元看護師が伝える!タダーサナで足は開く?閉じる?

元看護師が伝える!タダーサナで足は開く?閉じる?

あなたはタダーサナをおこなうとき、足は開いていますか?閉じていますか?

ヨガの立ち姿勢の基本ポーズである「タダーサナ(山のポーズ)」は、太陽礼拝の最初と最後ポーズでもあり、簡単そうに見えて、とても奥の深いポーズです。

指導者によっても、足幅についてのリードは違うことがあり、「どちらが正解なの?」と思う方もいらっしゃるかも知れません。

また、インストラクターの方々は、どんな根拠を持って、足幅のインストラクションをしているでしょうか?

今日はタダーサナの足幅について、ヨガの歴史と、解剖学の観点からお話ししていきます。

誰のためのヨガ?

インドの若い男性がヨガをする様子
インドの若い男性がヨガをする様子

元々ヨガは、若い男性だけのものでした。

インドに古くからある、カースト制(ヒンドゥー教における身分制度)で、第二階級クシャトリア(王族や武士)の若いインド男性のみが、修練法としてヨガを学んでいました。

そのため、アーサナも若い男性の骨格に合わせて考えられており、伝統的なヨガ流派では、足を閉じてタダーサナを取ることが多いです。

しかし現在、ヨガといえば女性というイメージが強くなるほど、ヨガの人口は女性が多いです。

男女の骨格の差
男女の骨格の差

男女の骨格の差、特に骨盤の形から見る膝の角度を考慮した場合、女性が足を閉じてタダーサナを取ると、膝に負担がかかる可能性があります。

そのため、現代のヨガ流派では、足を開いたタダーサナをとることが多くなってきました。

タダーサナの足幅による効果の違い

タダーサナの足幅
タダーサナの足幅

足幅の違いにおける、タダーサナそれぞれの、効果も考えてみましょう。

足幅の広いタダーサナ

足幅の広いタダーサナ
足幅の広いタダーサナ

支持基底面、何かを支える際に基礎となる底の面積は、足幅が広いほうが大きく、その分安定します。

つまり、足幅の広いタダーサナでは土台が安定する分、安全で、リラックス状態を保つことができます。

しかしその反面、筋力を使えていなくても正しいポーズに見えやすいといったデメリットもあります。

足を閉じたタダーサナ

足を閉じたタダーサナ
足を閉じたタダーサナ

足を閉じたタダーサナでは、膝へのストレスがかかる可能性がありますが、集中力が必要であり、バランス感覚の向上や、内転筋群への刺激を期待することができます。

歴史の中で進化するヨガ

ヨガの歴史は長く、その時代の必要性に応じて、ヨガも進化しています。

そもそもヨガは、肯定の心を育み、ジャッジしない精神を教えています。

どちらが良い、悪いではなく、不正解もありません。その寛容さがヨガなのです。

よって、タダーサナの足幅も、どちらも正解です。

それぞれのメリットや、デメリットを知った上で、場面に応じて、根拠を持って選ぶことができるといいですね。