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20分のプラクティスで4時間の睡眠に値する――
ヨガニードラについて、このような表現を耳にしたことはありませんか?
こんにちは、ヨガジェネレーションのなおこです。
“眠り”を意味するサンスクリット語、nidra。
・頭がとてもすっきりした!
・心が落ち着き癒された!
ヨガニードラを一度でも体験されたことのある方は、このように感じられたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
今日の記事はここからが本題。
“なぜそれほどの変化が起きているのか?”
そんなヨガニードラ実践者の9割が知らないことに迫りたいと思います!
伝統的なヨガニードラは9段階に及ぶ
改めて、ヨガニードラとはどんなヨガなのかを整理してみましょう。
教えてくださるのは、イシュタヨガ日本の第一人者マック久美子先生。ヨガジェネレーションYouTubeの中で、このように教えてくださいました。
仰向けのシャヴァ―サナの状態で、インストラクターのリードに従ってニヤサ(意識の位置づけ)を自分の内側に向けていくのがヨガニードラ。
ヨガニードラが何段階で構成されるのかは流派によるそうなのですが、伝統的なイシュタヨガのヨガニードラは、アーサナから入り、ボディスキャン・相反するエネルギー、短い視覚化、長い視覚化、ビジュアライゼーション・サンカルパなど…そのプロセスは9段階に及ぶそう。
体を動かしたわけではなく、誰かにマッサージをされたわけでもないのに、体全体の力が本当に抜ける、心や体が本当にリラックスしてほんのりした状態になっていく。99%の方をリラックスに導いてくれる、それがヨガニードラです。
ヨガニードラ中、脳では何がおこっている?
そんな深いリラックスを与えてくれるヨガニードラを理解する上で、欠かせないのが脳との関係。
脳生理学の世界的権威・有田秀穂先生はこのように教えてくださいました。
脳っていうのは、起きているときはβ波、目をつぶるとα波、うとうとするとΘ波、寝ているときはδ波…と間違いなくどんどん脳波が変わっていくんです。
起きているとき、寝ている時、その間…一日の中でも、それだけ細かく脳波に変化が起きているということに驚きます。
脳波というのは大脳の活動の働きのレベルを表しています。ヨガや座禅をやると、脳波が起きていながら覚醒レベルを落としてくれるんです。脳波とヨガや座禅は間違いなく関係しています。
なんと、ヨガと脳波にも関係が深いそう!私たちがヨガを実践するときに味わう、思考ではなく感覚に意識が向いている状態も、脳科学の視点からみると理にかなっているのかもしれません。
気になるのは、どんなヨガでも良いのか?という点。確かにヨガであればその種類によらず、気持ちがいいな~と思ったり、動きながらにして瞑想状態を味わえたり…という感覚はありますが、通常のヨガとヨガニードラにはどんな違いがあるのでしょうか。
アーサナが主体のヨガ=覚醒のいい状態を演出するとすれば、私たちがこれから休むというときのベストな状態に移行してくれるひとつのメソッドであると思います。脳内で覚醒のいい状態はセロトニン、ヨガニードラの場合には私たちの癒しに関係し、睡眠の導入にベストな脳内物質・オキシトシンが絡むんだろうなと考えています。
さらに興味深いのが、9段階で深めていくヨガニードラの過程のそれぞれで深まる感覚は、それぞれ脳波・脳内物質・脳のはたらき・神経回路・自律神経との関係など、脳科学で説明がつくそうなのです。
私自身も気になって調べてみたところ、いわゆる「五感」とよばれる、人間が感じとる知覚の割合は、「味覚1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、聴覚 11.0%、視覚 83.0%」(『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)という研究結果があるそう。
体を動かすという大きな指令から解放された上、8割にも及ぶとされる目からの情報も遮断した状態(シャヴァ―サナ)の状態でおこなうヨガニードラ。思考、イメージ、記憶…といった、より心と体のより深いところへアプローチできるという側面が、こうした脳科学の視点での裏付けによってみえてきます。
2人に1人が悩む「睡眠」と、ヨガニードラの関係とは
先ほどの有田先生の言葉にも少し出てきましたが、「睡眠」に対しての大きなメリットという側面もヨガニードラは期待できるといわれています。
ストレス社会と言われて久しい現代。
考え事や悩みごとが頭を占め、神経が昂った状態ではなかなか寝つくことはむずかしいもの。今や2人に1人が悩むと言われている睡眠障害のうち、例えば「入眠障害」において、癒しの脳内ホルモンともいわれているオキシトシンは有効である、と有田先生は言います。
ストレスが脳と体に凝り固まってしまっている状態。ヨガニードラのメソッドを使うと脳内のストレス中枢の興奮を鎮めてくれ、癒しの良い状態に変えてくれます。
通常のアサナ・プラーナヤーマ・瞑想というやり方をもっともっとじっくり細かくしていきます。体が動かせない方、瞑想に慣れていない方、頭が疲れている方にもおすすめできるやり方です。睡眠の質を上げ、睡眠に悩んでいる方にもおすすめです。
ヨガニードラを一度でも実践したことのある方であれば感じたことがあるであろう、「体や心に訪れるおだやかな感覚」。
それらのメカニズム・裏付けは、ヨガニードラを実践・指導をさらに底上げしてくれるはずです。
医学博士&レジェンドティーチャーから学ぶ!ヨガニードラを紐解く新講座、初開催!
今回、貴重なお話を聞かせてくださった医学博士・有田秀穂先生と、イシュタヨガ日本の第一人者マック久美子先生の豪華コラボレーションによる新講座がいよいよ3/20(水・祝)に初開催!
4時間の講座には、
・有田秀穂先生による座学で脳科学の視点から睡眠の基礎知識
・2人の講師によるヨガニードラの説明と脳科学的解説
・マック久美子先生による実践の時間(アサナ・ヨガニードラ)
といった、睡眠にまつわる学びと体験がぎゅっとつまっています!
ヨガニードラはなぜそれほど高いリラックス・癒しにおける高い効果が得られるのか。
伝統的なヨガニードラの段階と共に、脳内で起こっている大きな変化を紐解ける、大変貴重な講座です。
アーサナから始まる9段階のヨガニードラを体験できること自体も、とても貴重な場となります!受講方法もスタジオ・オンライン・録画と3つの方法からお選びいただけます。
この機会にぜひ、理論を学び、実践を深めながらヨガニードラを今まで以上に深く落とし込んでみてくださいね。