看護師が伝える!伝えるポーズは、正しくなくてもいい⁉︎

看護師が伝える!伝えるポーズは、正しくなくてもいい⁉︎

ウォーリアー2(英雄のポーズ2、ヴィラバドラアーサナB)は、立位の代表的なヨガポーズで、ポスターや本の表紙などにもよく掲載されている、所謂「ヨガっぽいポーズ」だと私は思っています。安定感と開放感を同時に得られるポーズですので、私自身もレッスン中によく登場させています。

このポーズは、足を大きく開き、前にある足のつま先からかかとまでの延長線上に、後ろの足の土踏まず辺りがくるようにします。前にある足の膝はかかとの上で90度に曲げ、上半身は地面に対してまっすぐ、両腕は足と同じ方向に大きく開いて、目線は前に伸ばした手の指先を見ています。

では、レッスンでこのポーズをおこなう場合、必ず全員をこのお手本の形に誘導するべきなのでしょうか?答えはNOです。
お手本や正しいとされるポーズの形がすべての人に心地よく、安定感と開放感を与えているかと言われると、そうとも限りません。ポーズをリードしていく上で、いちばん大切なことは「安全」、そして、次に「心地よさ」だと私は考えています。

ウォーリアー2の注意点

ウォーリア2のポーズをする女性たち
ウォーリア2のポーズをする女性たち

ウォーリアー2の場合、膝を守るために、曲げた膝の向きは絶対に気をつけたいポイントです。足の位置を左右一直線上に置いた場合、多くの人は曲げた足の膝が内側に引っ張られてしまいます。つま先よりも膝が内側に入った状態で体重がかかれば膝への負担は大きくなり、痛めてしまう原因になるので避けなければなりません。このような状態になった時には、後ろの足を少しだけつま先方向に踏み出すと、膝とつま先を同じ向きに保つことができます。

膝の向きを意識して確認したうえで、他の場所についても確認していきます。広げた足の幅は、「少しきついな」と思う程度が、下半身の力強さと安定感を生み出すとされていますが、この幅は個人によって異なります。感覚の目安を伝えて、生徒自身が足幅を決めてもいいのかもしれません。踏み込む足に意識を取られて、上半身が前に傾いたり、肩が上がったり、広げた手が後ろ側だけ下がったりすることも、レッスン中ではよく見られます。しかし、レッスンに参加している人全員に、すべての「ミスアライメント」を完璧に修正するのはとても難しいことです。

簡潔なリードで効果が向上

ここで、「安全」の次の優先順位である「心地よさ」を得るために、そのポーズをシークエンスに入れた目的が重要になってきます。
たとえば、下半身に力強さを感じてもらうためであれば、足幅を細かくリードをしていく。体幹を意識するためであれば、踏み込む前に、しっかりと体幹をまっすぐに保てるリードをいれる。肩や首の使い方を感じるために入れたのであれば、それまでに伝えてきた肩や首の使い方を丁寧にリードしていく……
あるいは、ウォーリアー2を丁寧に作るレッスンなのであれば、1回のキープですべて伝えようとせず、意識するポイントを1つずつ増やして、何度も挑戦できるようにしてもいいかもしれません。

自分がシークエンスを組む時に、どのような意図でそのポーズをそのタイミングにいれたのかが明確であれば、自ずと伝えたいことが絞られて伝えやすくなります。簡潔なリードは、生徒のみなさんにも伝わりやすく、ポーズの効果が向上します。
「ポーズの正しさ」というところにだけ囚われてしまうと、情報量が多すぎて、時には伝わらなくなってしまうこともあります。伝えたいことや意識したいことは、端的に明確にすることで、生徒も意識しやすくなり、変化や効果も感じやすくなります。自分自身がそのレッスンで伝えたいことを伝えられるシークエンスの組み方、リードを探していってください。

参考文献


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