記事の項目
アーユルヴェーダでは、食べ物の味は6種類あると考えています。
- 甘味
- 酸味
- 塩味
- 辛味
- 苦味
- 渋味
1回の食事で、この6つの味(Shad Rasa)を食べる事を勧めています。
味覚は5つのエレメンツ(空・風・火・水・地)が組み合わされていてできているとされており、各味覚はドーシャと繋がっています。それぞれの味が3つのドーシャに影響を与え、バランスのとれた食事とは、これらすべての味を含んでいると考えられます。
甘味
甘味の特徴
- 「地」と「水」の組み合わせで、ヴァータとピッタを安定させる効果があり、カパを増やします
- 満足感を与え、疲れている時は体にエネルギーを与えてくれます。
- 神経質で落ち着きがない時などもなだめてくれます。
- 愛や思いやり、強欲(欲張り)、執着心など言った感情を表します。
甘味の多い食品
- はちみつ
- 米
- パン
- ミルク
甘味が程よく体に与えられていると、精神的にも安定し、心も穏やかな状態でいられますが、逆に取り過ぎてしまうと、肥満、心の鈍さや眠気などを招いてしまいます。カパ体質の人が甘味を取り過ぎてしまうと、体重を増やしてしまうので控えめにするといいですね。
酸味
酸味の特徴
- 「地」と「火」の組み合わせでヴァータを減らしピッタ、カパを増やします。
- 火の要素なので、体を温めて、また知性を増大させます。
酸味の多い食品
- レモン
- チーズ
- ヨーグルト
- トマト
- 酸っぱい果物
酸味を取りすぎると、動揺、興奮、拒絶、批判という様な感情が表れる場合があります。ピッタ体質の人が酸味を取りすぎると、胸焼けなど酸性化の障害をもたらしたり、血液成分の変調や皮膚の炎症などといった症状が出てしまいます。ピッタ、カパ体質の人は酸味の食べ物を控えめにするといいですよ。
塩味
塩味の特徴
- 「火」と「水」の組み合わせで、ヴァータを下げピッタ、カパを上げます。
- 信用、確信、自信、勇気といった感情をもたらしモチベーションを高めます。
- 程よく塩味が取れていると、恐怖心や心配を減らします。
塩味の多い食品
- 味噌
- 海藻
取りすぎてしまうと、体の火照りを起こし、ピッタに関係した皮膚炎や高血圧を招きやすくなります。塩味の高い食品はピッタとカパ体質の人は控えめに取りましましょう。
辛味
辛味の特徴
- 「火」と「風」の組み合わせで、ヴァータ、ピッタを下げてカファを増やします。
- 体を温め、発汗作用、代謝と消化力アップに効果的です。
辛味の多い食品
- 唐辛子
- タマネギ
- ニンニク
- ショウガ
- スパイシーな食べ物
取り過ぎてしまうと、喉の渇きと目眩と言った症状が出て、短気になって怒りっぽくなってしまいがちです。ヴァータ、ピッタ体質の人は辛味の多い食品を避けるとドーシャのバランスが保てます。
苦味
苦味の特徴
- 「風」と「空」の組み合わせで、ヴァータを増やしピッタ、カパを減らします。
- 冷却作用があるので、夏の季節や疲れ気味な人にはオススメです。
苦味の多い食品
- ゴーヤ
- ターメリック(ウコン)
- ほうれん草
- 緑野菜全般
苦味を取り過ぎてしまうと、食欲低下、頭痛、皮膚の乾燥といった症状が感じられます。感情面では寂しさ、反感、孤立、うつといった苦い症状を招いてしまうので、ヴァータが乱れている人は苦味を控えると良いですね。
渋味
渋味の特徴
- 「風」と「地」の組み合わせで、ヴァータを上げてピッタ、カパを下げます。
- グラウンディング、支える、一体感といった第一チャクラを安定させる効果があります。
渋味の多い食品
- 豆類
- ブロッコリー
- ジャガイモ
体を冷やすので、ヴァータ体質の人が渋味を取りすぎると、便秘、お腹のガス、恐怖心や不安感などいった症状を招きます。ヴァータ体質の人は取り過ぎに注意しましょう。
6つの味を食べるのは、意外と簡単?
全ての味を食べるのは難しいと思われがちですが、実は意外と簡単なんです。例えば下記のように、普段食べている食材に意識を向ける事によって、バランスはいくらでも取れます。
- ご飯(甘味)
- 味噌汁(塩味)
- 漬け物(酸味)
- ピリ辛〇〇炒め(辛味)
- ほうれん草のおひたし(苦味)
- 豆(渋味)
また、スパイスを加える事によって、更にドーシャのバランスが取りやすくなります。ガスが溜まりやすいお豆を食べる際、ヴァータのバランスを整えてくれる効果のあるショウガ、クミン、コリアンダーやコショウなどいったスパイスを加える事によって食べやすくなります。
これからの食事の際、おかずがどの味をしているか意識を向けて食べていくと、自分の好む味、嫌いな味が分かり、また自身のドーシャや乱れているドーシャの状態が見えるようになってくるので、更に食事の時間の楽しみとして、ゆっくり味わいながらお食事してみてくださいね。