看護師が伝える!産褥期にオススメのヨガ

看護師が伝える!産褥期にオススメのヨガ

妊娠すると、約10ヶ月かけて、子宮内で胎児が成長します。

それとともに、胎盤や羊水、母乳の準備など、身体には様々な変化が起こります。

そして、出産すると、胎児はもちろん、10ヶ月かけて増えた水分も羊水や胎盤と共に一気に流れ出します。

その後、子宮が収縮し始め、母乳が分泌されるようになり、またさらに体内の環境も大きく変化します。

出産のダメージは、全治2ヶ月の交通事故と同じとも言われています。

産後の身体は6~8週間かけて徐々に元の状態に戻ると言われており、この期間を「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。

産褥期は、産後の回復のためにとても大切な期間で、この時期に無理をすると、心身の回復が遅くなり、その先も続く不調の原因になる可能性もあります。

今回は、そんな産褥期の過ごし方と、オススメのヨガについてお話ししていきます。

産褥期に最も大切なことは、「身体を休めること」

大切なことは「体を休めること」
大切なことは、「体を休めること」

産褥期の過ごし方で、最も大切なことは、「身体を休めること」です。

具体的には、骨盤に重力をかけないこと、寝た体勢でできるだけ過ごすことが大切です。

妊娠中から骨盤には大きな負担がかかってます。

出産のために、妊娠中から靱帯を緩めるホルモンが分泌されており、それは、出産してもすぐに止まるわけではありません。また、筋肉も緩んで働きにくい状況で、姿勢は崩れやすくなっています。

出産でさらにダメージを受けた骨盤で、座ったり、立ったり、重力に逆らう姿勢を取っていると、緩んだ筋肉がさらに疲労し、不必要な部分に大きな負担がかかり、その後の不調の原因になる可能性があります。

産後の回復を促すためには、身体に重力をかけないことが1番重要です。

とはいえ、産後すぐから授乳や赤ちゃんのお世話など、ただただ寝て過ごしていられることばかりではありません。

そこでもう1つ重要になってくるのが、骨盤ベルトと、身体の使い方の知識です。

産褥期に大切な骨盤ベルトの正しい知識

骨盤ベルトは、正しい位置に、正しい強さで装着することで、緩んだ骨盤を支えるためにとても効果的です。

骨盤ベルトの位置は、上前腸骨棘と恥骨の間で、装着の強さは、手のひらが1枚入る程度です。
装着する際は、脚を骨盤幅に開き、少しつま先は外に向けた状態で、息を吐きながらお尻の穴を閉めるようにしながら装着します。

こうすることで、下に下がって来がちな内臓を少しでも元の位置に戻しながら装着することができます。

産褥期の身体の使い方

おすすめのチャイルドポーズ
おすすめのチャイルドポーズ

身体の使い方について、立ったり座ったりする場合は、骨盤をまっすぐにすることが需要です。

左右どちらかに体重をかけたり、足を組んだりする姿勢はお勧めできません。

骨盤をまっすぐにしていくためには、インナーユニットを強化していくことも大切です。

ここで、ヨガの呼吸やアーサナが力を発揮します。

腹式呼吸

まずは腹式呼吸。

仰向けに寝た状態で、膝を立てます。

鼻からゆっくりと吸い込んだ空気で、お腹が膨らむことを確認したら、鼻から丁寧に息を吐きます。喉を締めたウジャイ呼吸で細く長く吐き切っていきます。

吐き切る時に、お腹が閉まっていく感覚を感じましょう。

慣れてくれば、吐く息で一緒に骨盤底筋を引き上げたり、内腿のクッションを挟んで内転筋を意識したりすることも、効果的です。

チャイルドポーズ

また、腰痛予防に、チャイルドポーズも効果的です。

正座の姿勢から、両手の下にクッション等を置き、吐く息でそのクッションを前に押し出しながら、チャイルドポーズになります。

両手から腰がストレッチされ、反り腰の改善につながります。

心地よければ、両手のクッションを左右斜め前に押し出して、体側もストレッチしてみましょう。

産後の身体には正しい知識が大切

いかがだったでしょうか。

産後の身体は、大きなダメージを受けているにもかかわらず、夜間も授乳等、体力の回復だけに専念できないことが多いです。

しかし、知識を持って、行動することで、少しでも体力を回復させ、不調を後に残さないことが可能です。

ご自身の体調と相談しながら、深い呼吸に意識を向ける時間も、ぜひ作ってみてください。

参考文献