すっきりと洗い流して、翌日には持ち越さずに一日を終えたいものですよね。

そこで注目したいのが、癒しホルモン・愛情ホルモンともよばれる脳内物質・オキシトシン

昨今の研究でオキシトシンは、性別や年齢問わず関係するホルモンであることがわかってきています。そして、ストレスを洗い流すという、現代社会で生きる私たちにとって見逃すことのできない重要な効果ももっているそうです。

そこで、東邦大学医学部名誉教授でセロトニンDojo代表、セロトニン研究第一人者・医学博士で脳生理学者の有田秀穂先生に、癒しホルモン・オキシトシンがどんな物質であるか、また活性化されることでもたらされる効果を交えながら、オキシトシンの活性化につながる「夜のおすすめの過ごし方」について伺いました!

ストレス社会に生きる私たち。ストレスが蓄積することによる影響とは?

ストレスとウェルネスのサイコロ表示 yoru_oxytocin_0_1
脳や体へのストレス蓄積の影響は見過ごせません
セロトニン研究者の有田秀穂先生
セロトニン研究者の有田秀穂先生
一日生活すると誰でも疲れがたまり、ストレスが溜まるものです。それをすっきりと脳や体から洗い流せればそれに越したことはないですよね。この20年くらいの間に、積極的に脳の中のストレス中枢を鎮めてくれるありがたい物質が発見されています。
日々溜まりがちなストレスですが、そもそもストレスは体にどのような影響があるのでしょうか。
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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セロトニン研究者の有田秀穂先生
セロトニン研究者の有田秀穂先生
私たち誰の脳の中にも、ストレスに反応するストレス中枢というものがあります。ストレス中枢が興奮し、ストレスホルモンが体に分泌されると、高血圧、糖尿病、免疫抑制により風邪をひきやすくなるなど、さまざまなストレス性の病気が引き起こされやすくなります。
病気の原因にもなりえるストレス…できれば脳や体にためたくないですね。
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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癒しホルモン・愛情ホルモン…オキシトシンってどんな物質?

癒しホルモン、または愛情ホルモンとよばれることもあるオキシトシン。

・母子の間で分泌が促進される
・スキンシップで増える

といったイメージをもつ方も多いかもしれません。

どのような物質なのか、早速、有田秀穂先生に伺ってみましょう。

セロトニン研究者の有田秀穂先生
セロトニン研究者の有田秀穂先生
ストレス中枢を積極的に鎮めてくれる物質、一種の自然治癒力とも言えるオキシトシンが、私たちの脳の中にあるということが見つかり、脳科学の研究が一気に進んでいます。さらにいくつかの生活行動が、オキシトシン分泌を増やしてくれることがわかってきました。夜、積極的にストレス中枢を鎮めると、ストレスホルモンも減り、いい睡眠にもつながります。
溜まったストレスをしっかりその日のうちに洗い流す。これこそ、夜のおすすめの過ごし方のポイントになりそうですね。
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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セロトニン研究者の有田秀穂先生
セロトニン研究者の有田秀穂先生
オキシトシンについては昔から、母親のお乳を子が吸うと脳の中のオキシトシンが増えて、乳腺からたくさんお乳を出すという生理学的な働きが知られていました。しかし20年ほど前から、未婚の女性も、男性も、子供も高齢者も、人間は皆、オキシトシンを出してストレス中枢を鎮めるということが研究で明らかになってきました。
ストレスを鎮める機能が、わたしたちの体には既に備わっているのですね!驚きです。
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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オキシトシンを増やす!夜のおすすめの過ごし方

ストレスを鎮めてくれるという重要な役割をもつオキシトシン。次に、オキシトシンの増やし方について教えていただきました。

マッサージによる心地よい触れ合い

マッサージ中の女性 yoru_oxytocin_1
心地よい触れ合いの代表例、マッサージ

オキシトシンを脳の中で分泌させる第1の方法は、心地よく触れ合うことです。一番分かりやすいのはマッサージ。ポイントは皮膚を心地よく触ることです。街なかには、マッサージ、エステ、足のマッサージ、ヘッドマッサージ・ヘッドスパなどが多くあります。それらはオキシトシンを増やすという点で、とても理にかなった方法だということが、脳科学では裏付けられてきております。心地よい皮膚の触れ合いを、一定時間(30分程度)すると、癒しの物質であるオキシトシンが脳にでて、ストレス中枢を鎮めて、脳からストレスを消してくれることにつながります。

ペットとの心地よい触れあい

膝の上に犬と猫を載せている人
ペットとのふれあいも、脳からストレスを洗い流してくれる大切な時間です

第2のオキシトシンを増やす方法は、ペットとの触れあいです。現代のペットブームで、ペットを飼っている人も多いはずです。ペットと触れ合う時間を一定時間もつと、そのあとリラックスして、癒される状況を多くの人が感じているはずです。これも一種の心地よい触れ合いと言えます。ペットと人間との触れあいにおいて、ペットが癒されると考えている方も多くいますが、何よりも人間がそれによって癒されているということが、研究で明らかになっております。

グルーミング行動

会社帰りに飲んでいるサラリーマン
ちょっと一杯…その時間も、ストレスを解消するグルーミング行動の一種

第3のオキシトシンを増やす方法はグルーミング行動です。仕事の後でちょっと一杯飲むという行動も、一種のグルーミング行動と言えます。

グルーミングでイメージしやすいのが猿の毛づくろいです。彼らは群れというストレスのかかる環境の中で、かなりの時間、のみ取り・グルーミング行動で皮膚を触り合っています。人間の場合のグルーミング行動は、おしゃべりだということが脳の研究でわかってきています。

気ごころが知れ、心を許し合った友人、恋人、家族と、直接触れ合わずおしゃべりをするだけでも、同じグルーミング行動として脳の中のオキシトシンを増やしてくれるということが、研究で明らかになっています。さらに家族の場合は、子どもとレスリングや相撲をしたり、子どもや赤ちゃんをマッサージしてあげることもオキシトシン分泌につながります。

猿は毛づくろいで、人間は人やペットとの心地よい触れ合いやおしゃべりで…普段わたしたちが何気なく行っていることも、脳科学的にはストレス解消・オキシトシン分秘につながることと言えるのですね!
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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セロトニン研究者の有田秀穂先生
セロトニン研究者の有田秀穂先生
仕事のあと、屋台や赤提灯で”ちょっと一杯”いう行動や、立ち話、お茶をしながらのおしゃべりなど、間違いなく人間のグルーミング行動で、オキシトシンを増やす行動です。話の内容というよりもその行動そのものが、ストレス中枢を癒すと言えます。時間にするとそれほど長い必要はないんです。アルコールを交えながらでも、ハーブティーでも、さらには立ち話でも、おしゃべりを一定時間すると、脳のなかで癒し物質オキシトシンが出て、ストレス中枢を鎮めてくれるのです。

マッサージに行く、ペットと触れ合う、おしゃべりをする…これまでも、なんとなく自分にとってご褒美のような時間だな、息抜きの時間だな、とは感じていましたが、ストレスを洗い流してくれる脳内物質、オキシトシンが関わる脳科学的な裏付けがある行動だったのですね!
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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セロトニン研究者の有田秀穂先生
セロトニン研究者の有田秀穂先生
たったそれだけでいいの?と思われるかもしれませんが、これらの方法はどれも脳科学的には間違いなく一日のストレスや疲れをとってくれる、セラピーのような役割を果たす生活習慣だと考えられます。

一日の疲れをその日のうちに洗い流す。脳内物質を知り、生活に活かす

私も以前ストレスが多くかかった日に、有田秀穂先生のアドバイスを実践しようと、マッサージに行ったことがありました。帰り道には、あれほどきゅっと張りつめていた心にゆとりが生まれたような、ほかほかと幸せなきもちでした。
これまでだったら、ストレスを抱えて家まで持ち帰ってきてしまっていましたが、自分のストレスに対して「できること」を積極的にプラスすることで、少し先の自分の状態はつくれるのだと実感した瞬間でした。
ヨガジェネレーション企画部なおこ
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今回の記事の元となった、ヨガジェネレーションYouTube動画はこちら

有田先生による「脳内ホルモン基礎講座」開催中!

脳内物質セロトニン、そしてオキシトシンを35年以上研究されてきた、世界的権威の有田秀穂先生に、今回貴重なお話を伺うことができました。

ストレスと無縁で過ごすことが難しい毎日のなかでも、脳内に備わった自分自身をケアする方法を知っているかどうかが重要だとわかる、とても興味深い内容でした。

今回の記事で、幸せホルモンや脳内物質について、興味がでてきた方には、有田秀穂先生による「脳内ホルモン基礎講座」がおすすめです。

セロトニン・メラトニン・オキシトシンといった脳内物質の特徴や相互関係、活性化の方法について研究結果にもとづきさらに深く学ぶことができます。

例えば、オキシトシンに関して、心地よい触れ合いをした後、ストレス緩和に至るまで、『脳内の神経回路や物質伝達でどのような働きが起こっているのか』といった、深い内容にも迫ります。しっかりと学ぶことで、より自信をもって、自身のケアやヨガクラスに盛り込んで伝えることができるようにもなるはずです。ぜひチェックしてみてくださいね。

今回、有田先生にご紹介いただいた、ストレスを解消してくれるオキシトシンの分泌を促す生活習慣は、どれも身近な方法ばかりなので、早速今日から活かしてみてくださいね。

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