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2022年も、残りわずかとなりました。皆さんは、どのような年の瀬をお過ごしでしょうか?
“師走” というだけに、すでにあちこち走り回っているような状況だったり、世の中もそのスピードで流れていくことが多いこの時期…。それだけでつい交感神経が煽られがちですが、年末ならではの特別感はそれはそれで楽しいものです。
人との交流が自律神経を整える。
クリスマスパーティーや忘年会。人と人が実際に顔を合わせて同じ場所に集うことも、自律神経のバランスを整える上で、大切な役割を果たしてくれるもの。
わたしたち人間は、社会動物です。
さらに言えば、哺乳類として、もともと群れで互いを守り合うという習性を持っています。
心底「安心」「安全」を感じるためには、誰もが他者の存在を必要としていて、自分も誰かの「安心」「安全」の一端を担っているということになるのです。
セルフケア(ご自愛)はコミュニティケア(ご慈愛)
繋げよう、繋がろうとしなくても、自律神経の働きを通して、常に誰かや何かと交流しながら生きているわたしたち。
周りで起きていることが自分のストレスを高めたり、リラクゼーションを深めてくれるのと同じように、自分の在り方が自ずと周囲に影響していくものです。
そう考えれば、自律神経を整え、こころもカラダもなるべく本来の健やかな状態を保つためにする “セルフケア(ご自愛)” は、その恩恵が他の人たちにも届いて行く“コミュニティケア(ご慈愛)” でもあることが分かります。
そのとき「自分」と「誰か」の垣根は、一体どこにあるでしょうか?「わたし」のためにしていることが、自然と「わたしたち」のためにもなるのなら、そもそも「わたし」という概念が変わり、より大きく広がっていくような気がしませんか?
スピリチュアルな概念にとどまらない「ワンネス(Oneness)」
「わたし」は常に「わたしたち」の一部であること。ヨガは、そういった自分の存在の本質を探究し、体感を通して理解していく手段の一つです。
肉体という形(プラクリティ)であるだけでなく、すでにこうした目に見えない大きな繋がりの中に生かされていることが分かると、自ずと魂(プルシャ)としての自分に目覚めていけるようになります。
その一体感、英語でいうワンネス(Oneness)は、スピリチュアルな概念として美しいだけでなく、自律神経というわたしたちの生理機能を考えれば、事実そのもの。
共に繋がり合い、今を生きているわたしたちは、その存在がすでに “ヨガ(結合、融合)” でもあるのです。
来年からは新連載スタート!2023年もどうぞよろしくお願いします。
この記事が一年の連載の締めくくりとなりますが、来年からは “自律神経” により重きを置いた内容で、新しい連載が始まります。もし宜しければ、是非引き続きお付き合いください。
皆さんと、皆さんの大切な方たちにとって、どうぞよい一年の締めくくりでありますように。
“Yoga means to join, but to join what? We are one from the beginning; we only have to see it.”
~Jean Klein「ヨガは結合という意味だが、果たして何と結合するのか。わたしたちは初めからひとつだ。そのことを理解するだけでいい」
(ジャン・クライン/和訳: 川原朋子)