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自分にとって「最高のパートナー」とはどんな人なのでしょうか? お金持ちの人? 優しい人? 自分のことを愛してくれる人?
最近話題のアーユルヴェーダ。
アーユルヴェーダとは、それぞれの人の性質に合わせた健康法で身体だけでなく心にも作用し、予防、治療はもちろん、健康な人をさらに健康にする「古代インドの生命の科学」というのがコンセプト。そのコンセプトにそって、自分にとっての「最高のパートナー」を考えていきます。
アーユルヴェーダの3つの性質(トリドーシャ)とは?
世の中のものはすべて、私たち人間も5つの元素(風・空・火、水、土)でできているというのがアーユルヴェーダの考え方。そして、それぞれの要素には特徴的な性質があります。
- 空:軽い、柔らかい、クリア、無限、活動的、拡大
- 風:軽い、粗い、クリア、ドライ、冷たい、粗い、行動
- 火:軽い、粗い、シャープ、ドライ、熱い、繊細
- 水:重い、柔らかい、ぬるぬる、オイリー、鈍い
- 地:重い、固い、鈍い、濃い、鈍い
この5つの元素の構成やバランスによって、私たちは3つの体質(トリドーシャ)に分けられます。
- Vata(ヴァータ):空・風、動きのエネルギー、(性質)冷性、乾性、変動性など
- Pitta(ピッタ):火・水、変換のエネルギー、(性質)熱性、油性、鋭性など
- Kapha(カパ):地・水、安定のエネルギー 、(性質)油性、重性、緩慢性など
※二つのドーシャを併せ持つ人もいます。「ヴァータ・ピッタ」、「ピッタ・カパ」など。
この性質(ドーシャ)は私たちの身体はもちろん心にも影響をもたらしています。以下はそれぞれの性質が身体と心にもたらす影響の一例です。
- Vata(ヴァータ):「乾性」皮膚や髪の乾燥、「変動性」活動的(動き回る)、生き生きとしている
- Pitta(ピッタ):「熱性」身体に熱がたまりやすい、情熱/怒りの感情、「鋭性」口調や眼光が鋭い
- Kapha(カパ):「油性」肌や毛がしっとりしている、艶、「緩慢性」動作が遅い、穏やかな性格
アーユルヴェーダは食事法や生活週間を何か一つが正しいとしているのではなく、自身が持っているそれぞれの性質に合わせて対応していくことが最も良いとしています。
ドーシャの偏りが引き起こす問題
ヨガでは「中庸」や「サットヴァ(純性)」のように、なんの偏りもなく調和が取れている状態が良しとされています。アーユルヴェーダでも、このドーシャのバランスが崩れることで不調和(心身への悪い影響)がでるとされています。
以下はそれぞれの調和・バランスの乱れ(自分のドーシャに偏りすぎること)による心身への影響の一例です。
Vata(ヴァータ)
- 調和:活発で行動的、順応性や理解力が高い、想像力豊か、好奇心旺盛
- 原因:運動や旅行など動き回り過ぎ、不規則な生活。環境の大きな変化。笑すぎ、しゃべりすぎ
- 不調和:睡眠が浅くなる、心の浮き沈みが激しくなる(不安、心配、緊張)、浪費、血行や排泄が滞る、冷え症など
Pitta(ピッタ)
- 調和:情熱的でリーダータイプ、知的、勇気やチャレンジ、身体も柔軟で艶やかな皮膚
- 原因:競争や頑張りすぎ、細かいところを気にしすぎる、アルコールや辛いものをとりすぎ
- 不調和:イライラや感情の興奮、毒舌で批判的、完璧主義やプライドに固執する、ニキビや口内炎、口臭・体臭
Kapha(カパ)
- 調和:愛情深く献身的、落ち着いていて穏やか、コツコツと努力、体力・持久力がある
- 原因:寝すぎ(二度寝や昼寝)や日中にダラダラしすぎる、変化のない生活、自分の意見を言わない、人の意見を聞かない、食べ過ぎ
- 不調和:こだわりすぎる・頑固、保守的で変化を嫌がる、身体が重く常に眠い、太る、代謝が悪くなる、自分を否定する
このバランスの乱れ(ドーシャの偏り)を改善するには、反対の性質のものをとりいれていくことが良いとされています。
バランスの乱れ:ドーシャ別の対処法
Vata(ヴァータ)
- 規則正しい生活で心身を休息させる、温かいものを食べ、温かいオイルでマッサージする
- 身体も心も動き回り、波立つ心を優しく鎮めることが大切
Pitta(ピッタ)
- 頑張りすぎずにありのままを受け入れ、心身をクールダウンさせる、野菜やフルーツなど身体を冷ますものを食べる
- 身体の中の余分な「熱」をクールダウンさせることが大切
Kapha(カパ)
- 二度寝や昼寝をしない、日光を浴びたり運動をして身体に熱を生む、冷えと湿気を避ける、軽い食事
- 身体の中に水やエネルギー、老廃物を溜め込まず、動かすことが大切
ドーシャを補い合えるパートナー
ここまで各性質の心身の特徴やバランスの乱れから起こる不調和、その対処法をみてきました。けれど、ついつい忙しさや誘惑に負けてドーシャが乱れてしまうのが現代人。「規律ある生活(タパス)」はとても難しいですね。そこで一緒に過ごすパートナーと足りないものを補い合って、ドーシャのバランスを取るのはいかがでしょうか?
ドーシャ別、おすすめなパートナーの見つけ方
Vata(ヴァータ)
ついつい予定を詰め込み忙しくしがちで新しいことに目がいきがちなヴァータさんには、ゆっくりとしたリズムで愛情深く包み込んでくれる、コツコツと物事を根気強く進められるカパの要素を持った方がおすすめ。
Pitta(ピッタ)
頑張りすぎたり、ついつい完璧主義なゆえにイライラしがちなピッたさんには、落ち着いて穏やかなカパの要素、または、柔軟な発想をもっているヴァータの要素を持った方がおすすめ。
Kapha(カパ)
変化のない生活の中、自分の殻に閉じこもってしまいがちなカパさんには、活発で行動的、好奇心旺盛で太陽のもと元気に動き回るなヴァータの要素を持った方がおすすめ。
まとめ
お互いの長所が、パートナーの不調和を整え合えるという幸せ。一生のパートナーがそんな相手で、自分も相手を支えられるなんて最高ですよね。
(生命を楽しみ尽くすもの、それがアーユルヴェーダである)
みなさまも、自分のドーシャの乱れを補い合える「最高のパートナー」を選び、生命を楽しみ尽くしましょう。
執筆:tomoyo