アーユルヴェーダとはなんでしょう?
日本ではオイルを使った“エステ”のイメージが大きいアーユルヴェーダですが、ヨガをされていない方でも、1度は聞いた事があるのではないでしょうか。
では、アーユルヴェーダとはなんでしょう?
アーユルヴェーダは、古代インドより5000年以上も前から存在する伝統的なホリスティック医学です。
サンスクリット語でアーユス(生命)とヴェーダ (科学) という言葉が組合わされて「生命の科学」と言います。
チャラカ・サンヒター、スシュルタ・サンヒターとアシュタンガフリダヤーの3大古典医書に基づき、宇宙も人類も全てパンチャ・マハブータ(5大元素:空・風・火・水・地)で成り立っていると言われています。
更に、これらの5元素の組み合わせからできる「ドーシャ」と呼ばれる生体エネルギーが全ての物質にも存在していると考えます。
西洋医学との違い
アーユルヴェーダは、現代医学のように研究を重ね、治療法が発達したり、医療器具が増えるのではなく、母なる自然に沿った生活の智慧です。
5千年前に比べると地球も変わり人類、植物、気候、また住んでいる地域によって食べる物も随分と変わりました。アーユルヴェーダでは、健康を保つために環境と個々の体質にあったライフスタイルを送る事により、調和が保たれると言われています。
日頃の習慣や食生活など生活全体にアプローチをすることにより、健康状態を最高に保ち、不調知らずな体質を目指すことを重視しています。
西洋医学の様に、症状が生じたときに治療をするのではなく、症状が出ない体質を目指すのがアーユルヴェーダの医学です。
病状が起きた際は、病気そのものだけを治療するのではなく、病気になった根本的な原因を探り、日々の生活の中で変えていくので、生活そのものがアーユルヴェーダなのです。
また、西洋医学との大きな違いのひとつは、患者は一人一人がユニークであるため、治療の効果が異なります。よって、症状に対しての治療ではなく、その人に合わせた治療法をおこなうのが特徴です。体の不調は心へと影響し、また心の障害は体へと影響されると見ているので、アーユルヴェーダでは心と体を一体としてみています。
ヨーガと姉妹科学のアーユルヴェーダ
歴史のある療法には必ず哲学がつきものです。アーユルヴェーダの哲学では、マインド、ボディ、スピリッツの調和を基準にし、人間の本能でもある3つの欲求(食、睡眠、性行為)をバランスよく満たすことによって調和が保たれると考えています。
ヨーガ、アーユルヴェーダ共にヴェーダの哲学が根底にある理論に基づいていて、それぞれ
- ヨーガは心の作用
- アーユルヴェーダは体の作用
として取り入れています。
アーユルヴェーダで生活習慣を正し、肉体面の調和が保たれると、自然と心も穏やかな状態へと繋がります。
ヨーガでは、体と対話しながら感受性を磨き、自身の本質に意識を向けることを目指します。アーユルヴェーダで自身の体質を理解し、その時に適したヨーガのプラクティスを行う事により年齢問わず続けながら若さを保てるアンチエイジングな素晴らしい科学でもあります。
予防医学としてのアーユルヴェーダ
アーユルヴェーダ視点で送るライフスタイルは、とてもシンプルで、私たちの祖父母が昔から実践してきたものがたくさんあります。
現在ではWHO (世界保健機溝)でも病気予防の医学として正式に推奨されたアーユルヴェーダは、病気を治療するだけではなく、予防医学でもあります。
よりシンプルに生きる事で、マインド・ボディ・スピリッツの調和を保ち、より良く生きる事を目指していけたらいいですね。